サブスク賃貸とは?一般的な賃貸との違いや入居のメリット・デメリット

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 サブスクサービスが一般化している今、住宅業界においても「サブスク賃貸」なるサービスが見られるようになりました。住まいのサブスク(定額制)と、一定の家賃を支払う一般的な家賃にはどんな違いがあるのでしょうか?今回は、サブスク賃貸の概要やメリット・デメリット、サブスク賃貸を利用する上でのポイントについて解説します。

サブスク賃貸とは

 サブスク賃貸は、毎月定額で対象物件に住み放題になるサービスです。定額で住める家、という意味では一般的な賃貸物件と変わらないように思えますが、サブスク賃貸の場合は手続きが非常に簡単であり、敷金や保証料がかからないほか、水道光熱費や退去費用なども全て家賃に含まれているのが大きな特徴といえます。さらに、家具家電付きなので入居開始日から快適に暮らすことができます。

 サブスク賃貸によっては、個室はもちろん相部屋タイプがあるほか、カフェやサウナなどが併設されている物件もあります。自分のライフスタイルに合う住まいを選ぶことで、のびのびと暮らせるのが魅力です。

サブスク賃貸のメリット

 ここで、サブスク賃貸のメリットについてご紹介しましょう。

初期費用がかからない

 通常の引っ越しでは敷金や礼金、各種手数料の支払いが必要になるほか、必要に応じて家具家電を買い替えなくてはなりません。しかし、サブスク賃貸はこれらの料金が全て家賃に含まれているため、多額な初期費用もかかりません。

自由に移住できる

 サブスク賃貸は、対象の部屋であれば自由に移動できるのが大きなメリットです。たとえば、同じ運営会社が取り扱っているサブスク賃貸なら気軽に部屋を変えることが出来るため、一般的な賃貸物件よりも手軽に自由に移住することができます。もちろん、移住に伴う初期費用を用意する必要もありません。気分転換をする、という理由だけで手軽に移住できるのは嬉しいメリットと言えるでしょう。

引っ越しや入居手続きに手間がかからない

 一般的な賃貸物件の場合、引っ越しをするだけで業者を手配したり、不要になった家具家電を処分したり、新居での水道やガスの利用手続きをしたり…と手間がかかりますよね。しかし、サブスク賃貸ならこれらの手間が不要なので、最低限の荷物だけで部屋を移動することが可能です。また、サブスク賃貸の場合、運営会社によっては電子契約が可能なケースもあるため、スマホ一つで簡単に入居手続きを済ませることができます。

利用目的はさまざま

 サブスク賃貸には色んな使い方があります。たとえば、サラリーマンのリモート勤務用として部屋を借りたり、遠方からの通勤や通学を解消するために平日だけの住居として利用したり、アドレスホッパーの住居として利用したり、観光地の宿泊施設として利用したり…と無限大です。家具家電付きなので、第二の住居として利用するのにも良いでしょう。

サブスク賃貸のデメリット

 一見メリットばかり目立つサブスク賃貸ですが、サブスク賃貸だからこそ生じるデメリットも存在します。

インテリアを自由に楽しめない

 サブスク賃貸には家具家電が完備されているため、ゼロから部屋探しやインテリアを楽しみたい人からは好まれないかもしれません。また、備え付けの家具家電が古かったり使いにくかったりする場合もあるため、快適性が期待できるとは言い切れません。なにより、サブスク賃貸は相部屋タイプが多いため、自分好みの空間を作るのは困難でしょう。

移動しながら生活しなくてはならない

 サブスク賃貸の場合、契約の入居期間が1ヶ月から数ヶ月といった短期間で設定されているケースがあります。ルールによっては、1ヶ月に同じ部屋には何日までしか住むことができない場合もあるため、期限が訪れれば退去しなくてはなりません。その度にあらたな施設を探し、移転し続けるのは体力的にも疲れてしまうこともあるでしょう。契約が切れる前に次の移転先を見つけなくてはならない、という焦りでサブスク賃貸の利用を辞めてしまう人もいます。

予約が取れないこともある

 サブスク賃貸といっても、希望する日時に必ず予約が取れるとは限りません。特に、人気の高い物件は予約が殺到するので前もって予約をしようとしても失敗する可能性があります。加えて、連続宿泊ができる日数や予約可能な日時が決められていることもあるため、入居前に確認する必要があるでしょう。

一般的な賃貸物件よりも割高になりがち

 初期費用や退去費用が家賃に含まれる、ということはランニングコストも高くなります。定額制とはいえ、一般的な賃貸物件の家賃に比べると割高になるのは否めないでしょう。

サブスク賃貸で物件を選ぶポイント

 利便性の高いサブスク賃貸ですが、大切なのは自分のライフスタイルに合うかどうかを見極めることです。ここで、サブスク賃貸で物件を選ぶポイントについて解説します。

契約期間を確認しておく

 サブスク賃貸は、会社によって最低契約期間が異なります。短くて1ヶ月からのものもあれば、3ヶ月、1年などさまざまです。もしも出張続きやフリーランスで仕事の都合に合わせながら働くなら、サブスク賃貸の契約期間をチェックしておきたいところです。利用しやすさを判断するためにも、最低契約期間をしっかり確認しましょう。

費用面を確認する

 サブスク賃貸は初期費用や水道光熱費、退去費用が家賃に含まれているため、家賃が割高になるものの定額で住めるメリットがあります。しかし、初期費用と家賃、光熱費、管理費などのランニングコストを含めれば必ずしもお得になるとは限りません。部屋の移動は自由にできても、移動するだけで何かしら費用がかかるものです。トータル金額で見れば一般的な賃貸物件で暮らす方がよかった、というケースもあるので、メリットやデメリットを踏まえながら利用を判断しましょう。

予約のルールをチェックしておく

 サブスク賃貸は、運営会社によって連泊や予約のルールが定められています。当日に予約できる部屋もあれば、数日前から予約しなければならない部屋もあるため、事前に予約ルールを知っておかないと希望の部屋に住めない…ということになりかねません。予約のルールはもちろん、その他の細かなルールが自分のライフスタイルに合うかどうかも把握しておくとよいでしょう。

サブスク賃貸に住む際の住民票はどうなる?

 サブスク賃貸を利用すると、短期間で住所を変更せざるを得ない状況が起こります。部屋を転々とするたびに住民票を移動させるのは非常に困難です。加えて、定住地がないことでクレジットカードの審査が通りにくくなったり、住民票の転入・転出手続きを怠ることで公共施設が使えなかったり、選挙に参加できなかったりと不便を感じる場面も出てくるでしょう。

 しかし、国民の義務である以上アドレスホッパーのような暮らし方をしても所得税や住民税を納税しなければなりません。もしも短期間で拠点を転々とする場合は、特定の場所に住民票をおいておくのがベターでしょう。たとえば、実家やシェアハウスなどの拠点です。

まとめ

 サブスク賃貸は首都圏を中心にサービスが拡大しており、新たな暮らし方として注目されつつあります。一般的な賃貸物件にはないメリットがたくさんある反面、見過ごせないデメリットがあるのも事実なので、自分にとって必要なのか?また自分のライフスタイルに合うのか?よく検討したうえで利用してみてはいかがでしょうか。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

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