単身赴任の部屋探しはどうする?ポイントや手当の種類を解説

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「急に単身赴任が決まったけど、部屋探しって何から始めればいい?」
「単身赴任と自宅の二重生活が正直不安」
「単身赴任の引っ越しや生活費は全額自己負担になるのか?」

 …など、単身赴任に伴う部屋探しやその後の生活に不安を抱く人は少なくないでしょう。生活費の負担が大きければ、自分はもちろん残した家族の生活もままならなくなります。とはいえ、単身赴任は会社側が何らかの手当を支給してくれるケースも多いです。自分に適した住まいを見つけ出すためにも、把握しておきたい項目はいくつもあります。

 そこで今回は、単身赴任の部屋探しで把握しておきたいポイント、また部屋探しのコツについてご紹介します。

単身赴任が決まったらまず把握しておくべきポイント

 単身赴任が決まれば、仕事を続けながら短期間で部屋探しをしなくてはなりません。自分に適した住まいを効率よく見つけるためには、以下の項目を把握しておくことがポイントです。

  • 単身赴任の期間
  • 利用できる手当

 ここで、部屋探しを始める前に把握しておきたい2つのポイントをくわしく解説します。

単身赴任の期間について

 単身赴任の部屋探しにおいて、単身赴任の期間を把握しておくことは重要です。単身赴任の期間が短いにもかかわらず、初期費用のかかる物件を選ぶ、また高額な家具家電を買い揃えてしまうのはもったいないと言えるでしょう。

 単身赴任の場合、残した家族が住む家の家賃やローン、生活費が二重にかかります。もし単身赴任の期間が短いなら、初期費用のかからない物件を選んでみたり、家具家電付きの物件を選んでみたりすると良いでしょう。

利用できる手当について

 転勤を命じられるということは、ある程度の大企業に勤めている場合も想定されます。ここで把握しておきたいのが、単身赴任に伴う諸手当です。単身赴任に伴う引越し費用や生活費は大きな負担になりますが、手当がいくら支給されるか把握しておくことで、その金額に見合った部屋を探すことができます。

 ここで、単身赴任で発生する手当の種類を一部ご紹介します。

単身赴任手当(別居手当)

 やむを得ない事情で同居家族と別居し、単身で生活する従業員に毎月支給される手当です。単身赴任ということは、同居家族が暮らす自宅の生活費と単身赴任による生活費の両方を負担しなければなりません。単身赴任手当は、従業員や家族の負担を軽くする目的で支給されます。

 公務員と民間企業では単身赴任手当の支給条件が異なります。公務員の場合は人事院規則による条件に当てはまる必要がありますが、民間企業の単身赴任手当は支給条件が法律で定められていません。手当自体がない企業もあるため、手当の有無を含めてどのような条件で単身赴任手当が支給されるか確認しましょう。

 ちなみに、単身赴任手当として支給される金額は公務員で月30,000円+自宅から転勤先までの距離に応じて支給額が上乗せされます。そして民間企業の単身赴任手当は、平均月47,600円であることが厚生労働省の調査で明らかになっています。

家賃補助

 家賃の負担を軽減するための補助金です。企業によっては、単身赴任の有無にかかわらず一律で家賃補助を支給するケースもあります。また寮や社宅を用意している企業もありますが、この場合は支給される家賃補助が課税対象になるので注意が必要です。

転勤支援金

 引越し費用や引越し先で使用する家具・家電の購入などに充てる手当です。支給額が一律なのか、またかかった費用を精算するかは企業によって違います。転勤支度金や単身赴任準備金などさまざまな呼び方があります。

帰省旅費手当

 単身赴任先から自宅へ帰省する際にかかる交通費を補助する手当です。一般的には実費を精算する流れとなっていますが、回数に上限が決まっている場合もあるので、人事担当者に確認しましょう。

単身赴任の部屋探しで押さえておきたい5つのポイント

 単身赴任の期間や利用できる手当について把握できたら、いよいよ部屋探しスタートです。多くの場合、間取りや立地、部屋の向きなどを重視して部屋探しを行いますが、単身赴任においては以下の項目も重要になります。

  • 平均生活費を参考とした予算
  • 通勤や生活にかかわる利便性
  • 即入居可能かどうか

 生活に必要な費用を把握しておけば、予算に合わせた部屋を探しやすくなります。また、単身赴任ともなれば家事や生活全般を自分一人でカバーしなくてはならないため、生活利便性を意識した立地選びも重要です。なにより、限られた時間のなかで部屋を決めなくてはならないため、即入居できるかどうかも重要な項目と言えるでしょう。

 そして、単身赴任の期間によっては賃貸物件を借りる以外の方法も視野に入れておくと安心です。単身赴任の期間が短ければマンスリーマンションやホテルなどの選択肢もありますし、家具家電付きの物件を借りても良いでしょう。

 ではここで、単身赴任における部屋探しの5つのポイントについてくわしく解説します。

平均生活費を参考にする

 単身赴任に伴う手当が支給されても、その手当が十分でなければ生活費の負担が大きくなり、無理な節約生活を強いられる羽目になります。家計に負担をかけすぎないようにするためにも、まずは平均生活費についてシミュレーションしておきましょう。

 総務省が公表する2022年の単身世帯の家計調査結果によると、家賃を除く生活費は約13万円かかることがわかっています。

【支出項目:平均額】
食費:36,765円
光熱・水道費:11,698円
生活用品費:4,483円
被服費:5,715円
保健医療費:6,664円
交通・通信費:18,971円
娯楽費:18,038円
その他(交際費など):21,398円

 上記の平均額に家賃を足せば、月にいくら負担しなければならないのか目安を把握することができます。

▽契約金や家賃の予算を決める!▽
「引越しに慣れていない人が知るべき部屋探しのコツ[時期や探し方]」

交通利便性と生活利便性を考慮する

 どれだけ住み心地が良くても、立地が不便だと通勤や買い物に不便です。単身赴任の部屋探しにおいては、通勤時間(距離)はもちろん、近くに買い物施設や飲食店があるかどうかも重要なポイントとなるでしょう。交通利便性だけでなく生活利便性も考慮して部屋探しをするのがポイントです。

即入居できる部屋を探す

 単身赴任が決まる時期にもよりますが、もしも辞令が出て赴任するまでの期間が短い場合は、すぐに住める物件でないと新生活を始めることができません。一般的に、賃貸物件は部屋探しから入居まで1ヶ月程度の期間が必要になります。

 入居開始日が赴任の開始に間に合わない場合は、ホテルやウィークリーマンションで一時的に暮らす選択肢も出てくるでしょう。

必要に応じて家具家電付き物件も検討する

 単身赴任で借りる家は、あくまで借りの住まいです。家具家電を一から揃えてしまうと費用負担も大きく、単身赴任が終わればせっかく揃えた家具家電も不要になります。

 そこで単身赴任におすすめしたいのは、家具家電付きの物件です。下記で紹介するマンスリーマンションも家具家電付きの部屋が一般的ですが、家具家電付きの部屋なら引越しにかかる初期費用も大幅に抑えることができます。

賃貸物件以外の選択肢も検討する

 単身赴任の期間によっては、賃貸物件を借りるよりもマンスリーマンションやホテル暮らしをしたほうが生活費を節約できる場合があります。

 たとえばマンスリーマンションの場合、1ヶ月単位で借りることができるため単身赴任や長期出張に向いています。入居審査がほぼかからないため、即入居ができ初期費用が安いのもメリットと言えるでしょう。その反面、一般的な賃貸物件よりも家賃相場が高く、選択肢が少ないデメリットもあるため、生活費をシミュレーションしながら検討することをおすすめします。

▽マンスリーマンションの家賃を詳しく解説!▽
「マンスリーマンションの家賃がやばい?入居のメリット・デメリットまとめ」

 そしてホテルは、部屋の掃除をしてもらえたりシーツや寝間着を自分で選択しなくて良かったりとさまざまなメリットがあります。また、駅や中心街へのアクセスが良い場合も多いので、立地を重視する人におすすめです。一方ホテル暮らしは費用が高いので、1ヶ月以下の単身赴任に向いているでしょう。

 とはいえ、賃貸物件を借りるほうが圧倒的に選択肢が多く、家具家電も自由に配置できるメリットがあります。費用面を考慮しても、1年以上の単身赴任なら賃貸物件を借りたほうがベターです。

 ただし、賃貸物件を借りる際は違約金が発生しないかを確認することも重要です。契約期間(多くの場合2年)の間に契約解除を申し出ると違約金がかかるケースがあるので、契約前に違約金の有無を確認しておきましょう。

まとめ

 単身赴任が決まった際は、部屋探しをスタートする前に単身赴任の期間や支給される手当について事前にチェックしておくと安心です。単身赴任の期間によっては賃貸物件を借りるよりもマンスリーマンションやホテルで暮らしたほうが負担が少なく住む場合もあります。単身赴任と残された家の二重生活は家計に大きな負担がかかるため、支給してもらえる手当をしっかり把握しておきましょう。

 また部屋探しの際は、即入居できるか、交通・生活利便の良い立地か、生活費に見合った家賃かなど、単身赴任ならではの視点が求められます。初期費用を抑えたいなら、家具家電付きの物件を選ぶのも良いでしょう。自分の暮らしに適した家を見つけるためにも、一つひとつの状況を確認しながら部屋探しを進めてみてください。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

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