Wi-Fi無料の賃貸物件はお得?入居前に知りたいメリット・デメリット

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 スマホやパソコンを日常的に利用する現代、毎月の固定費としてインターネット使用料は必要不可欠です。一方、賃貸物件の中にはWi-Fi(インターネット)が無料の物件もあります。プロバイダにこだわりがなく、すぐにでもインターネットを利用したい人にとっては魅力的なWi-Fi無料物件ですが、住んでみて初めて知るデメリットも存在します。そこで今回は、Wi-Fi無料物件のメリットやデメリット、入居時の注意点についてまとめました。

Wi-Fi(インターネット)無料の賃貸物件とは?

 物件情報に「インターネット完備」と記載されている物件は、すでにオーナー(大家さん)が回線契約を結んでいるため、Wi-Fi(インターネット)を無料で使用することができます。自身で回線契約を結ぶ必要もありません。

 一方で、Wi-Fi無料物件といってもさまざまなタイプがあり、それぞれで使用できる環境や必要な準備が異なるため注意が必要です。

  • 各部屋にルーターがついている物件
  • 部屋まで回線がきている物件
  • 廊下などの共用部にルーターがついている物件
  • 共用部のみインターネットが使用できる物件

 各部屋にルーターがついている物件なら、回線契約はもちろん機器を用意しなくてもWi-Fiが利用でき、自分専用の回線を利用することができます。そして部屋まで回線が来ている物件は、回線契約はもちろん機器(ルーター)を自分で用意しなくてはなりません。これらの物件はインターネットが完備されているので、自分専用の回線が使えてセキュリティ面や速度の面も安心できるでしょう。

★ちなみに、各部屋にルーターがついている物件や部屋まで回線が来ている物件を「インターネット完備」と表記するケースがあります。

 そして共用部にルーターが設置されている物件は、契約や機器の準備が必要ないものの、ほかの入居者とネットワークを共有しなければなりません。セキュリティや速度の面で不安が残るでしょう。また、Wi-Fi無料を謳いつつも実際に利用できるのはエントランスなどの共用部分のみという物件があります。回線契約や機器の準備は必要ありませんが、自分の部屋でインターネットが使用できないのがデメリットです。

★ちなみに、共用部分まで回線工事が済んでいる物件を「インターネット対応」と表記するケースがあります。自分の部屋でインターネットを利用するには、回線契約や工事が必要になるので、あらかじめ不動産会社に確認を取ると良いでしょう。

Wi-Fi(インターネット)無料物件のメリット

 では、Wi-Fi無料物件のメリットについて整理してみましょう。

引っ越してすぐにインターネットが利用できる

 各部屋にルーターが設置されている物件や廊下などの共用部にルーターが設置されている物件は、LANケーブルやWi-Fiに接続することですぐにインターネットを利用することができます。配線や機器の複雑な設定も必要ないので、インターネットの知識がなくても安心です。

工事不要でプロバイダ契約をする必要がない

 各部屋や共用部にルーターが設置されている物件は、回線はもちろんプロバイダ契約もすでに完了しているため、自分から回線契約やプロバイダ契約をする必要がありません。契約の手間や工事費の負担もかからないのは大きなメリットと言えるでしょう。

インターネット料金を心配しなくて良い

 Wi-Fi無料物件は、その名の通りインターネットやWi-Fiが無料で利用できる物件なので、毎月の固定費がかからずコスト面で不安になることもありません。スマホ契約のように毎月使用できるギガ数が制限されているわけではないため、どれだけ通信しても追加費用の請求がないのは安心できます。

Wi-Fi(インターネット)無料物件のデメリット

 一方で、Wi-Fi無料物件にも見えない落とし穴がいくつもあります。入居後に後悔しないためにも、デメリットについて理解しておきましょう。

通信速度が遅いこともある

 各部屋に回線をつないでいるのではなく、1つの回線をアパート・マンション全体で共有しているWi-Fi無料物件も少なくないです。この場合、複数人で1つのインターネット回線を利用するため、インターネット接続が増える夜の時間帯は通信速度が遅くなることも珍しくありません。ひどい場合だと数Mbpsしか出ない場合もあり、速度や品質を求める人にとってはストレスを感じることもあるでしょう。

 もっとも、リアルタイム性が重視されるオンラインゲームをしたい人や、インターネットを利用したリモートワークをしたい人には向いていない物件です。

任意でプロバイダを選ぶことができない

 すでにプロバイダ契約を結んでいるWi-Fi無料物件は、自分で契約しなくて済む代わりに任意のプロバイダを選ぶことができません。自分でプロバイダを選びたい人にとっては満足できないこともあるでしょう。また、物件のタイプによっては速度の早い光回線を物理的に引くことができないこともあるため注意が必要です。

家賃が相場より高めな傾向に

 大家さんがプロバイダ契約を結んでいる物件なら、入居者が通信料を負担する必要がありません。その反面、大家さんはインターネット利用料を含めて家賃を設定しているのが一般的です。近隣の類似物件やWi-Fi無料ではない物件と比べても家賃や共益費がやや高めなので、100%お得であるとは言い切れないでしょう。

Wi-Fi(インターネット)無料物件に住む注意点・ポイント

 通信速度や家賃に対するデメリットはあるものの、それでも毎月の固定費がかからないのは魅力的です。そこで、Wi-Fi無料物件に住む注意点やポイントについてまとめました。

セキュリティに気をつける

 自分でプロパイダ契約をする際は、セキュリティ面も意識して選ぶことができます。しかし、大家さんが事前にプロバイダ契約をしている場合はそうはいきません。加えて、インターネットに接続する際にパスワードの入力が必要ないなど、入居者共通で1つの回線を使用している物件は、個人情報が洩れてしまう心配もあります。ほかにも、別の入居者がWi-Fi経由で他人の検索履歴を盗み見ることもあるでしょう。

 こうした不安を取り除くためには、パソコンにセキュリティ対策ソフトを入れること、OSバージョンを最新にするなど、自衛をしていく必要があります。

速度に期待するなら1Gbps対応の物件を選ぶ

 Wi-Fi無料かつ速度にもこだわりたいなら、希望物件の回線速度を事前に調べておくのもおすすめです。フレッツ光やauひかりを契約している物件なら、プロバイダのホームページに有る提供エリア検索で大家さんが契約しているプランを調べることができます。

 回線が1Gbpsあれば、速度も期待できます。反対に回線が200Mbps以下の物件なら速度に期待できないので、別の物件を選んだほうが無難です。

個人でモバイルWi-Fiやケーブルテレビのインターネットを契約する選択肢も

 速度に対する不安が拭えなければ、個人でモバイルWi-Fiやケーブルテレビのインターネットを契約するのも一つの方法です。月々の利用料はかかりますが、モバイルWi-Fiなら工事や工事費の負担もなく、室内外問わず自分の好きな場所でインターネットを楽しむことができます。

 また、マンションやアパートにケーブルテレビが通っている場合は、ケーブルテレビ会社が提供するインターネットを利用することが可能です。速度に関しては期待できませんが、最終手段として検討してみても良いでしょう。

Wi-Fi無料物件を契約する前にメリット・デメリットを整理しよう

 Wi-Fi(インターネット)が無料と言っても、物件や回線のタイプはさまざまです。自分がどれくらいインターネットを使いたいかによって、物件の選び方も変わるでしょう。Wi-Fi無料物件を契約する前には、メリット・デメリットを十分に理解したうえで検討を進めましょう。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

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