おとり物件ってなに?不動産屋が稼ぐためにやっている「おとり広告」の悪質な実態を証言!

物件探しは奥が深く、一般の方には分からないことも多いからこそ危険もあります。その筆頭に挙げられるのが、「おとり物件」です。あまり聞き馴染みのない言葉かもしれません。今回は、おとり物件の概要や特徴・見分け方などを紹介します。物件探しで損をしない、だまされないためにも、事前に知識をつけておきましょう。

おとり物件(おとり広告)ってなに?

そもそもおとり物件とは何なのでしょうか。「物件」というからには、不動産屋で取り扱っているものなのでしょうか。

おとり物件とは、「おとり」という名前がついているように、実在しない、または理由があって入居できない物件のことを指します。

とは言っても、建物そのものが実在しないケースはほとんどありません。契約条件が広告に記載してあるものとまったく違う物件や、現在誰かが住んでいて契約できない物件がほとんどです。

おとり物件は、他にも「つり物件」や「おとり広告」などと呼ばれたりもします。

一般の方であれば、「おとり物件なんて本当にあるの?」と思うかもしれません。しかし、不動産のプロから見ると、不動産ポータルサイト、不動産会社の各ホームページで物件を探すと、全体の10%~15%以上がおとり物件のようなイメージを受けます。

もちろん正確な数字を把握することはできませんし、おとり物件の少ない不動産ポータルサイトや不動産屋も多く存在します。しかし、みなさんが思っている以上におとり物件は身近なものなのです。

ちなみに、おとり物件は宅建業法違反です。つまり法律違反にもかかわらず、多くの不動産会社がおとり物件という手法を使ってます。

なぜそんなことをするのか、おとり物件に引っかからないためにはどうすればいいのか、今回の記事では詳しく紹介していくのでぜひ参考にしてください。

おとり物件を用意する理由

まず知らなければならないのが、「なぜ多くの不動産屋は、おとり物件を用意しているのか」ということです。

理由は2つあります。悪質なものと、単純なミスの2つです。それぞれ見ていきましょう。

問い合わせ数を上げ成約につなげるため

不動産屋がおとり物件を用意する理由、1つ目は「問い合わせ数を上げ、成約につなげるため」です。

不動産契約は、賃貸にしろ売買にしろ、簡単に決められるものではないですよね。そもそも、どこの不動産会社を使うかすら迷うはずです。

そこで、各不動産会社は、来店してもらうためにおとり物件を利用します。

条件のいいおとり物件を広告塔にして、「うちにはこんないい物件ありますよ」と入居希望者を誘い込むのです。そして、いざ来店した方に別の物件を勧める。そして契約してもらえれば、お店の成果となるという仕組みです。

端的に言えば、おとり物件をエサとして入居希望者を呼び込んでいるということです。

このやり方は、不動産会社に昔から根付いている手法で、古くは15年以上まえ、インターネットで賃貸情報を探せる時代より前にまで遡ります。

当時は部屋を探している人は、雑誌や店舗・看板に張り出している物件情報・冊子などから賃貸情報を探していて、不動産会社は客を店内に呼び込むために、過剰なおとり広告を使用していました。その集客方法がインターネットにも継承されている訳です。

過去には、おとり物件に騙されてしまった人に無理やり別の物件を契約させるなど、悪質な不動産会社も存在します。

成約物件の削除し忘れ

不動産屋がおとり物件を用意する理由、2つ目は「成約物件の削除し忘れ」です。

先ほど説明したように、おとり物件には現在人が住んでいるケースもあります。以前取り扱って成約した物件を、インターネット等から削除し忘れて、単なるミスでおとり物件となってしまったのがこのケースです。

管理者のミスなので利用者としては防ぎようがありませんが、不動産会社への不信感は拭えないかもしれませんね。

おとり物件の特徴・見分け方

おとり物件には引っかかりたくないですよね。そのためには、インターネットなどの不動産情報を見て、「これおとり物件だ」と見分けられる目を持つことが大切です。

そこで次は、おとり物件の特徴や見分け方をご紹介します。

好条件すぎる物件

まず、好条件すぎる物件はおとり物件の可能性が高いです。

例えば、都市部の主要駅から徒歩5分圏内で、敷金礼金ゼロなのに、家賃が7万円!などの物件です。

不動産価格には「相場」というものがあり、その価格から大きく離れることは基本的にありません。事故物件等の例外はありますが。

不動産ポータルサイト利用すれば、住みたい街の家賃相場を調べることができます。その価格とかけ離れて安い家賃の物件があったら、ほぼ間違いなくおとり物件です。わざとあり得ない価格に設定し、お客様を呼び込もうとしているのです。

好条件すぎる物件には気をつけましょう。

「今日内見したい」と連絡すると「鍵がない」と言われる

「今日内見したいです」と不動産会社に連絡をした際、「鍵を大家さんが持っているので今日はできないんです」と断られた経験はありませんか?

基本的にこんなことはあり得ません。鍵を大家さんが持っている場合でも、スペアを不動産会社が管理して、入居希望者に対応できるようにします。

鍵がないことを理由に内見を断るということは、その物件がおとり物件であり、お店に来て別の物件を見て欲しいという意思表示だと考えましょう。

現地待ち合わせを断られる

いい物件を見つけて不動産会社に連絡し、現地待ち合わせを断られた場合は、おとり物件を疑いましょう。

現地待ち合わせを断るということは、その物件を直接見られては困る事情があるということです。例えば、その物件には人が住んでいるので、それを見られたら困るなど。紹介できない物件で待ち合わせることはできないですよね。

そもそも、現地待ち合わせは不動産会社にもメリットが大きいです。現地待ち合わせを希望しているということは、契約に前のめりであるという証拠でもありますし、物件の細かな情報も現地で行えば事足ります。

それにもかかわらず、現地待ち合わせを断るということは、おとり物件など何かしらの言えない理由があるということでしょう。

「仲介先物」という取引形態

不動産取引を規定する宅建業法には、不動産取引の際、大家さんとの関係性を入居希望者に示さなければならないと規定されています。実際の不動産広告を見てみると、「貸主」「代理」「仲介元付」「仲介先物」などと書いてあると思います。

注意していただきたいのが、最後の「仲介先物」という取引形態です。仲介先物の場合、実際には大家さんと直接の関係性はなく、あくまで広告を載せることを許可されているにすぎません。つまり、責任の度合いが小さいのです。

責任が小さいからこそ、おとり物件を平気で掲載しているところも多いです。仲介先物という言葉を見たら、おとり物件を疑ってみましょう。

住所の詳細情報がない

次は、あからさまなおとり物件ですが、住所などの詳細情報が記載されていない物件には気をつけましょう。

住所が載っていない場合はもちろん、アパートなのに建物名が記載されていなかったり、番地が削除されていることも。本当に真摯な不動産会社であれば、どんなに細かい情報でもしっかりと記載し、入居希望者に判断をゆだねるはずです。

詳細情報が載っていないものはおとり物件かもしれません。

おとり物件に引っかからないために

おとり物件に引っかからないためには、物件を目で直接見る、分からないことは不動産会社に問い合わせるということが大切です。

そこで、例えば特に理由なく内見を断られたり、誠実に答えてもらえなかった場合は、その物件に何かしらの後ろめたい理由があるということです。

無理やり別の物件を勧められる危険もあるので、その不動産会社では契約しないようにしましょう。

おとり物件が少ない不動産ポータルサイトのご紹介

不動産ポータルサイトとは、そもそも多くの不動産会社がもっている賃貸物件をまとめて探せるサイトです。ポータルサイトにはA社もB社もC社も、殆どの不動産会社がこぞって賃貸物件を掲載しています。

従ってポータルサイトは、どの不動産会社がおとり広告を出しているか見極めるのが難しいわけです。ですから、すべてはそれぞれのポータルサイトがおとり広告を減らす努力にどれだけ取り組む姿勢があるかにかかっている訳です。

もっともおとり広告が少ないポータルサイトをご紹介させていただきます。

SUUMO (スーモ)

お部屋を探すうえで、もっともおとり広告が少ないのが、 リクルートの厳選なる審査済みの不動産会社のみが物件情報を掲載しているスーモです。

リクルート住まいカンパニーが運営していて、情報審査室のおとり広告に対する取り組みは業界随一です。お部屋探しならスーモと言えるほど認知度の高いポータルサイトです。

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