ルームシェアの賃貸物件の探し方!審査通過のポイントと注意点
友達やカップルでルームシェアがしたい!という人たちが一番に悩むのは部屋探しです。実は、ルームシェア向けの賃貸物件はそう多くありません。また、友達同士やカップルだと賃貸審査に通らない可能性もあります。そこで今回は、これからルームシェアをしたい人を対象に、ルームシェア向け賃貸物件の探し方や賃貸審査の現状、通過のコツなどをご紹介します。
ルームシェア向け賃貸物件の探し方
賃貸市場には、一人暮らし向けからファミリー向けまでさまざまなタイプの物件があります。空室物件も多いことから、ルームシェア向けの賃貸物件も簡単に見つかるイメージを持たれがちですが、実際のところルームシェアを想定して建築された物件はごくわずかです。「二入居可(相談可)」の物件はあっても、3人以上でルームシェアをするにはそれぞれの希望条件もあることから、物件選びはさらに難航するでしょう。ルームシェアをするなら、何ヶ月も前から時間に余裕を持って部屋探しすることをおすすめします。
ルームシェア相談可と二人入居可の違い
ルームシェア向けの賃貸物件には「ルームシェア相談可」や「二人入居可」といった条件がついています。一見同じような条件に感じられますが、それぞれには大きな違いがあることを知っておきましょう。
まず、二人入居可の物件は夫婦や親子、兄弟、カップルなどを想定して募集されている物件であり、友達同士の入居を想定していないのが特徴です。場合によっては結婚していないカップルや、子どもの年齢が低い親子の入居を断るケースもあります。
そして、ルームシェア相談可物件の特徴は二人入居可の条件に加え、友達同士の入居にも相談に応じてもらえる点です。二人入居可の物件に比べると入居対象は幅広いものの、やはり賃貸物件全体で比べると数が少なく、友達2人なら可でも3人以上なら不可というケースもあります。
ルームシェア向け物件が少ない理由とは
そもそもルームシェア向け物件がなぜ少ないのか?という点については、大家さん側の“トラブルを未然に防ぎたい”という思いが強く反映されています。ルームシェア=友人同士で入居ということを前提に考えると、入居者が別の友だちを呼んで騒ぐ可能性や、どちらか一方の退去により一人で家賃が支払えなくなる可能性があるなどのトラブルが想定されるからです。残念ながら、ルームシェアに対して悪い印象を抱く大家さんや管理会社は少なくありません。
とはいえ、今は人口減少に反して空室物件も増えています。ポータルサイトには掲載されていないルームシェア向け物件や、本来ルームシェア向けでない物件でもルームシェアの相談に応じる不動産会社は存在します。ポータルサイトだけで部屋探しするのではなく、直に不動産会社へ相談するのもおすすめです。
ルームシェア向け賃貸物件を選ぶポイント3つ
家族以外の誰かとルームシェアを始める場合、生活スタイルや価値観の違いなどでルームシェアを後悔するケースもよく見られます。自分とルームメイトがお互いに安心して暮らせる物件にはどんな特徴があるのでしょうか?ルームシェア向けの賃貸物件を選ぶ3つのポイントについて解説します。
ポイント1:プライバシーに配慮した物件
ルームメイト同士のコミュニケーションも大切ですが、意図しない騒音やプライバシーの侵害によるトラブルもよくあります。お互いの生活を尊重するためにも、プライバシーが確保できる2LDKや3LDKの物件がおすすめです。また個室同士が隣接している間取りではなく、個室の間にリビングなどの共有スペースがあると音が伝わりにくくなるので騒音トラブルやプライバシーの侵害も防げます。
ポイント2:収納スペースが確保された物件
一つの物件を複数人でシェアするからこそ、一人あたりの収納スペースは限られます。服や趣味のアイテムで荷物が多くなる人は、入居人数よりも一部屋多い間取りを選ぶと共有の収納スペースとして活用できるのでおすすめです。同じ空間に共有の収納スペースを設ける場合は、パーテーションや本棚で仕切りをしておくと各自のスペースが確保しやすくなります。
ポイント3:リビングの広い物件
プライバシーの確保を優先するあまり、ルームメイト同士のコミュニケーションが不足するとトラブルを招く場合があります。ルームメイトとの時間を大切にしたい人や、友達を招きたい人はリビングの広い物件がおすすめです。
ルームシェアの賃貸審査は厳しい!理由と対策
以上の口コミの通り、ルームシェア物件は数が少ない上に賃貸審査が通過しにくいのが欠点です。先述の通り、ルームシェアは大家さんや管理会社から良い印象を持たれていません。賃貸審査が厳しい理由はいくつか存在しますが、理由があるからこそ賃貸審査を通過するヒントも見えてきます。
ルームシェアの賃貸審査が厳しい5つの理由
では、ルームシェアの賃貸審査が厳しい理由とは一体何なのでしょうか。
理由1:騒音トラブルの多さ
カップルや家族、親戚との同居と比べると、友人同士のルームシェアは騒音トラブル件数も多く、過去に嫌な思いをした大家さんも存在します。騒音トラブルは周辺住民の苦情にも発展することもあるため、大家さんに警戒されるのも無理はありません。入居審査の際は、言葉遣いや服装などに配慮して少しでも大家さんや管理会社に良い印象を持ってもらえるよう工夫しましょう。
理由2:契約満了前の途中退去が多い
ルームシェアの場合、騒音トラブルに続き途中退去するケースも多いと言われています。入居者からの家賃が収入源となる大家さんにとって、契約更新前の退去は控えてほしいものです。申込みの際は、長期的に住むことを伝えることがポイントと言えるでしょう。また、万が一ルームメイトが退去して家賃を一人で支払うことになっても、問題ないほどの収入があることをアピールできれば大家さんも安心です。
理由3:家賃が収入の3分の1を超えている
ルームシェアに限らず、賃貸の入居審査では支払い能力が重視されます。特に、家賃が月収の3分の1を超えている場合は支払い能力が心配され、入居審査が通過しづらくなるのです。
家賃 | 月収 | 年収 | 家賃目安(二人入居の場合) |
8万円 | 24万円 | 288万円 | 4万円 |
9万円 | 27万円 | 324万円 | 4万5千円 |
10万円 | 30万円 | 360万円 | 5万円 |
上記は、入居審査を通過するために必要な月収、年収の目安を簡単に表にまとめたものです。入居審査を通過したいなら、上記の目安よりも余裕のある家賃の物件を選びましょう。
理由4:異性ではなく同性カップルだった
LGBTQが世間で受け入れられている時代とは言え、異性ではなく同性カップルの入居を断られるケースは多く、審査すらしてもらえないこともあります。これは同性カップルに限らず、友人同士のルームシェアにおいてもどちらか一方の退去や退去に伴う家賃滞納のリスクに繋がりやすいからだと考えられます。残念ながら、大家さん個人が同性カップルに偏見を持っていたり、近隣住民の目を気にしていたりする理由もあるでしょう。
とはいえ世間ではLGBTQの理解も進み、ルームシェア可とする物件も増えています。同性カップルで賃貸物件を探す際は「LGBTフレンドリー」の不動産会社を選びましょう。
理由5:そもそもルームシェア不可の物件だった
希望物件がそもそもルームシェア不可だった場合、当然賃貸審査に通過することはできません。世の中にある賃貸物件すべてがルームシェアできるわけではないため、部屋探しの際はルームシェア相談可の物件に絞るか、不動産会社に直接来店してルームシェア希望の旨を申請することをおすすめします。
ルームシェアの賃貸審査をスムーズに通過するコツ
ルームシェアによる賃貸審査が心配な人は、支払い能力の高い人を契約者や連帯保証人に立てることがおすすめです。また、どの方法でもルームシェアの賃貸審査に通過しない場合は、ルームシェアでなくシェアハウスを視野に部屋探しをするのも良いでしょう。
契約者は収入が多い人にする
ルームシェアを予定している入居者のどちらかが収入不安定、また極端に年収が低いのであれば、収入が高い人を契約者にすることで入居審査が通過しやすくなります。ルームメイトとの金銭トラブルを避けるためにも、申し込み前にお互いの収入や貯金をしっかり話し合いましょう。
保証能力の高い連帯保証人を立てる
賃貸物件を契約するには連帯保証人を立てなければならないケースも多いです。この場合、安定した収入がある人を連帯保証人に立てると入居審査が通りやすくなります。極端な例ですが、専業主婦の母親と会社員の父親なら、連帯保証人を父親にすると入居審査が有利となるでしょう。
ルームシェアでなくシェアハウスも視野に入れる
ルームシェアが歓迎されなくても、シェアハウスなら友人同士での共同生活も始められやすいです。ちなみに、ルームシェアは友人同士で直接貸主から物件を借りるのが一般的な居住形態ですが、シェアハウスの居住形態は“事業者介在型”であり、入居者の募集や運営、物件管理まですべて運営会社がおこなっています。入居者同士が交流できるラウンジやキッチン、物件によってはシアタールームやフィットネススタジオもあり、一般的な賃貸物件とは違う楽しみもあるでしょう。
ルームシェアの賃貸物件探し、また入居審査に難航している場合は、考え方を変えてシェアハウスに切り替えてみるのもよいでしょう。
ルームシェア向け物件を探すなら不動産会社を味方につけよう
ルームシェアのできる物件は数少なく、入居審査が通りづらいのも現実です。オンラインで部屋探しができる時代とは言え、ネット上に掲載されていない物件も多いため、不動産会社へ直接相談しましょう。不動産会社を味方につけることで、ルームシェアができるよう大家さんへ交渉してもらえる可能性もあります。言葉遣いや服装に配慮して大家さんや管理会社に良い印象を持たせることも大切なポイントです。