賃貸一戸建てにメンテナンスは必要?メンテナンスの内容やトラブル対処法を徹底解説
集合住宅よりも広々と快適に暮らせる賃貸一戸建て。ですが、一戸建てはマンションやアパート以上にメンテナンスや補修が必要になる場面が多いです。そんなとき、自分でできる範囲のメンテナンスと大家さんに依頼すべきメンテナンスを知っておくと、将来的なトラブル防止にもなり、快適に住み続けることができます。本記事では、賃貸一戸建てのメンテナンスに必要性や、メンテナンスのメリット・デメリット、万が一のトラブル対応について解説します。これを読めば、賃貸一戸建てへの引っ越しを検討している人、すでに賃貸一戸建てに暮らしている人にとって役に立つはずです。
賃貸だけど一戸建てはメンテナンスが必要?
賃貸一戸建てでも、住み心地を良くし、建物の寿命を延ばすために、いくつかのメンテナンスは必要になります。たとえば、日常的な掃除や水漏れなどの小さなトラブル対応は、入居者自身で行うことが一般的です。
「持ち家ではないので、すべての修理を自分で行う必要はない」と思いこんでいるようでは、建物や設備の劣化が進むばかりです。快適な賃貸生活を送るためにも、自分でできるメンテナンスと大家さんに依頼するメンテナンスについて把握しておきましょう。
賃貸一戸建てのメンテナンス
賃貸一戸建てのメンテナンスには、大きく分けて自分で行うべきことと大家に依頼すべきことがあります。
自分でできるメンテナンス
- 日常的な清掃
- 簡単な点検
- 簡単な修理
まずは床、壁、窓など、日々の生活の中で汚れた部分を清掃するのも基本的なメンテナンスです。たとえば一戸建ての場合、サッシ周りや押し入れの中、外気に接する壁などに結露ができやすいです。結露を放置するとカビが発生したり、建物の劣化や建材の腐食につながったりとさまざまなリスクを引き起こすので注意しなくてはなりません。
また、水漏れや異音など、小さなトラブルがないか定期的に点検することも大切です。
- 浴室やトイレなどの水回りに水漏れやカビが発生していないか?
- コンセントのゆるみや異臭はないか?照明器具は作動するか?
- 床鳴りや傾きが起きていないか?床材が剥がれていないか?
など、定期的に点検することで小さなトラブルを早期発見でき、大きなトラブルに発展するのをふせぐことができます。
もしも不具合があった場合、電球交換や水栓の締め付けなど、できる範囲の簡単な修理も行いましょう。自分でできる範囲を超えている場合は、大家さんに依頼するのがポイントです。
大家さんに依頼するメンテナンス
- 構造的な問題
- 設備の故障
- 害虫の駆除
賃貸一戸建ての構造的な問題は、建物自体の耐久性や美観に大きく影響します。具体的には、次のような問題が見られた場合に大家さんや管理会社への連絡が必要です。
- 屋根:瓦の割れ、棟のズレ、雨漏り
- 外壁:ひび割れ、塗装の剥がれ、コケの発生
- 基礎:ひび割れ、傾き
たとえば屋根は、雨風から家を守る重要な部分です。経年劣化により、瓦が割れたり、コーキングが剥がれたりすることがあります。放置すると雨漏りの原因となり、室内に水が浸入するので注意が必要です。
また賃貸一戸建てでは、給湯器やエアコンといった設備の故障も起こりえます。これらの設備は、専門的な知識や工具が必要な場合が多く、入居者自身で修理するのは難しいでしょう。設備の故障は、すみやかに大家さんや管理会社に連絡してください。
さらに、賃貸一戸建てでは、ゴキブリやネズミといった害虫が発生することもあります。これらの害虫は、衛生面や健康面に悪影響を及ぼすため、放置しておくことはできません。とはいえ、自分で駆除するのは困難な場合が多いため、大家さんや管理会社に相談の上、専門業者への依頼を検討しましょう。
賃貸一戸建てをメンテナンスするメリット
賃貸一戸建てをメンテナンスするには、次のようなメリットがあります。
- 快適な生活環境がキープできる
- 物件の寿命が延ばせる
- 修繕費用を節約できる
- 物件への愛着が深まる
まず、定期的なメンテナンスによって、水漏れや異音といった小さなトラブルを未然に防ぐことができ、快適な生活環境を長く維持することができます。また、害虫駆除など衛生面に関わる問題も、早めの対応で解決が可能です。
そして適切なメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばすことができます。結果として、より長く快適な住まいを維持できるのもポイントです。
また、小さなトラブルを放置しておくと大きなトラブルに発展し、結果的に高額な修理費がかかってしまうことがあります。定期的な点検と簡単なメンテナンスを行うことで、このような事態を防ぎ、修繕費用の節約につながります。
なにより、自分の手でメンテナンスを行うことで物件への愛情が深まるため、生活の質の向上にもつながるでしょう。
賃貸一戸建てをメンテナンスするデメリット
一方、一戸建てのメンテナンスには次のようなデメリットもあります。
- 時間や労力がかかる
- 修繕費を自己負担しなければならないこともある
- 退去費用が上乗せされる可能性がある
まず、賃貸一戸建ては家の中だけではなく、庭や外壁など広範囲にわたるメンテナンスが必要になることがあります。それだけでも、メンテナンスに時間や労力がかかることは想像できるはずです。
また、持ち家とは異なり賃貸では修繕費の負担が限定的です。小さなトラブルも自己負担になるケースが多いため、思わぬ出費が発生することもあるでしょう。
さらに、賃貸契約によっては退去時の原状回復義務があるため、修繕費がさらに発生する可能性もあります。
費用に関する不安を解消するために、修繕費の負担割合や自己負担になるケースをあらかじめ確認しておく必要があるでしょう。また、退去時の原状回復の範囲や費用負担についても同様です。
万が一のトラブルが起きたら?大家さんへの連絡と損害賠償
賃貸一戸建てに住んでいると、水漏れや設備故障など、思わぬトラブルに見舞われることがあります。そんな時、まず誰に連絡すれば良いのか、損害賠償は誰が負担するのかなど、多くの疑問が浮かぶでしょう。
ここで、トラブル発生時の対応や損害賠償について解説します。
トラブル発生時の対応
万が一トラブルが発生した際は、以下の手順に沿って対応を進めましょう。
- 状況の把握
- 大家さんや管理会社への連絡
- 修理業者への手配
- 状況の記録
まずは冷静に、どのようなトラブルが発生したのかを把握しましょう。写真や動画で記録しておくと、その後の交渉に役立ちます。
そして、賃貸契約書に記載されている連絡先に、すみやかに連絡します。
状況を詳しく説明し指示を仰ぐと、修理会社の手配をお願いされることがあるかもしれません。その場合は、大家さんの指示に基づいて修理業者を手配しましょう。
修理が完了したら、トラブル発生から修理完了までの経緯を記録しておきましょう。のちに大きなトラブルが発生した際、証明できるものとして役に立つはずです。
損害賠償が必要になるケースとは
場合によっては損害賠償を請求されることがあります。具体的には次のようなケースが考えられます。
- 故意または過失による破損
- 通常の使用による経年劣化
- 自然災害
入居者の故意または過失によって物件が破損した場合、原則として入居者が修理費用を負担します。これは一戸建てにかかわらず、すべての賃貸物件において課せられる原状回復義務です。
一方、通常の使用による経年劣化は、原則として大家さんの負担となります。くわしくは、国交省の「原状回復を巡るトラブルとガイドライン」を参考にするとよいでしょう。
また火災や地震などの自然災害による損害は、火災保険などで対応する場合が多いです。
損害賠償ではないものの気をつけたいケース
実は、賃貸一戸建てのメンテナンスにおいて賃貸契約違反になる可能性があるケースもあります。それが、自分で勝手に業者を依頼したり、物件を回収したりする場合です。
賃貸契約によっては、修理業者を手配する際、必ず大家さんの許可が必要とされている場合があります。どのような場合においても、業者に依頼するレベルのメンテナンスや修繕が必要になった際は、大家さんや管理会社にすみやかに連絡しましょう。
また、自ら判断で大幅な修理や改装を行うことは、契約違反となる可能性があります。賃貸一戸建てならなおさらです。事前に賃貸契約書をよく読み、契約違反にならないよう注意しましょう。
まとめ
賃貸一戸建ては、戸建てならではの広さと自由度が魅力ですが、同時にメンテナンスの責任も伴います。定期的な点検や小さなトラブルへのスピーディな対応が、快適な生活を送るためには不可欠です。賃貸契約書をよく確認し、大家さんとの連携を密にすることで、トラブルを未然に防ぎ、快適な住まいを長く保つことができるでしょう。