アパートの共益費と管理費の違いって何?

アパートを借りると、さまざまな費用が必要になります。代表的なものは、毎月必要となる家賃でしょう。その他にも、入居時には敷金や礼金などが必要になる物件も少なくありません。そして、家賃と同様毎月支払わなければならない費用があります。それが「共益費」と「管理費」です。しかし、よく考えてみると両者の違いについてあまり理解していない方も多いでしょう。そこで今回は、共益費と管理費の違いや何に使用されているかなどをご紹介します。

 

 

正体不明の共益費って何?

冒頭で述べた通り、共益費や管理費の正体やその使い道については、あまり語られることもなく、考えたことのない方も多いでしょう。ただ、両方について一度にかんがえると分かりづらいため、共益費を基準に考えてみましょう。

共益費とは、不動産の維持やメンテナンスのために支払う必要のある費用です。不動産会社の管理の下、私たちが賃貸物件で暮らせているのは、共益費の存在があるからこそなのです。

管理費との違い

ここで問題となるのが、上述の共益費と管理の違いです。数は少ないものの、両方支払う物件もありますが、どのような違いがあるのでしょうか。

実は共益費と管理費は、名称が異なるだけで、不動産の維持やメンテナンスのために徴収している費用という点は変わりません。

ただ、唯一の違いは、共益費は民法上定められた費用ですが、管理費は特に法律で定められていないという点です。そのため、共益費を滞納してしまった場合は、民法306条に則って、優先的に取り立てが行われます。管理費は特段法律上定められているわけではないため、優先的な取り立てなどは認められません。

場合によっては違うニュアンスで両者を使い分けているケースもありますが、物件探しをする場合は共益費=管理費と考えて良いでしょう。

共益費は何に使われているのか

不動産の維持やメンテナンスのために徴収されている共益費。ここでは、さらに具体的に共益費がどんな項目に使われているのか確認します。

主な使用用途としては、以下のような例が挙げられます。

・共用部分の清掃やメンテナンス、修繕費

・エレベーターの保守点検

・共同の水道や電気代費用

・花壇や駐車場の手入れ

・害虫駆除

共用部分は、玄関ホールや廊下・階段など、私たちが普段利用している場所のため、共益費や管理費によってそこをきれいに保っているのです。

また、共益費や管理費の使用用途は基本的に定められていません。上記の挙げたのは一例であり、その他の費用や家賃滞納の補填分として用意している不動産会社や大家さんもいるようです。

 

 

共益費の相場について

次は、共益費の相場について考えてみます。相場について理解しておくと、物件を探す際に、その不動産会社や大家さんが信頼できるのかどうかを測る試金石になります。

共益費にも相場が存在する

そもそも、「共益費は大家さんの言い値で決まるため、相場なんか存在しない」と考えている方もいるかもしれません。しかし、共益費や管理費には一定の相場が存在します。

共益費の相場は、家賃の5%~10%程度が一般的です。その金額より明らかに高い場合や安い場合は、管理会社に共益費の使用用途や管理方法について確認する必要があるかもしれません。

また、共益費を支払わなければならない場合は、入居前に自分で共用部分をチェックすることも大切です。清掃や点検が行き届いているか確認しましょう。共益費を徴収している以上、共有部分が最低限の清潔感を保っていることは重要です。

ただ、共益費や築年数や間取りによって前後する可能性もあります。高級住宅の場合、一般的な価格より高い共益費が設定されているケースも珍しくありません。

フリーレント物件でも共益費は必要となる

近年増えている物件が「フリーレント物件」です。入居してから一定期間、家賃が不要になる物件をフリーレント物件と呼びます。初期費用を安く抑えられるため、多くの方から人気を集めています。フリーレント物件の詳細については以下の記事をご覧ください。

 

 

上述の通り、初期費用を安く抑えられるのがフリーレント物件の特徴であり、実際家賃が一定期間無料になります。ただ、共益費が設定されている場合は、共益費は支払わなければならないケースがほとんどです。家賃が無料だからと言って共益費までは無料にならないため、注意しましょう。

共益費が高めに設定されている物件もある

共用部分の利用頻度や利用価値の高い物件は、共益費が周辺の物件と比べて高めに設定されていることがあります。その代表例がシェアハウスです。シェアハウスについての詳細は、以下の記事をご覧ください。

 

 

シェアハウスは、個人の部屋より共用部分の住み心地を重視して間取りが考えられており、その価値も共用部分のほうが高いといえます。キッチンやお風呂などの設備も充実しているケースが多いです。そのため、必然的に共益費が高く設定されているのです。

 

共益費なしの物件に住む際の注意点

共益費の概要については上記で紹介した通りです。そして、物件情報サイトを調べてみると、「共益費・管理費なし」という物件が数多く存在するのが分かります。共益費を支払わなくて良い物件を魅力に感じる方も多いのではないでしょうか。以下では、共益費なしの物件を選ぶ際の注意点をご紹介します。

家賃に共益費が含まれるケースも

共益費がゼロの物件であっても、実は家賃に共益費が含まれているケースも少なくありません。共益費がかからない物件であっても、不動産のメンテナンスや修繕費は必ず必要となります。そのため、共益費以外からそれらの費用を賄う必要があります。

ただし、家賃以外に共益費などの費用がかかることを嫌う入居者は少なくありません。そこで、家賃に共益費を含め、表面上共益費ゼロとしているのです。

共益費で損しないためには、相場の物件と比べてその物件の家賃が高いのかどうかを調べる必要があります。5%~10%程度家賃が高い場合は、共益費が家賃に含まれている可能性があります。それを許容できるか検討したうえで物件を選択しましょう。

初期費用が割高に

共益費が家賃に含まれている場合、初期費用がその他の物件と比べて割高になるケースがあります。敷金や礼金といった初期費用は、「家賃〇か月分」といった形で支払うのが一般的です。そのため、共益費が家賃に含まれ、家賃が周辺相場より高くなっている物件の場合、最初に支払う敷金や礼金が高くなってしまうのです。しっかりと比較検討する必要があるでしょう。

 

 

共益費・管理費まとめ

共益費や管理費が必要となる物件は、基本的に毎月の家賃と同じタイミングで大家さんに支払いを行います。毎月家賃以外の金額を支払うことに不満を覚えている方もいるかもしれません。

共益費や管理費は、私たちがその建物をきれいに安心して利用するために使用されるのが一般的です。もちろん、管理の行き届いていない物件の場合は、「共益費を支払っているのだからしっかりと管理して欲しい」と伝える権利もあります。ただ徴収に納得できないからといって無断で支払わないようなことだけは控えましょう。

また、物件によっては実際は共益費を徴収しているにもかかわらず、家賃に含めることで「共益費ゼロ物件」を謳っているケースは少なくありません。本当に共益費ゼロの物件を探すのであれば、周辺の物件と比較検討しながら選ぶ必要があるでしょう。

 

 

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