【賃貸物件向け】音の種類に合わせたおすすめ防音対策を解説します

最終更新日 :

賃貸のアパートやマンションを借りる上で、騒音が気になる方は多いのではないでしょうか。「隣人の生活音が聞こえてくるのもストレスの元になりますが、自分の生活音が外に漏れるのも少し心配ですよね。「内見時はそんなに気にならなかったけれど、引っ越してみたら隣人の騒音がひどかった!」ということになりかねません。

ここでは、賃貸物件での防音対策や防音性の高い賃貸物件を選ぶポイントをご紹介します。

■まず押さえておきたい、2つの音の種類

コロナ渦でテレワークが進み、日中も家にいる人が増えました。その影響で、これまでは気にならなかった近隣住人の生活音を耳にすることが増え、トラブルに発展するケースも多くなっています。

賃貸物件で発生する音の種類は主に2つ。「空気伝搬音」「固体伝搬音(床衝撃音)」があります。

・「空気伝播音」

空気伝播音とは、音源から空気中に発せられた音が、空気の振動として伝わることで聞こえる音のことです。話し声、ペットの鳴き声、テレビの音、ギターやピアノなどの楽器を演奏する音などが例として挙げられます。

家に居ながら聞こえてくる車の音や電車の音は「外部騒音」、エアコンの室外機の音などは「設備機器騒音」といいます。

・「固体伝搬音」

固体伝播音とは、力や衝撃で生じた振動が建物の壁や床、天井などを通じて空気中に放出されて聞こえる音のことです。椅子やテーブルを動かす際に出る音や、子供が走ったりジャンプしたりすることで生じる音、水道やトイレで水を流す音などが例として挙げられます。

歩行や床の上に物を落とすことで床が振動し、下の階の人に伝わる音を「床衝撃音」と言います。音の密度が高い固体伝播音は音源から距離が離れても音が小さくならず、壁や床の厚さを変えても伝わってしまうため、空気伝播音よりもコントロールが難しいと言われています。

<鉄筋コンクリート造(RC造)は防音効果が高いとは限らない!?>

RC造の賃貸物件は、木造の賃貸物件よりも近隣に音が聞こえにくく、防音効果が高いというイメージはありませんか?
実際、RC造の物件は木造の物件と比べて壁が厚く作られてるケースが多く、「空気伝播音」に対する効果は大きいです。しかし、壁や床・天井が直接振動することで音が出る「固体伝播音」は、RC造の物件であっても伝わってしまいます。

また賃貸物件によっては、鉄筋コンクリート造(RC造)と表記しておきながら、実際にコンクリートが使用されているのは骨組みのみで、壁自体はコンクリートではない物件もあります。そのため、鉄筋コンクリート造の物件を選んで引っ越したのに、防音・遮音効果が薄かった……という場合も考えられます。

■防音対策の3つのポイント

近隣住民の生活音を出来るだけ聞かないようにする、そして自分自身の生活音を出来るだけ近隣に響かないようにするために以下の3つのポイントを意識しましょう。

①遮音

防音対策の中でも最も簡単に行える方法の一つ。空気中で伝わってくる音を遮断して外に漏れないようにする防音対策です。遮音の具体的な方法は、伝わってくる音を跳ね返す(反射させる)ことで音が壁の外に伝わるのを防ぎます。質量が高く重い材料が適切です。

②吸音

吸音は、文字通り音を吸収することで音が部屋の外に伝播することを防ぎます。吸音は、細かな穴(細孔)がたくさんある特殊な素材によって音を取り込み、その中で拡散させて音を小さくします。出来るだけ多孔質な材料が適切です。

③制振

制振は、物体が振動することで生じる音を抑えます。振動するものに制振材と呼ばれる特殊な素材を貼り付け、振動を軽減させることで音の発生を抑えます。音源となっている物体の振動そのものを抑え込むのが制振の特徴。制振シートやゴムシートなどシート状のものが多いです。

防音対策は、上記3つの防音対策を状況に応じて組み合わせて効果的に行いましょう。

■賃貸物件におすすめの騒音対策

遮音テープ

「空気伝搬音」は窓の隙間などの空間を通して音が伝わります。遮音テープ(隙間テープ)は、遮音シートをテープ状にしたもの。これを窓やドアの隙間に貼り付けるだけで、防音効果を高めることが可能です。賃貸物件の場合は、テープについた接着剤で後が残らないように注意が必要です。

吸音材(吸音パネル)

最近はプロでなくても気軽に設置出来る吸音材が増えています。フェルト製のものやスポンジ製のものもあり、ホームセンターや百均でも購入することが可能。子供がいるので周りに配慮したい家庭や、映画や音楽などを良質な音で楽しみたいという方におすすめです。

遮音(防音)カーテン

遮音カーテンは、生地にコーティングなどの加工を行い、空気で伝わる音を遮断します。遮音テープなどと組み合わせることでより高い防音効果が期待できます。

防音カーペット・防振マット

遮音性の高い素材や、振動を吸収する素材で作られたカーペット・マットを床に敷くことで、防音効果が期待できます。防音の機能だけではなく、洗濯可能かどうか、撥水加工はあるかなど生活する上での機能も意識して選ぶのがおすすめです。

内窓

内窓は、サッシや窓ガラスの隙間から生じる音を防ぐ効果があります。窓の設置には工事が必要で賃貸には不向きと思われがちですが、既存のサッシや窓枠・壁などを傷つけることなく設置できる、後付けタイプの内窓もあります。業者に頼まず自分で行う場合は、退去の際に跡が残らないように、のり残りしないタイプの強力両面テープなどを使うのがおすすめです。

【工事無しで取付可能な内窓製品】

商品名:二重窓・簡易内窓(省エネ・冷暖房効果大幅アップ) 大窓用セット(内窓内寸 高さ:~1,830mm 巾:~1,830mmまで) ブラウン
ブランド:光(Hikari)
価格:¥8,629(税込)
商品リンク:https://amzn.asia/d/ax109HM
※記事公開時の情報です。

■騒音を気にしたくない!賃貸物件を選ぶポイント

住んだ後に出来る防音対策をいくつかご紹介してきましたが、出来れば騒音が元から気にならない物件に住めるのが理想だと思います。ここでは、騒音が気にならない物件選びのポイントをご紹介します。

・物件の間取りを見る際に他の部屋の間取りもチェックする

自分の寝室の隣が、お隣のリビングなどの生活スペースと接していると、どうしても生活音が気になってしまうと思います。その場合は、お隣の部屋に面した壁に収納棚を置いたりするだけでも遮音効果が期待できます。その際は、家具を壁に密着させずに少し離して設置するのがポイントです。壁と家具の間の隙間で空気層を作ることで、音の反響を和らげることができます。

・物件構造、壁を確認する

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの建築構造によって、部屋の防音性は変わります。この3種類の中で最も防音性に優れているのは「鉄筋コンクリート造」。鉄筋コンクリート造は、骨組みにコンクリートを流し固めており、壁の密度が高く遮音性に優れています。

また、内見時に壁を軽く叩いてみるのもおすすめです。コンクリート造などの遮音性・防音性の高い壁の場合は、固く詰まったような音がすることが多いですが、壁が薄い場合は叩いた感じが軽く、高音が内側に響くような場合が多いです。

・賃貸物件内の共有スペース、掲示物を確認する

物件内の共有スペースやエレベーター、掲示板等に設置されている掲示物を確認してみましょう。騒音に関する注意喚起の張り紙が多い場合や、ゴミ捨て場の様子から、入居者のマナーを確認することが出来ます。学校近くや繁華街に近い物件は、入居者の友人などのたまり場になるケースもあり、騒音に繋がっていることもあります。

・内見する際は曜日や時間帯を変えて周辺の環境をチェック

物件を見る曜日が平日か休日か、昼か夜かによっても騒音を感じる場合は異なります。夜は自分も家事をしているために近隣住民の音が気にならないものの、昼間のテレワーク中はお隣の会話音や生活音で業務に集中出来ない…といったことも。

また、引っ越してみると実は近所で長期工事があって騒音がすごかった……という場合もあります。内見時に部屋の中を確認した後は時間帯をずらして近所に足を運び、問題が無いか確認をするのがおすすめです。

■隣人の騒音に困ったときは

生活音に関する法律は無いため、騒音問題は住民たちのモラルと関係性次第になります。人によって騒音と感じるかどうかにも差があるため、前の住民の時にはなにも言われなかったのに新しい入居者の方に注意を受けてしまう場合もあります。

騒音問題は当事者間で解決しようとして問題がこじれると、その後の住み心地にも影響します。基本的に騒音で気になることがあれば、当事者に直接話をするのではなく、管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。

■まとめ

賃貸物件での騒音対策について解説しました。
内窓の設置、遮音テープ、遮音カーテンの使用といった自分で出来る防音対策はたくさんあります。近隣の住民とのトラブルを回避し、よりよい住環境にするためにも自分に合った対策を行いましょう。
また、近隣の騒音が気になった際は自分で解決使用とせずに管理会社に相談しましょう。

ライター×広報×言葉が好きな人
yura 10本
証券会社にて営業経験後、現在の会社に転職。立ち上げたばかりの広報の部署に2人目として未経験入社。プレスリリースの作成や社員インタビュー記事の執筆を行っている。転職の際に様々な人のブログやnoteに触れ、自分の決断の後押しをしてもらったことを機に、自分も読んだ人の背中を押せるような文章を書きたいという思いから副業ライターへ。現在は不動産記事を中心に活動中。将来の夢は、学生時代に短期留学したイギリスにもう一度住むこと。趣味はアニメとカフェ巡り。おいしいカフェラテを探す旅をしています。 資格・免許:証券外務員
ライター×広報×言葉が好きな人
yura 10本
証券会社にて営業経験後、現在の会社に転職。立ち上げたばかりの広報の部署に2人目として未経験入社。プレスリリースの作成や社員インタビュー記事の執筆を行っている。転職の際に様々な人のブログやnoteに触れ、自分の決断の後押しをしてもらったことを機に、自分も読んだ人の背中を押せるような文章を書きたいという思いから副業ライターへ。現在は不動産記事を中心に活動中。将来の夢は、学生時代に短期留学したイギリスにもう一度住むこと。趣味はアニメとカフェ巡り。おいしいカフェラテを探す旅をしています。 資格・免許:証券外務員

記事一覧

この記事が気に入ったらシェアしよう!

コメントを残す


関連する記事