UR賃貸住宅とは?メリットやデメリット、一般賃貸住宅との違いを解説
UR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要で、初期費用を抑えて入居できる賃貸住宅として人気を集めています。しかし、一般的な賃貸住宅とは異なる点も多く、入居を検討する際には注意が必要です。この記事では、UR賃貸住宅のメリット・デメリット、一般的な賃貸住宅との違い、UR賃貸住宅に向いている人について解説します。
そもそもUR賃貸住宅とは?

UR賃貸住宅とは、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が管理・運営する賃貸住宅のことです。全国に約75万戸の物件があり、都市部の駅近物件から郊外の自然豊かな物件、公団住宅からタワーマンションまで、さまざまなタイプの物件があります。なかには、自由にリフォームできるDIY型賃貸住宅もあるので、くわしくは本サイトの「DIY好き必見!賃貸でもできるリノベーションで理想の住まいを実現」もご覧ください。
一般的な賃貸住宅とは異なり、礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要で、初期費用を抑えて入居できるのが特徴です。
UR賃貸住宅の4つのメリット

UR賃貸住宅には、以下のようなメリットがあります。
- 初期費用が安い
- 保証人不要・保証会社の利用も不要
- 更新料が不要
- 敷地や部屋が広め
初期費用が安い
UR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料が不要なため、初期費用を大幅に抑えることができます。一般的な賃貸住宅では、敷金・礼金・仲介手数料などで家賃の4~5ヶ月分程度の初期費用がかかることが多いですが、UR賃貸住宅では敷金(家賃2ヶ月分)と日割り家賃、共益費のみで入居できるのがポイントです。
さらに、UR賃貸住宅から別のUR賃貸住宅に引っ越す場合は、敷金が引き継がれます。
初期費用がかからないぶん、家具や家電など新生活に必要な物にお金を回せるのは、大きなメリットと言えます。
保証人不要・保証会社の利用も不要
UR賃貸住宅は、保証人を立てる必要がなく、保証会社を利用しなくても賃貸契約を結ぶことが可能です。連帯保証人を頼める人がいない場合や、保証人を探す手間を省きたい場合には、大きなメリットとなります。
さらに、民間の賃貸物件と違って火災保険の加入義務がないため、手続きの手間や費用を省くことができます。収入などの審査さえパスすれば自己責任で契約できるので、保証人が立てられない人におすすめです。
更新料が不要
UR賃貸住宅は1年ごとに自動更新されますが、その際に更新料が発生することはありません。一般的な賃貸住宅では、2年ごとに更新料がかかることが多いですが、UR賃貸住宅では更新料を支払う必要がないため、長く住むほどお得になります(契約自体は1年ごとに自動更新します)
敷地や部屋が広め
もともとUR賃貸住宅は、都心近郊を開発してきた経緯があるため、敷地の広い物件が多いです。ファミリー向けの物件が多く、敷地や部屋が広めに設計されていることが多いのもUR賃貸住宅の特徴と言えるでしょう。
このほかにも、緑豊かな敷地内に公園や広場が併設されている物件も多く、子育て世帯には特におすすめします。
UR賃貸住宅の4つのデメリット

UR賃貸住宅はメリットばかりではなく、次のようなメリットがあります。
- 入居条件や審査が厳しい
- 古い物件が多い
- 家賃が安いとは限らない
- 空室が少ない
入居条件や審査が厳しい
UR賃貸住宅は、一般的な賃貸住宅よりも入居条件や審査が厳しい傾向があります。主な入居条件は以下の通りです。
- UR賃貸住宅が定める基準の月収額を満たしていること
- 原則、日本国内に住所を有すること
- UR都市機構が定める書類を提出すること
基準の月収額は、家賃の4倍。仮に8万円のUR賃貸住宅に申し込みたいなら、月収32万円以上、もしくは、貯蓄額が希望物件の家賃の100倍以上必要であるなど、UR賃貸住宅ならではの条件をクリアする必要があります。一方で、家賃を1年分前払いすればOKという緩和措置も。保証人不要だからこそ、入居のハードルが高いと理解しましょう。
古い物件が多い
UR賃貸住宅は、高度経済成長期に建てられた物件が多く、築年数が古い物件が多い傾向があります。エレベーターがなかったり、洗濯機の排水口がなかったりと、設備が不十分なケースもあります。昭和30年から40年ごろに建設された古い物件も珍しくありません。
しかし、近年ではリノベーションされた物件も増えており、築年数が古くても快適に過ごせる物件も増えています。また、築年数が古いと耐震性に不安を感じる人もいるかもしれませんが、UR賃貸住宅のほとんどは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造であり、耐震改修にも積極的に取り組んでいるので、耐震性能の心配は少ないです。
我慢できるポイントは人それぞれなので、まずは内見し、自分の目でチェックすることをおすすめします。
家賃が安いとは限らない
UR賃貸住宅は、一般的な賃貸住宅よりも家賃が安いとは限りません。立地や築年数によっては、周辺の賃貸住宅よりも家賃が高い場合もあります。
というのも、UR賃貸住宅は部屋の面積が家賃に反映されます。一般的な賃貸物件よりも面積が広い物件が多いUR賃貸住宅は、家賃が高くなりがちなのです。初期費用や更新料が抑えられても、月々の家賃が高いので総費用が割高になるケースもあるでしょう。
空室が少ない
UR賃貸住宅は入居希望者が多いため、空室が少ない傾向があります。特に、人気のエリアやファミリー向けの物件は、空室待ちになることも珍しくありません。
前提として、UR賃貸住宅の申し込みは先着順です。条件が良い物件なら、すぐに申し込まないと他の人が契約する可能性があります。空室が出たらすぐにチェックできるよう、ホームページを頻繁に確認すると良いでしょう。
一般的な賃貸物件とUR賃貸住宅の違い
一般的な賃貸物件とUR賃貸住宅の主な違いは、以下の通りです。
一般的な賃貸物件 | UR賃貸住宅 | |
初期費用 | 【△】物件にもよるが、一般的に家賃4~5か月分の初期費用がかかると言われる | 【◎】敷金と共益費、日割り家賃のみ。 |
保証人 | 【△】一般的には保証人が必要、いない場合は保証会社の利用が契約条件となる | 【◎】保証人不要 |
更新料 | 【△】2年に一度更新料が請求されるのが一般的 | 【◎】更新料不要 |
入居条件 | 【〇】物件にもよるが、入居条件の緩い物件を選べばOK | 【×】保証人不要だからこそ、入居審査はやや厳しめ |
築年数 | 【〇】物件数が多く、築古から築浅までさまざま | 【△】物件にもよるが、築古傾向にある。 |
家賃 | 【〇】物件数が多く、家賃の幅が広い | 【△】部屋の面積が広いぶん、家賃が高くなる傾向あり |
空室 | 【〇】物件数が多く、掘り出し物件に出会える | 【×】入居希望者が多く空室が少ない |
UR賃貸住宅に向いているのはこんな人

UR賃貸住宅は、以下のような人におすすめです。
- 初期費用を抑えたい人
- 保証人を頼める人がいない人
- 更新料を支払いたくない人
- 広い部屋に住みたいファミリー
- 古い物件でも気にならない人
- UR賃貸住宅の入居条件を満たせる人
UR賃貸住宅は、初期費用を抑えつつ、広々とした住環境を求めるファミリー層や、保証人なしで契約したい単身者にとって魅力的な選択肢です。しかし、物件によっては築年数が古く、家賃が周辺相場より高いこともあるため、事前に物件情報を確認する必要があります。
また、入居条件も一般的な賃貸住宅と異なるため、自身の収入や家族構成が条件を満たしているか、事前にUR都市機構のウェブサイトなどで確認しておきましょう。UR賃貸住宅は、条件さえ合えば、快適な住環境を手に入れることができる選択肢の一つです。
まとめ
UR賃貸住宅は、初期費用を抑えて入居できる、保証人・更新料が不要など、多くのメリットがある賃貸住宅です。しかし、入居条件や審査が厳しい、古い物件が多い、家賃が安いとは限らないなどのデメリットもあります。UR賃貸住宅のメリット・デメリットをよく理解した上で、自分に合った物件を選ぶようにしましょう。