賃貸物件の町内会や自治会加入は義務?加入のメリット・デメリット

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 日本中の市区町村には町内会や自治会などの組織がたくさんあり、引越し先で加入すべきか悩む人も多いでしょう。そもそも町内会や自治会の加入、町内会費の負担は必須なのでしょうか?今回は、賃貸契約時における町内会加入は義務なのか、また加入のメリットやデメリットについてご紹介します。

町内会や自治会の加入義務はなし!ただ契約条件によって加入必須なことも

 まず、法律上で町内会や自治会に入らなければならないという義務はありません。加入を強制されることはなく、加入後に退会するのも自由です。しかし、賃貸契約において町内会や自治会の加入を条件としているケースもあり、こちらも法律上問題はありません。もしも賃貸借契約書に「乙は町内会(自治会)への加入を必須とする」と書かれており、お互いに合意の上で契約を結んだ場合はこの契約事項が有効となります。

 一方、当事者間の合意のもとで町内会や自治会への入会が必須とされていても、町内会費などの支払い義務はありません。というのも、町内会や自治会は任意団体であり加入する・しないは本人の自由だからです。ただし、町内会費を支払わないことで後々トラブルに発展するケースもあります。町内会や自治会の加入を希望しない人は、契約条件をしっかり確認しましょう。

そもそも町内会・自治会とは?

  町内会や自治会は、その地域の人たちの生活をより良いものにしていくことを目的とした任意団体です。町内会と自治会は名称の違いだけで、地域内で同じ目的を持って活動していることに違いありません。

 町内会や自治会の一般的な活動として、地域住民同士の交流や子供会などの催し、環境整備や管理・清掃、防災面での協力や訓練、治安面での協力活動などが挙げられます。賃貸とは言え、その地域に長く住むつもりで引っ越すなら町内会や自治会に入ることで近隣の人と関わりを持つ機会が増えるでしょう。

一人暮らしで町内会加入のメリットはない?スムーズな断り方

 これまでの説明だと、一人暮らしで町内会や自治会に加入するメリットはほとんどないのでは?と思う人もいるかもしれません。たしかに、子供会の存在やさまざまな行事に参加できる点では、単身者よりもファミリー世帯にメリットが多いです。

 もしも一人暮らしを始めるうえで町内会や自治会の入会を求められたら「一人暮らしなので平日も週末も忙しく、行事に参加できないので加入しません」とシンプルにお断りしましょう。その上で断りきれず町内会や自治会に加入した場合は、事情を説明して退会届を提出しましょう。

町内会・自治会加入のメリット

 人付き合いが苦手な人にとって町内会や自治会への参加は気が乗らないかもしれませんが、それでも参加するメリットは大いにあります。入会を迷っている人は、メリット・デメリットを考慮した上で検討しましょう。まず紹介するのは町内会・自治会加入のメリットです。

回覧板が回ってくる

 町内会や自治会に加入すると、地域で見逃せない情報が記載された回覧板が回ってきます。ルールに厳しい地域でも、回覧板の情報を知れば安心です。最近では地域のホームページから情報を閲覧することもできますが、それでも回覧板の習慣を残す地域があるのも事実。回覧板のみで情報共有している地域なら、町内会や自治会に加入しておくと良いでしょう。

もしもの災害でも助け合える

 町内会では、万が一の災害にも対応できる避難所を管理していることが多いです。地震や台風が起きたときでも、お互いに助け合える環境が得られるのは大きなメリットと言えるでしょう。また、回覧板の習慣がある地域では災害の避難場所が記載されていることも多いので、防災対策になります。

防犯対策になる

 町内会や自治会に入れば、近所付き合いが増えて住民同士で顔なじみになります。近隣住民と顔なじみになれば不審者を把握しやすくなるため、犯罪に巻き込まれる心配が少なくなるでしょう。特に、子どものいる家庭なら町内会や自治会の加入そのものが防犯対策につながるので安心です。

町内会・自治会加入のデメリット

 一方、町内会や自治会に加入することで会費や労力の負担といったデメリットもあります。入会前に知っておきたい、町内会・自治会加入の主なデメリットを紹介します。

町内会費の負担=出費が増える

 町内会や自治会には会費があり、加入すると会費を納めなくてはなりません。金額は地域によって異なりますが、月間200円〜2,000円程度、年間2,400円〜24,000円程度が多いとされています。金額が安いとはいえ、金銭的な負担そのものはデメリットと言えるでしょう。

★ただし、会費はゴミ収集所の管理や回覧板作成などの経費として使用されているので、やむを得ないものと言えます。

一定の労力や時間が奪われる

 町内会や自治会へ加入すると、地域の行事や活動へ参加するよう依頼されます。ゴミ収集所の管理や清掃、夜間巡回などで一定の労力や時間が求められるため、このような活動に割ける時間がない人や余裕がない人にはデメリットになるでしょう。

役員にならなければならないことも

 町内会や自治会には、会長や副会長、経理、書紀といった役員が設けられているケースが多いです。そして役員は構成員の住民の誰かが努めなくてはなりません。仮に役員をやりたい人がいなかった場合、ほぼ強制的に役員をやらざるを得ないケースもあります。さらに、町内会や自治会への新規加入者が現れないと役員の任期も伸びるでしょう。

町内会に入らない・町内会費を払わないとどうなる?

 町内会や自治会の加入は任意であるものの、未加入によるデメリットもあります。場合によっては近隣トラブルに発展することもあるので注意が必要です。

町内イベントの参加できない

 町内会や自治会に加入していないと、町内会や自治会が主催するイベントに参加することはできません。それだけではなく、町内会・自治会が運営している施設や場所が利用できないケースも珍しくないでしょう。一人暮らしの場合は問題ないかもしれませんが、ファミリー世帯の場合は“近所の友だちは参加できるのにうちの子は参加できない”という状況になることも考えられます。

ごみ収集所が使えない可能性がある

 アパートやマンションの敷地内に入居者専用ゴミ収集所があれば問題ありませんが、敷地内に入居者専用ごみ収集所がなく、町内会が管理しているごみ収集所を利用しなくてはならない場合、町内会へ加入していないと使わせてもらえない可能性があります。町内会が当番制でごみ収集所の管理や清掃をしている場合があるからです。

★ちなみに、筆者は町内会へ加入していないため地域のごみ収集所が利用できず、自分で市のゴミ処理場に自宅のゴミを持ち込んでいます。持ち込みの手間やガソリン代を考えると、町内会に入って会費を払うのがベストだったかも…?

トラブルにつながることがある

 都市部で生活している人には想像し難い話かもしれませんが、地方には町内会や自治会への加入が“風習”になっている地域もあります。新しくその地域に引っ越してきた人や町内会や自治会に加入しない人は、地域住民から理不尽に敵対視されることも。町内会や自治会の加入を考えていなければ、部屋探しの段階で希望エリアの実態を調べておくと良いでしょう。

町内会は強制じゃない!メリットとデメリットを比較して検討しよう

 町内会や自治会は加入義務がないため、もしも加入を強く勧められたとしても拒否することができます。付き合いで加入しても、途中で退会できるので安心してください。ただ、町内会や自治会の風習がある地域に引っ越す場合は、近隣住民とトラブルを起こさないように気をつけなくてはなりません。町内会や自治会への参加に迷っている人は、メリット・デメリットの両方を考慮して決断しましょう。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

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