1万円から始められる不動産投資型クラウドファンディングの魅力

サービスや商品の提供にあたり、プロジェクトに共感したユーザーから出資を募り、それを資金として事業を行う「クラウドファンディング」。

2000年代に入りさまざまなプラットフォームが登場し、各業界で注目を集めていますが、その波は不動産投資業界にも訪れています。

今回は、近年話題となっている「不動産投資型クラウドファンディング」について、その魅力や投資をする際の注意点などを解説します。とくに、少額投資に興味をもっている方必見です。

不動産投資型クラウドファンディングとは何か?

近年耳にする機会が増えた「不動産投資型クラウドファンディング」という言葉ですが、あまり馴染みがない方も多いでしょう。

不動産投資型クラウドファンディングとは、一般の投資家から資金を募り、集まったお金を活用して不動産を取得し、運営を行う手法です。

集金の方法や手順は、一般的なクラウドファンディングと相違ありません。

投資の結果得られた利益は、各投資家に配分されます。この点については、株式に近いともいえるかもしれません。

通常の不動産投資と異なるのは、建物の修繕や入居者管理といった面倒な作業をクラウドファンディング事業者に任せることができる点にあります。

不動産経営に関する知識のない方でも、安心して不動産投資を行える点に大きなメリットがあります。

不動産投資信託(REIT)との違い

投資家から資金を集め、その資金を利用して不動産に投資をする点は、不動産投資信託(REIT)とよく似ています。

両者の最大の違いは、投資対象である物件を自由に選べるかどうかにあります。

REITは、投資のプロが自動的に投資先を選んでくれる点が魅力でもありますが、自分で投資対象の物件を選ぶことができません。

一方、不動産投資型クラウドファンディングは、自身で投資対象の物件を選ぶことができるため、自分の経験や知識を活かして投資をしたい方におすすめです。

その他の両者の違いについては、下記の表でご紹介します。

 

不動産投資型クラウドファンディング

REIT

投資対象

マンションやアパートなどの居住用不動産 ホテルやオフィスなどにも投資可能

運用方法

ひとつの物件に共同投資

分散投資が基本

換金の流動性

低い 高い

物件の選定

自身で選定可能 投資のプロが選定

投資費用

最低投資金額1万円 不動産投資型クラウドファンディングより費用は高い

管理コスト

不要 不要

 

REITについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

ソーシャルレンディングとの違い

クラウドファンディングと同様の仕組みを活用した金融サービスとして、「ソーシャルレンディング」が存在し、そのなかには不動産へ投資するものが登場しています。

ソーシャルレンディングと不動産投資型クラウドファンディングとの違いは、利益の源泉にあります。

ソーシャルレンディングは、資金の貸し借りが基本のサービスのため、それに応じて発生する「利息」が利益の元となります。

一方、不動産投資型クラウドファンディングは事業者が物件を購入し、その運用利益が投資家の利益となります。

具体的には、入居者から支払われる賃料が利益の源泉となります。

不動産投資型クラウドファンディングの魅力

近年不動産投資型クラウドファンディングに注目が集まっているのは、さまざまなメリットがあるためです。

こちらでは、不動産投資型クラウドファンディングの魅力をご紹介します。

最低投資金額1万円から始められる

不動産投資型クラウドファンディングの最大の魅力は、最低投資金額1万円から始められる点です。

不動産投資型クラウドファンディングは、さまざまな会社が提供していますが、ほとんどのサービスで共通しているのが「1万円から投資できる」という点です。

不動産投資と聞くと、多額の資金が必要なイメージがあり、手が出せないという方も多いでしょう。

こちらの記事でも解説しているように、専業投資家になるためには、最低でも数百万円、投資スタイルによっては数千万円から数億円必要になるケースもあります。

この点、不動産投資型クラウドファンディングであれば、1万円から投資ができるため、多額の資金を準備できない方でも安心して投資を始められます。

不動産投資のハードルを大きく下げているのが、不動産投資型クラウドファンディングの特徴といえるでしょう。

優先劣後スキームを採用している会社がある

不動産投資型クラウドファンディングを提供している会社のなかには、「優先劣後スキーム」を採用しているところがあります。

優先劣後スキームとは、損失が発生した際、事前に決められた割合内であれば劣後出資者である運営会社が先に損失を負担する仕組みです。

たとえば、運営会社が20%の劣後出資を提供している場合を考えてみましょう。

不動産投資の結果、20%までの損失が発生した場合、劣後出資者である運営会社が損失を負うため、投資家の負担は発生しません。

優先劣後スキームが採用されていることで、より安心して投資を行うことができます。

対象物件の情報を詳細に確認できる

不動産投資型クラウドファンディングでは、投資先を自身で選定することもあり、物件の詳細な情報を確認できます。

REITやソーシャルレンディングでは、大まかな物件情報しか提示されませんが、不動産投資型クラウドファンディングでは詳細まで確認したうえで少額から投資が可能です。

不動産投資型クラウドファンディングで提供される情報は、サービスによって異なりますが、以下の情報は基本的に確認できます。

  • 所在地
  • 建物の構造
  • 面積
  • 現在の状態
  • 入居状況
  • 竣工日

その他にも、現在の経営情報や運営者情報などを開示している会社もあります。

煩雑な購入手続きがほとんど必要ない

不動産投資型クラウドファンディングは、とくにサラリーマンのなかで注目が高まっています。

それは、現物投資である不動産投資と比べて、必要な手続きが少ないという特徴があるためです。

不動産投資を行うためには、まず物件を購入する必要があり、それには資金だけでなくさまざまな書類の準備や権利関係の確定などが必要です。

不動産投資を始めようと考えてから、数ヶ月してようやく準備が整います。

また、物件を購入した後も管理が必要になり、不動産会社に任せる場合は別途費用がかかります。

不動産投資型クラウドファンディングであれば、インターネット上で会員登録をし、その手続きが完了すれば資金を準備して投資を開始できます。

また、物件の管理も必要ありません。どちらのほうが手間がかからないかは、一目瞭然でしょう。

不動産投資型クラウドファンディングのリスク

ここまで不動産投資型クラウドファンディングのメリットや魅力について解説しましたが、投資である以上リスクは存在します。

こちらでは、不動産投資型クラウドファンディングのリスクについて解説します。

元本割れのリスクはゼロではない

まず、不動産投資型クラウドファンディングには元本割れのリスクがあることを理解しておきましょう。

前述の優先劣後スキームを採用している場合は、ある程度の損失はカバーされます。

しかし、決められた割合以上の損失が発生した場合は、優先投資者である投資家にも損失を負担する必要性が生じます。

不動産投資型クラウドファンディングだけでなく、REITやソーシャルレンディング、現物投資すべてにいえることですが、しっかりとリスクは把握しておきましょう。

レバレッジ効果にはほとんど期待できない

現物投資である不動産投資を行う最大のメリットは、投資用ローンを活用して物件を購入できる点にあります。

つまり、自己資金を最小限に抑え、金融機関のお金を活用して投資ができるといいうことです。

自己資金よりも多くのお金で投資を始められるため、その分リターンも大きくなります。これを「レバレッジ効果」と呼びます。

しかし、不動産投資型クラウドファンディングを始めるために融資してくれる金融機関は、現在のところ存在しません。

一般的なカードローンなどを活用し、その資金で投資を行うことはできますが、金利が高く、利益がほとんど発生しない可能性が高いでしょう。

そのため、現在の資産を大きく増やしたいと考えている方や、多額の不労所得を短期間で得たいと考えている方には、不動産投資型クラウドファンディングは適していません。

自己資金を運用して少額でも利益を得たい、資産運用の分散投資先として考えている、不動産投資について勉強したいと考えている方向けの投資といえるでしょう。

まとめ

不動産投資型クラウドファンディングは、できるだけ多くの情報を公開し、投資家が自己判断で投資できるように仕組みを構築しています。

多くの会社で優先劣後スキームが採用されており、ある程度リスクも抑えられています。

より安全な不動産投資をお探しであれば、不動産投資型クラウドファンディングに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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