賃貸物件の合鍵作成は可能?注意点についても解説
賃貸物件を契約すると、入居するタイミングで鍵を渡されます。複数本渡されることが一般的なため、あまり必要ないかもしれませんが、合鍵を作成したいときもあるでしょう。
今回は、賃貸物件の合鍵作成に関するルールについてご紹介します。賃貸でのトラブルを防ぐためにも、合鍵を作る際は事前に確認しておきましょう。
賃貸物件で合鍵を作ることは可能?
賃貸物件を借りる場合、入居者にはさまざまなルールが課せられます。部屋をキレイに使用することや、家賃を支払う、ペットを飼ってはいけないなどのルールが代表的です。そして、賃貸物件には鍵についてのルールも設定されています。
分譲住宅や分譲マンションでは、必要な分鍵を用意することができますが、賃貸物件の場合は貸し出された鍵の本数が不足しているケースもあります。そんなときに作成を考えるのが、「合鍵」です。合鍵を必要な分だけ作ることができれば、万が一のトラブル時にも安心です。
合鍵作成には大家さんの許可が必要
賃貸物件で合鍵を作成するには、原則大家さんの許可が必要です。本数に関係なく、1本だけ作成する場合でも大家さんの許可をもらう必要があります。合鍵作成になぜ大家さんの許可が必要なのでしょうか。
賃貸物件の場合、入居者はあくまで家を「借りている」だけであり、所有権は大家さんや管理会社にあります。そのため、鍵を勝手に複製することはできず、合鍵を作る場合は大家さんや管理会社の許可が必要です。許可をもらった場合でも、退去時に合鍵をすべて返却するよう求められるケースもあります。
また、合鍵を必要以上に作成することは、防犯や管理の側面からあまり良くないとされています。合鍵を落としたりなくしたりすることで、それを拾った不審者が自宅に侵入する可能性があります。実際、合鍵で侵入された事件も発生しています。
合鍵を作ることができる場所
合鍵を作成できる場所は、意外と身近にあります。ホームセンターや大型スーパー、ショッピングモールの中に合鍵を作成している店舗があります。また、鍵作成の専門店もあり、ネット上で手続きをして鍵を送付すると、合鍵を作成してくれるお店もあります。引越しをした直後など、店舗の場所がまだわからない場合は、インターネットを使って探すのが良いでしょう。
合鍵の種類
合鍵を作成する場合、鍵の「形状」にもこだわる必要があります。鍵は形状によってさまざまな種類があり、種類によって作成の費用も変わってきます。合鍵作成の費用は、一般的な形状であれば1000円前後が目安とされています。時間も10分から20分程度で複製することができます。
ただし、特殊な形状の合鍵を作成する場合は、費用も高額になる傾向があり、ディンプルキーと呼ばれる鍵は5000円ほどとされています。こちらでは、合鍵の形状の種類をご紹介します。
ここでは紹介しない「カードキー」については、こちらの記事で紹介しています。ぜひご確認ください。
ディスクシリンダー錠
両端がギザギザした形の鍵のことで、賃貸住宅はもちろん、戸建住宅や集合住宅、オフィスなど幅広いシーンで利用されています。作成も比較的簡単で、元となる鍵が折れた状態でも作ることができます。費用も安価なため、複数本作成する場合でも安心です。
ピンタンブラー錠
ディスクシリンダー錠と異なり、片側だけギザギザの切り込みが入っているのが、ピンタンブラー錠と呼ばれる鍵です。ロッカーや引き出しの鍵などに利用されているのが一般的ですが、一部のアパートでも使用されています。
ディスクシリンダー錠と同様、比較的な簡単に作成することができ、費用も安価なのが特徴です。職人の力量によって差が生まれにくいため、さまざまな場所で作成できます。
ディンプルシリンダー錠
表面に凹凸のある鍵が、ディスクシリンダー錠です。近年では住宅用の鍵として一般的に使用されている鍵で、ディスクシリンダー錠やピンタンブラー錠と異なり、形状が複雑で、ピッキングなどの犯罪に強いとされているのが特徴です。
ただし、防犯性能が優れいている一方、複製するコストや作成時間がかかる傾向にあります。正規メーカーが作成した「純正キー」と、ホームセンターなどの店舗で作成できる「複製キー」でも料金が変わります。
合鍵を作る際の注意点
合鍵作成にはいくつかの注意点があります。お店に依頼する場合は、必ずこれらの事項を守りましょう。
元鍵を使用する
合鍵の作成を依頼する場合は、必ず元鍵を持ち込みましょう。合鍵から合鍵を作成することもできますが、合鍵を使用すると形状に誤差が生まれるケースもあるため、店舗によっては断られる可能性があります。そのため、入居時に受け取った鍵(元鍵)を持ち込むのが確実です。
また、合鍵の作成時は、その性質から身分証明を求められることがあります。運転免許証等の身分証を持って行くのが良いでしょう。
複製できない可能性がある
大家さんに合鍵作成を断られるケース以外にも、合鍵を作成できないことがあります。代表的なのが、「鍵の形状」によって店舗で断られるケースです。
鍵のなかには、よりセキュリティ性能を高めるために、専用の機械を使って作成した特殊な形状のものがあります。この場合、ホームセンターやスーパーなどの店舗では複製ができないため、鍵の専門店に依頼する必要があります。
退去時に返却する
大家さんの許可を得て作成した合鍵も、退去時には元鍵を合わせてすべて返却するのが一般的です。自分でお金を払って作成した合鍵ですが、その所有権は大家さんにあるためです。
鍵の返却を行わない場合は、ドアノブごと交換する必要があるため、退去時にその費用を請求される可能性があります。合鍵を作成した場合は、厳重に保管し、退去時に必ず返却しましょう。
まとめ
賃貸住宅だっても、合鍵の作成を検討するシーンはあります。ただし、大家さんに所有権がある以上、必ず許可を取ってから作成するようにしましょう。
また、自費で作成した合鍵も、所有権は大家さんにあります。なくしてしまったり、返却しなかったりすると、責任を追求される可能性があるため、丁寧に扱うことが大切です。