アパートの1階と2階どっちがやめたほうがいい?住み心地を徹底比較
高層階まである賃貸マンションに比べ、アパートのほとんどは2階・3階建ての低層物件がメインです。アパートに引っ越す際は1階か2階のどちらを選ぶべきか、悩んでいる人も多いはず。
そこで今回は、アパートへの引っ越しを検討している人に向けた1階・2階それぞれのメリットや住み心地についてご紹介します。
アパートの1階に住むメリット
まずご紹介するのが、アパートの1階に住むメリットについてです。1階は防犯面で不安視されがちですが、同じ間取りでも2階にはないメリットがたくさんあります。
家賃が安い
2階に比べると1階は家賃が安く、1,000〜3,000円の家賃差でお得です。家賃は安くても上階との間取りは変わらないため、少しでも家賃を抑えたい人や上階・階下のこだわりがない人に1階の部屋はうってつけです。
足音を気にしなくて済む
1階は自分の足音や声が上階に響きにくく、自分が出す生活音を抑えることができます。特に小さなお子さんがいる家庭は、部屋中を走り回ることで騒音トラブルに繋がる可能性が高いです。自ら出す騒音トラブルを抑えるなら、1階が適しています。
階段の上り下りがない
賃貸マンションと違って、低層物件のアパートはエレベーターがなく、上階に住むには階段で上り下りする必要があります。1階に住めば、階段の上り下りがなく負担にもなりませんし、不測の事態が起きても速やかに出入りできます。
ごみ捨てや荷物の搬入・搬出が楽
階段の上り下りがないぶん、ごみ捨てや荷物の搬入、搬出がスムーズにできます。特に、大型家具や家電を持ち運ぶ引っ越しや、ベビーカーの出し入れが多い人、階段の上り下りが億劫に感じる年配の人にとっては、1階のメリットを十分に感じられるはずです。
専用庭付きの物件もある
1階の入居者が利用できる専用庭がついている物件もあります。専用と言っても共用部分に当たるため制限なく利用できるわけではありませんが、家庭菜園を楽しんだり、ガーデニングを楽しんだりと活用法はさまざまです。
夏場は快適に過ごしやすい
1階より2階のほうが日当たりが良いものの、構造によっては屋上のコンクリートに熱がこもることもあり、夏は1階以上に室温が上がりやすいです。また、2階は1階からの熱も同時に上がってくるので、夏の暑さが苦手な人は1階の部屋をおすすめします。
アパートの2階に住むメリット
次に紹介するのは、アパートの2階に住むメリットです。2階のメリットは1階にとってのデメリットにもなりますが、なんといっても防犯面や眺望の良さは上階ならではの魅力と言えるでしょう。
日当たりや風通しが良い
1階に比べると、2階は日当たりも眺望も良いです。夏は暑さが厳しくなりやすいですが、クーラーや扇風機を駆使しながら過ごすことが苦でなければ問題ありません。また、1階に比べると風通しが良いため、部屋の換気がしやすいのもメリットと言えます。
洗濯物を外に干しやすい
2階はベランダがあり、洗濯物を外に干しやすいです。また、1階に比べると湿気がこもりにくいため、洗濯物が乾きやすくカビが生える心配も少ないです。なにより、下着や仕事着など見られたくない洗濯物が丸見えにならず、安心感もあります。
室内を覗かれる心配が少ない
2階より上の物件は通行人の視線なども気になりにくいので、窓やカーテンが開けやすいです。もちろん、窓を開けっ放しにして出かけたり就寝したりするのはリスクも大きいので注意が必要ですが、2階はベランダがあるぶん路面上から室内の様子が確認しづらいのでプライバシーが守られます。
害虫トラブルに遭いにくい
郊外のアパートだと、夏場に蚊やムカデなどの害虫が発生しやすいため、防虫対策が必須です。一方、地上との距離が近い1階に比べ2階は虫が出にくく、害虫トラブルに遭いにくいとされています。虫が苦手な人は、1階よりも2階の部屋をおすすめします。
上からの騒音が気にならない
2階部分(最上階)は上からの足音が響きにくく、騒音が気になりにくいです。加えて角部屋だと、隣室と隣り合っているのは片側だけになるため、テレビや話し声などの生活音も軽減できます。一方、自ら出す生活音について1階への配慮も必要になるでしょう。
浸水の心配が少ない
洪水や高潮などの水害が発生した際、2階の部屋だと床上浸水の心配が少ないです。近年は気候変動の影響で水害が発生しやすいため、安全性を重視する人は2階の部屋をおすすめします。
防犯面で安心できる
2階は物理的にも侵入されにくく、外から室内の様子を覗かれる心配が少ないため、1階よりも防犯性が高いです。近年ではアパートでも防犯性能を重視した物件が増えているので、テレビモニター付きインターフォンや防犯カメラ、ダブルロックの玄関などを有する部屋だとなお安心できるでしょう。
アパートの1階に住むのをやめたほうがいいのはこんな人
- 日当たりの悪さが気になる人
- 防犯面で心配な人
- 上階の足音に敏感な人
- 虫が苦手な人
1階は上階よりも家賃が少しだけ安くなりますが、やはり防犯面においては不安が残ります。女性の一人暮らしには向いていませんが、どうしても気に入った部屋が1階しか空いていなかった場合、防犯設備が整っているか確認しましょう。
一方、日中部屋を留守にしている人や昼夜逆転の生活を送っている人にとっては、日当たりの悪さや上階の足音を気にする必要もありません。生活スタイルに合わせて向き・不向きを判断しましょう。
アパートの2階に住むのをやめたほうがいいのはこんな人
- 下の階を気にする人
- できるだけ家賃を抑えたい人
- 階段の上り下りを避けたい人
- 友だちを呼ぶ機会が多い人
日当たりがよく防犯面でも安心感のある2階ですが、エレベーターがなければ階段で上り下りしなければならないため、実際に生活すると不便を感じる場面も増えてくるでしょう。
また、騒音への配慮も必要です。友だちを呼ぶ機会が多い人や、部屋を走り回るくらいの小さなお子さんのいる家庭にはあまり向いていません。
アパートの1階と2階ならどちらを選ぶべき?
冒頭でご紹介した1階、2階それぞれのメリットを加味しながら、それぞれの住み心地について簡単に表にまとめました。
1階 | 2階 | |
家賃 | 2階より安い | 1階より高い |
防犯性 | ✕構造上侵入されやすく、室内の様子を覗かれやすい | △路面から室内の様子が見えにくい |
防音性 | ✕上階からの騒音や足音が響きやすい、一方で自らの生活音は上階へ伝わりにくい | ◯完全な遮音ではないものの騒音や足音が響きにくい、一方で階下への配慮が必要 |
湿度 | かなり高い | 普通 |
虫の出現 | かなり高い | 普通〜やや高い |
気温・日当たり | 日当たりが悪く冬が寒い | 日当たりが良いが夏が暑い |
総合的に見ると、1階よりも2階のほうが住み心地の良さが目立ちます。また2階は家賃が高くなりがちですが、初期費用を抑えることでトータルの支出をグッと減らすことも可能です。
とはいえ、アパートの築年数や立地によっては2階のデメリットがメリットになる場合もあります。どちらにしても、実際に物件を見に行って設備や住環境をチェックすることがおすすめです。
2階でも防犯面や防災面で対策が必要!
不審者の侵入や覗き、床上浸水などの被害が軽減できる2階の部屋ですが、物件によっては1階以上に防犯・防災が不安なケースもあります。たとえば、エアコンの室外機や配管の位置によっては足場にもなり得るため、2階程度の高さでも簡単によじ登ったり、侵入することが可能です。
加えて、ベランダのない1階よりもベランダのある2階のほうがベランダの影に隠れやすく、外から見て不審者が侵入していることに気づきにくいことがあります。2階=安心というわけではなく、2階だからこそ防犯性・防災性を高める工夫が必要です。
2階の防犯面で気をつけること
防犯面においては、オートロックや防犯カメラなどがあるセキュリティー面に優れたアパートを選ぶことや、足場に侵入される木やバルコニーがないかチェックすることをおすすめします。
また、内見を実施するのは昼間が多くなりがちですが、夜間の状況を把握することも大切です。明るい街灯があるか、人通りは多いか、見通しが良いかなどを確認し、夜間の犯罪に巻き込まれることがないようシミュレーションしましょう。
2階の防災面で気をつけること
1階に比べて床上浸水の心配が少ないとはいえ、まったく浸水被害がないとは言い切れません。特に注意したいのが、ベランダにある排水管です。この排水管に枯れ葉やゴミが詰まっていると水を排水できなくなり、降水時にはベランダに水が溜まります。ベランダに水が溜まると、窓の隙間やエアコンの配管用の穴から部屋に水が流れ込む危険性があるのです。
ベランダの排水溝が詰まらないよう、普段から掃除しておくことが大切です。また、大雨の前にはベランダの様子をチェックし、排水溝を点検しましょう。
アパートの1階2階それぞれの特徴を比較して後悔ない選択を
同じアパートでも、部屋が1階にあるか2階にあるかで物件の特徴が大きく変わります。今回はあくまで一般的な2階建てアパートを想定した1階2階の特徴について紹介しましたが、立地や設備面、築年数によって状況も変化するため、気になる物件があれば積極的に内見を申し込んでチェックしてみましょう。