アパートの家賃交渉は可能?行う際のポイントも解説
賃貸物件を住む際に支払っている家賃は、定額のイメージが強いかもしれません。しかし、あくまで大家さんや管理会社が定めているため、理由によっては変更されることがあります。
今回は、入居者がアパートの家賃交渉を行うのは可能なのか、実際に行う際のポイントなどについて解説します。現在の家賃が負担に感じている場合や、周辺の物件と見比べて家賃が適切ではないと感じる場合は、ぜひ参考にしてください。
アパートでの家賃交渉は可能?
そもそも、アパートの家賃は交渉できないものと考えている方も少なくありません。アパートに住む場合、入居者が家賃交渉をすることは可能なのでしょうか。
家賃の算出方法
賃貸アパートの家賃は、「積算法」もしくは「賃貸事例比較法」のどちらかによって算出されます。積算法とは、物件のオーナーが得る利益をもとに適切な賃料を算出する方法です。一方、賃貸事例比較法とは、周辺の似た立地や条件の物件を探し、その賃料をもとに家賃を決める方法です。
積算法では賃料が高めに算出されるケースが多いため、多くの物件では賃貸事例比較法が採用されています。
家賃交渉は入居前・入居後いつでも可能
積算法、賃貸事例比較法のどちらを使用している場合でも、最終的な賃料を決めるのは物件のオーナーです。そのため、事情によっては家賃交渉が可能です。端的にいえば、大家さんが「OK」といえば家賃は下がりますし、「NO」といえば家賃は下がりません。家賃交渉をしたからといって、必ずしも家賃が下がるわけではない点に注意しましょう。
家賃が値上げされる事例も
入居者に家賃交渉をする権利があるのと同様に、大家さんにも家賃を値上げする権利があることを覚えておきましょう。もちろん、何の理由もなく値上げされることはありませんが、税金の値上げや物価の高騰などの事情があれば、大家さんから賃料の値上げを要求される可能性があります。
大家さんから家賃の値上げ交渉が行われた場合の対処方法は、下記の記事で解説しています。ぜひご確認ください。
アパートの家賃交渉をする際のポイント
家賃交渉は入居者に認められているものの、初めて行う場合は緊張してしまうかもしれません。ここでは、そんな方に向けて家賃交渉をする際のポイントを5つ解説します。これからアパートの家賃交渉をしようと考えている場合は、ぜひ参考にしてください。
お願いベースで相談しよう
まず、家賃交渉をする際は、「値下げしてもらって当然」という態度はNGです。先ほど説明したように、賃料の最終決定権を持っているのは大家さんです。入居者から家賃交渉があったからといって、下げなければならないわけではありません。
また、家賃交渉をする際に大家さんに対してあまりに横柄な態度をとってしまうと、「この人に住んでもらいたくない」と思われてしまう可能性もあります。入居前の場合は、これが原因で契約自体が不成立となるケースもあるため、家賃交渉をする際はあくまでお願いベースで相談しましょう。
根拠を提示する
アパートの家賃交渉をする場合は、「どうして安くしてもらいたいのか」の根拠を示すことが大切です。「室内の設備のわりに家賃が高い気がする」「生活が苦しいから家賃を下げて欲しい」といった、なんとなくの理由では認められることはありません。
家賃交渉の根拠となりそうなポイントには、以下のようなものがあります。
- 立地
- 築年数
- 空室数
- 周辺物件の家賃相場
- 周辺環境の変化
中でも、アパート内に空室が目立つ場合は、家賃交渉の大きなきっかけになります。入居者が集まらない物件であるということは、アパートに何かしら問題があると考えられるため、家賃交渉をしやすいといえます。
また、周辺環境の変化も大きなポイントです。家賃を設定する場合は、周辺施設の充実度や利便性を大いに考慮しています。そのため、例えば近隣の商業施設が撤退してしまったり、大きなマンションが建設されたことで日当たりが悪くなったりしたケースなどが考えられます。
どちらにせよ、家賃交渉をする場合は、「家賃を下げることに納得できる理由」を提示する必要があるのです。
タイミングも考慮する
アパートの家賃交渉をする場合は、タイミングも考える必要があります。ずばり、家賃交渉に適したタイミングは、契約の更新時期や不動産業界の閑散期と呼ばれるタイミングです。賃貸借契約の更新には、契約を見直す意味も含まれているため、家賃交渉を聞き入れてもらえる可能性が高まります。
また、不動産業界の閑散期とは、5〜9月ごろといわれています。この時期はどの物件も入居者が集まりにくいため、家賃交渉しやすい傾向にあります。
入居前の場合は必ず入居することを説明する
アパートの家賃交渉は、入居してから行うケースもあれば、入居前に行うこともあります。入居前に家賃交渉をする場合のポイントは、「家賃交渉に応じてもらえたら必ず住む」ことを伝える点です。家賃を値下げしたにもかかわらず契約が成立しなければ、大家さんにとってメリットは何もありません。そのような心配を抱かれることを防ぐには、必ず契約する旨を説明する必要があります。
口で伝えるのはもちろん、申込書に必要事項を記入し、添付書類まで用意しておくと実効性が高まります。具体的には免許証のコピーや社会保険証などを用意しておくと良いでしょう。
家賃以外のポイントを交渉するのもあり
家賃交渉をしたとしても、必ずしも受け入れられるとは限りません。むしろ、よほど適切な根拠を揃えられなければ、断られるケースのほうが多いかもしれません。家賃交渉に難色を示された場合は、別の費用を交渉してみるのもひとつの方法です。例えば、以下のような候補があります。
- 敷金・礼金
- フリーレント
- 更新費用
- 仲介手数料
フリーレントとは、家賃の1、2カ月分を無料にする制度です。1カ月分のみ無料になったとしても、引っ越し費用を大きく下げられるので魅力的です。そのほかにも、敷金や礼金、仲介手数料は初期費用を抑えるのに役立ちますし、更新費用を無料にできれば通常の家賃の支払いのみで次の2年間も住み続けられます。家賃交渉に失敗した場合でも、別の費用を交渉できないか柔軟に検討しましょう。
まとめ
賃貸アパートの家賃交渉は難しいと考えている方も多いですが、しっかりとした根拠を揃えれば話を聞いてもらえるケースも少なくありません。なぜ家賃が高いと感じているのか、その理由を明確にした上で話を持ち込みましょう。
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