賃貸物件の申し込みについて解説!たまに聞く先行申込・先行契約とは何?

最終更新日 :

新生活や転職、転勤などで新しい賃貸物件を探す際、どういう手順で行えばいいのか迷ったことはありませんか?ここでは、いいなと思った物件は複数同時に申し込み出来るのかといったことや賃貸物件の申し込みに必要なものを解説。また、お部屋探しをする中で出てくる「先行申込」や「先行契約」といった言葉の意味も合わせて説明します。
賃貸物件を決める際にまずは何を知っておけばいいのか分からないという方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

賃貸の申し込みとは

賃貸の申し込みとは、物件を探して自分が住みたいと思った物件を見つけた際に「この物件を借りたい」という意思表示を行うことです。物件の申し込みは仲介の不動産会社に申込書を提出することで完了します。申し込み完了後、物件への入居者募集は一旦停止されるため不動産会社によっては「仮押さえ」と呼ぶこともあります。ただ、申し込みが出来たからといって、必ず入居出来るわけではありません。申し込み時に提出した申込書を利用して貸主や管理会社、保証会社などによる審査が行われます。それらの審査を通過した人が本契約を行います。

物件を申し込むまでの流れ

賃貸物件の申し込みを行うまでの主な流れは下記の通りです。

①ネットやアプリ、不動産会社を利用し、希望する条件で物件の候補を選ぶ
②選んだ物件を内見する
③選んだ複数の物件に優先順位を付ける

①ネットやアプリ、不動産会社を利用し、希望する条件で物件の候補を選ぶ
まずは自分の住みたい場所、間取り、条件などから希望の物件を探しましょう。ネットを使って事前に自分が住みたい場所の家賃の相場や初期費用の概算を調べておくと、引っ越しのイメージがしやすくなります。人気の物件はすぐに他の人に取られてしまう場合も多いので、この時に物件は1つに絞らずに、最低3つ以上はピックアップしておくと良いでしょう。

②選んだ物件を内見する
契約の前に必ず物件は内見しましょう。物件情報に掲載されている写真は、広く見えるように工夫して撮影されていたり、写真自体を明るく加工していたりする場合があり、実際に見たときとイメージが違うという場合は多いです。また、周辺環境などもチェックしておくことで、近隣トラブルを未然に防ぐことも出来ます。内見は時間も体力も使うので、3件〜5件ほどにある程度候補を絞っておきましょう。
また、申し込み後にキャンセルしなくていいように、このタイミングで初期費用や、家賃の支払い開始時期を確認しておくことも大切です。
引っ越し場所が遠方の場合や、内見をする時間が無いという方は、オンライン内見がオススメ。実際に現地に行く手間が省けるので、候補が多すぎて絞り切れないという場合でも効率良く内見することが出来ます。

③選んだ複数の物件に優先順位を付ける
ある程度物件を絞ったら、優先順位を付けましょう。自分が住みたいと思った物件は他の人も同時に検討している可能性があり、必ずしも入居出来るとは限りません。
第一希望の物件が申し込み出来なかった場合に「またゼロから物件探し……」という事態にならないよう、事前に候補は複数準備しておきましょう。

賃貸の申し込みを複数することは可能なの?

引っ越しの時期は時間に追われている場合も多いので、出来るだけ効率的に物件を契約したいですよね。上記の流れで物件をある程度絞った後は、いざ物件の申し込みです。

基本的に、一度に複数の賃貸物件に申し込みを行うことは「可能」です。法律的にも特に定めはなく、禁止されていません。
しかし、複数の物件の申し込み申請を行うことには、メリット・デメリットがあります。

<複数の賃貸に申し込むメリット>

・候補の物件を他の人に取られない
物件申し込み後に審査があるため、すぐに契約というわけには行きません。物件は早いもの順で決まるため、あらかじめ抑えておくことで物件をキープすることが出来ます。

・入居審査に落ちた場合の保険になる
入居審査に落ちてしまう場合もあるので、複数の賃貸物件に申し込んでおくことで審査に落ちた場合の保険にできます。
しかし、複数の物件に申し込むことによって、逆に審査に影響を及ぼすケースもあるので、注意が必要です。

<複数の賃貸に申し込むデメリット>

・関連業者に迷惑がかかる
複数の物件に申し込む行為は、必ずどこかの物件をキャンセルすることになるため、基本的に不動産会社や貸主からは良くは思われません。
安易なキャンセルは、不動産会社をはじめとしたその他の関係者にも良くない印象を与えてしまい、入居審査が不利になってしまう場合もあるので気を付けましょう。

・長期間物件を押さえておくことはできない
物件によって差はありますが、基本的に1つの物件を押さえられる期間は審査が通ってから約1週間、審査期間を入れると約2週間前後です。
その後は本契約に進むか、キャンセルするかの判断が迫られます。

・余計な費用がかかってしまう可能性がある
物件によっては申し込みの際に、申し込み金を支払う必要がある場合もあります。申し込み金はキャンセル時に返還されることが多いですが、場合によってはそのまま徴収されるケースもあるので、支払い時に確認しておきましょう。

・入居審査が不利になるケースがある
同じ不動産会社で複数の物件を押さえた場合や、同じオーナー(貸主)の物件を押さえた場合、相手に悪い印象を与えてしまい入居審査が不利になることもあります。
複数の賃貸物件に申し込みを行うことはダメではありませんが、仲介業者には迷惑がかかってしまう行為です。トラブルにならないように気を付けましょう。

先行申込・先行契約とは

部屋を決める際に「先行申込」や「先行契約」を行い、内見の前に先に部屋を押さえてしまうという方法があります。2つの言葉は大きく意味が異なるので、ここでしっかりとチェックしておきましょう。

<先行申込とは>

先行申込とは、内見前に部屋の申し込みを行うことです。居住中・建築中などの理由から申し込みの時点では内見出来ない物件でよく見られます。内見が出来るようになった段階で実際に室内を見て、契約を行うかどうか判断します。

通常、お部屋探しの流れは下記が一般的です。
①内見
②入居申込
③審査
④契約
⑤入居

先行申込の場合、お部屋探しの流れが下記になります。
①入居申込
②審査
③内見
④契約
⑤入居

通常は内見後に入居申込(審査)を行いますが、先行申込の場合は順序が逆になり、入居申込(審査)の後に内見を行います。

物件選びでは、最初に入居申込をした人を1番手、以降の人は2番手と呼ばれます。
先行申込は、他の人よりも早く申し込みを行うため、物件が内見可能になった時点で優先的に内見できるメリットがあります。
内見して物件を気に入ればそのまま契約、気に入らなければキャンセルすることも可能です。

ただし、先行申込は原則1件しか行うことができません。複数の気に入った物件を先行申込で押さえておくということは出来ないので注意しましょう。
また、先行申込をしたからといって、物件への入居が確定したわけではありません。先行申込を行った後に、自分の順番が2番手・3番手である可能性があります。
自分よりも先に申し込みを行った人が契約をすれば、その物件は取られてしまいます。
先行申込をすることで、入居の確率は上がりますが、入居が確約されるわけではないということは認識しておきましょう。

<先行契約とは>

先行解約とは、内見せずに賃貸契約を行うことです。
先行契約は、入居申込・審査・契約までを一気に進めます。引越しの期日が迫っている方や、遠方に住んでいるため内見に行けない方、現在建設中の新築物件に確実に入居したい方などにおすすめの方法です。

先行契約のお部屋探しから入居までの流れは非常にシンプル。
①契約(入居申込・審査)
②入居

内見を行わないため、申込から入居までのスピード感は早いです。
先行契約のメリットは先行申込と違い、物件の確保を確約出来る点です。どんなに人気物件でも、審査に通ってしまえば他の人に取られる心配はありません。

ただし、先行契約は契約前に内見を行うことが出来ない点、そしてキャンセルが出来ない点に注意しましょう。
内見が出来ないため、実際に入居した際に「イメージと違う」と感じる可能性があります。先行契約後はキャンセルが出来ず、もし契約を取りやめる場合は違約金が発生します。
先行契約を行う際は内見以外の方法でできる限り物件の情報を集めて、イメージとの相違を無くすことが大切です。

内見以外の方法としては下記があります。

①現地に行き、外観や周辺環境を確認する。現地に行けない場合はネットで調べたり、不動産会社に確認する。
②不動産会社に頼んで、同じ物件の他の部屋を見せてもらう。
③不動産会社に頼んで、過去に撮影した物件の写真や動画を見せてもらう

入居した後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないよう、少しでも気になることは不動産会社に確認をしましょう。

賃貸の申し込みに必要なもの

賃貸の契約の前の「申し込み」を行う際に必要なものは、下記の2点です。

①申込書
申込者の氏名、生年月日、住所、連絡先、勤務先、勤務先住所、勤務先の資本金、年収、勤続年数、緊急連絡先など

②身分証明書
免許証や保険証のコピー

上記の他にも、住民票や印鑑証明書が求められる場合もあります。その際は、原則発行から3ヶ月以内の原本が必要です。

連帯保証人を立てる場合は、連帯保証人について以下の情報が必要になります。家賃保証会社と契約する際は、緊急時の連絡先となる家族・親族がいれば問題ない場合もあります。

・連帯保証人の氏名、生年月日、住所、連絡先
・申込者との続柄
・勤務先情報、勤続年数、年収

また、不動産会社によっては、申し込みの際に「申込金」を求められることがあります。
申込金はあくまで本契約までの一時金なので、キャンセル時や契約成立時に返還されるものです。
トラブルを未然に防ぐためにも、申込金を預け入れる場合は必ず「預かり証」を発行してもらいましょう。

まとめ

ここまで、物件の申し込みに必要な情報を解説しました。
引越しはお金や労力多く使うもの。「こんなはずじゃなかった……」とならないように、事前の情報収集や準備をしっかりと行い、納得のいく物件を選びましょう!

ライター×広報×言葉が好きな人
yura 10本
証券会社にて営業経験後、現在の会社に転職。立ち上げたばかりの広報の部署に2人目として未経験入社。プレスリリースの作成や社員インタビュー記事の執筆を行っている。転職の際に様々な人のブログやnoteに触れ、自分の決断の後押しをしてもらったことを機に、自分も読んだ人の背中を押せるような文章を書きたいという思いから副業ライターへ。現在は不動産記事を中心に活動中。将来の夢は、学生時代に短期留学したイギリスにもう一度住むこと。趣味はアニメとカフェ巡り。おいしいカフェラテを探す旅をしています。 資格・免許:証券外務員
ライター×広報×言葉が好きな人
yura 10本
証券会社にて営業経験後、現在の会社に転職。立ち上げたばかりの広報の部署に2人目として未経験入社。プレスリリースの作成や社員インタビュー記事の執筆を行っている。転職の際に様々な人のブログやnoteに触れ、自分の決断の後押しをしてもらったことを機に、自分も読んだ人の背中を押せるような文章を書きたいという思いから副業ライターへ。現在は不動産記事を中心に活動中。将来の夢は、学生時代に短期留学したイギリスにもう一度住むこと。趣味はアニメとカフェ巡り。おいしいカフェラテを探す旅をしています。 資格・免許:証券外務員

記事一覧

この記事が気に入ったらシェアしよう!

コメントを残す


関連する記事