ベッドタウンで暮らすメリット・デメリット【都会にはない快適さ】

人が家を選ぶ際、主に3つの場所が候補に挙がります。「1.都会」「2.田舎」「3.都会に出やすい郊外」今回は3番目に当てはまる、いわゆる「ベッドタウン」と呼ばれる地域について、そこに住むメリットやデメリットをご紹介します。これから引越しを検討している方、都会での生活に疲れてしまった人などにおすすめです。

 

ベッドタウンとは何か

その街が栄えているかどうかを判断する基準として「人口」を利用することは多々あります。住んでいる人が多ければそれだけ街が発展しているといえますし、少なければ寂れていると考えるでしょう。ベッドタウンとして機能している街は、人口も多い傾向にあります。

しかし、その街がベッドタウンかどうかを考える際、もう1つ指標となるものがあります。それは「昼間人口」と「夜間人口」です。それぞれ昼間の人口と夜の人口をことを指しており、ベッドタウンでは学校や仕事で昼間は都会に出ている人が多く、夜に帰ってくるため昼間人口と夜間人口の差が大きくなります。

このように、昼間人口と比べて夜間人口が多く、なおかつ都市部へ移動しやすいという特徴を持った周辺の街を「ベッドタウン」と呼びます。

「ベッド」という名前の由来はいくつかありますが、その名の通り「昼間は働き、夜寝るために帰る場所」という意味で「ベッドタウン」となったというのが一般的な解釈です。

そんなベッドタウンは、今大きな局面を迎えつつあります。それらについて、ベッドタウンの歴史を振り返りながら確認しましょう。

ベッドタウンの歴史【成長期】

そもそも、なぜベッドタウンという概念が生まれ、それが定着したのでしょうか。

1960年代以降の高度経済成長期の日本では、経済の急成長により国の規模が大きくなり、それに伴い若者が大都市へ進学・就職するようになりました。地方に住んでいた人も、東京や大阪などの大都市へ移住し、生活の基礎を築いたのです。

そして、歳を重ねやがて結婚するようになります。しかし、当時の大都市は高度経済成長期によってビルの建設ラッシュが起きており、新築の一軒家を立てるという選択肢がありませんでした。築何十年という古い戸建てに住むか、木造のアパートや長屋に住むのが一般的。

そこで、結婚を機に大都市へ通うことのできる周辺の街に移住する人が増えました。これがベッドタウンの始まりです。

都会である東京や大阪に人が住まず、周辺都市に人が集まったことから、真ん中にぽっかりと穴が空いたようだということで「人口のドーナツ化」と呼ばれたりもしました。

ベッドタウンの歴史【衰退期】

しかし、ご存知の通り高度経済成長期は永遠ではありませんでした。バブルの崩壊、それに伴う収入の低下により共働き家庭が増加し、さらに大都市の地価が下落したことでベッドタウンで暮らすメリットが小さくなってしまったのです。

これにより「都心回帰」の流れが進み、1990年代以降都会の人口が増え、ベッドタウンの人口が徐々に減少しています。

また、高度経済成長期にベッドタウンに移住した人々は高齢化しています。その結果、街に空き家が増え、ベッドタウンの人口減少は歯止めが利かなくなってきています。虫食いのように空き家が増えていることから「ベッドタウンのスポンジ化」と呼ばれることも。

このような問題を解決するべく、ベッドタウンと呼ばれる郊外の街では、人々を呼び込むためのさまざまな工夫がなされています。それが次のメリットへとつながるのです。

 

ベッドタウンで暮らすメリット・デメリット

次はベッドタウンで暮らす際のメリットやデメリットを確認してみてましょう。

メリット

家賃・物価が安い

ベッドタウンで暮らす最大のメリットといえば、やはり「家賃や物価が安い」ということではないでしょうか。地方から出てきた人が「東京は何でも高い!」と言っているのを聞いたことがあります。

それだけ値段が高くても売れる、地場のものがないなど、さまざまな理由が考えられますが、例えば子育てをしながら東京に住むとなると負担は大きくなりますよね。

家賃で比べてみても、同じ間取りで2~3万円程度は東京の方が高い傾向にあります。23区外などに出れば多少安くなりますが、それなら東京に住む理由もあまりないかもしれません。家賃などを抑えたいという方は、都会から一歩出てみることをおすすめします。

子育てを意識した街づくり

今窮地に追い込まれつつあるベッドタウンは、都会との差別化を図っています。その代表例が「子育て」を意識した街づくりです。

都会よりも緑豊かな街を目指すことや、子育て支援センターなどを作ることで、都会より子育てしやすい街づくりを行なっています。

地方へのアクセスの良さ

ベッドタウンは都会の周辺にあるということもあって、道路や公共交通機関も発達しています。その結果、都会だけでなくいわゆる田舎と呼ばれる地方へのアクセスも良くなっています。

趣味や日帰り旅行で地方に行く際や実家に帰る際は、その特徴が便利に働くでしょう。

車を所有しやすい

「車」についても、都会とそれ以外でかなり考え方が分かれます。東京に住んでいる方の中には、「車なんて維持費が高すぎるしいらない」という考えの方も多いでしょう。しかし、実際に車を持っているとやはり何かと便利です。

そんなとき、ベッドタウンであれば車を所有しやすいという特徴があります。特に駐車場代は大きな差が出ます。東京都内で駐車場を借りようとすると、1か月数万円が当たり前ですが、ベッドタウンであれば5,000円もあれば借りられます。維持費が安く済むというのは、車を所有する上で大きなメリットになるでしょう。

 

デメリット

移動に時間がかかる

そんなベッドタウンにももちろんデメリットがあります。例えば、移動する際に何かと時間がかかるのはデメリットでしょう。

仕事が学校で都会に出るとき、地方へ遊びに行くとき、簡単に移動できないのは人によってはストレスかもしれません。都会に住んでいれば、すべてを都会に済ませてしまい、地方には出ないという方法も選択できます。

また、新幹線で移動するにも駅までが遠いなんてこともしばしばあります。

施設が少ない

施設の充実度はやはり都会に比べて劣ります。

例えば、娯楽施設やコンビニ1つ取っても、都会なら首を振るだけで1つは見つけることができますが、ベッドタウンの場合車で移動しなければならないことさえあります。

また、閉店時間も都会と比べると早いですね。

車社会

ベッドタウンはどこも圧倒的な車社会です。先ほどメリットで紹介したように、維持費が安く済むというのが大きく影響しているのでしょう。店と店が離れているので、車を持っていないと住みづらい場合も。

  

 

代表的なベッドタウン

それでは最後に、日本の3大都市である「東京」「大阪」「名古屋」それぞれのベッドタウンを確認します。周辺への移住を検討している方は、ぜひ以下の街を見てみるといいでしょう。

東京のベッドタウン

東京はやはり別格で、周辺の都市すべてがベッドタウンといっても過言ではありません。代表的なところでいえば、横浜や川崎・埼玉・千葉などでしょうか。

また、都内でも23区外は都心のベッドタウンという位置づけをされることがあります。

ただし、東京周辺のベッドタウンは、その街自体の規模も大きくなっているので、地方のベッドタウンと比べると家賃は物価は高くなる傾向にあります。その分施設の充実度などは高いといえるでしょう。

大阪のベッドタウン

大阪のベッドタウンとして有名な街は、豊中市や・吹田市・池田市・箕面市・高槻市などがあります。いわゆる「北摂」と呼ばれる地域の街ですね。

大阪中心部へのアクセスもよく、治安のいい街並みが特徴的でベッドタウンとしての魅力を備えています。

名古屋のベッドタウン

名古屋のベッドタウンは、東京と比べても遜色ないほど広いエリアだと言われています。

例えば愛知県内だと、万博で有名になった長久手市や一宮市・犬山市などがあり、県外に目を向けてみると岐阜県岐阜市・多治見市、三重県桑名市・四日市市もベッドタウンと言われます。

どこも名古屋まで電車1本で通うことができるのが特徴的です。

 

 

ベッドタウンでの生活 まとめ

ベッドタウンの暮らしには都会にはない魅力が詰まっています。もしみなさんが都会での生活に疲れたという場合は、ベッドタウンで物件探しをしてみてもいいのかもしれませんね。

 

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