水商売や夜職は賃貸審査が通らない?借りられない・借りにくい理由と家の借り方
水商売や夜職をしている人にとって、部屋を借りることは簡単なことではありません。実際、水商売だと伝えただけで賃貸審査に通してもらえないことや、夜職を理由に賃貸審査に落ちるケースがあります。では、水商売や夜職の人が賃貸物件を借りるにはどのような方法が有効なのでしょうか。
※本記事では一般社団法人日本水商売協会の協会メンバーであるクラブ、ホステス、キャバクラで働いている方を水商売と定義して紹介します。
水商売や夜職は家が借りられない!?賃貸契約が厳しい6つの理由
水商売や夜職の人は賃貸物件が借りづらい傾向にありますが、これはあくまで“借りづらい”ということであり“借りられない”わけではありません。借りる方法についてヒントを得るためにも、水商売や夜職の人がなぜ賃貸物件が借りづらいのかを知っておきましょう。
1.収入が不安定だと見られている
家賃滞納トラブルを避けたい大家さんにとって、入居者の収入が不安定だと不安に感じます。正社員として働く会社員なら安定した収入が得られますが、水商売は固定給でないことが多く勤務先が変わることもよくあるため、収入が不安定になりがちです。収入が多い・少ないという話ではなく、不安定なことにより家賃を支払ってもらえなくなる可能性を考えて入居を断るケースがあります。
2.生活リズムの違いで近隣トラブルを心配されている
水商売や夜職は昼夜逆転の生活リズムになるため、他の入居者とのトラブルが心配されます。仕事の都合上、昼間に家事ができないことから、夜間に掃除機や洗濯物の音が聞こえて管理会社経由でクレームが入ることも珍しくありません。夜間における送迎車やタクシーの出入りによる騒音、ゴミ出しルールを守ってもらえない可能性も懸念されます。
★もちろん水商売や夜職の人すべてに当てはまるものではありませんが、過去のトラブルなども含め一括して断る大家さんもいます。
3.管理会社や大家さんの意向で謝絶される可能性
残念ながら、水商売や夜職について「反社会的勢力と関わりがあるのでは」などと偏見を持っている大家さんはゼロではありません。これは水商売や夜職をしているすべての人が悪いという意味ではなく、過去のトラブルや経験によるものがほとんどです。
★水商売・夜職に関わらずどのような職種においても大家さんや管理会社の意向で入居を謝絶されることはあります。
4.保証会社の審査に通らない
賃貸物件に申し込む際は、保証会社に加入することが一般的です。この保証会社の審査に通らなければ、賃貸契約を結ぶことはできません。個人信用情報や過去の支払い歴などが審査内容に含まれますが、水商売や夜職の人は収入が不安定だと判断されることが多く、結果的に保証会社の審査に通らないことがあります。
★水商売や夜職をしている人は、職業を家族に内緒にしていることも多く、連帯保証人がいないケースが多いです。これも賃貸審査に通りづらくなる一つの要因でしょう。
5.喫煙者が多い
水商売や夜職の人は、職業柄喫煙者が多いです。部屋で喫煙すると壁紙やエアコン、換気扇が汚れて修繕費が高くなるため、大家さん側がお断りするケースもあります。
6.犯罪に巻き込まれるリスクが高い
水商売の場合、仕事上で顧客と親密な関係になることから人間関係のトラブルや犯罪に巻き込まれるリスクが他の職業よりも高いです。水商売をしている人に悪気がなくても、物件の周辺で不審者がうろついたり、ストーカー被害が発生したりすることも考えられます。大家さんからすれば、自分が所有している物件でトラブルが起きると収入に影響するので、入居してほしくないと感じます。
★オートロック付きのマンションなどセキュリティ対策がしっかりしている物件なら犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性も低くなりますが、セキュリティ対策のない物件は入居が難しくなるでしょう。
水商売や夜職でも賃貸審査に通りやすくなる8つのコツ
水商売や夜職の人が賃貸審査に通りづらい大きな理由は、大家さんや管理会社が抱く不安要素です。逆に言えば、不安要素を取り除くことで賃貸審査に有利に働きます。ここで、水商売や夜職の人でも賃貸審査に通りやすくなるコツをご紹介します。
1.水商売専門の不動産会社(仲介会社)を利用する
不動産会社のなかには、水商売や夜職の人を専門とした会社も存在します。入居審査に通りやすくなるコツを熟知しているほか、大家さんへの交渉も得意です。歓楽街のなかに店舗を構えているケースが多いほか、ナイトワークOKのポータルサイトも存在するのでぜひ利用しましょう。
2.隠し事はしない
そもそも水商売や夜職であることを隠せば賃貸審査に通過できるのでは?と考えがちですが、嘘が発覚すると信用を失い、今後の部屋探しや審査に影響します。水商売や夜職であっても、職業を隠さずに不動産会社に相談することが得策です。特定の不動産会社だけでなく、複数の不動産会社を利用して審査通過のアドバイスをもらいましょう。
3.保証会社を兼任する不動産会社を利用する
国交省の登録を受けている保証会社のうち、ほんのわずかですが不動産業務を兼任している会社が存在します。保証会社を兼任している不動産会社なら、大家さん側に「不動産会社が入居者を保証する」とアピールできるため、賃貸審査に有利に働きます。
4.預貯金があることを証明する
水商売や夜職は収入が不安定に見られがちですが、貯金があることをアピールできれば支払い能力があることを証明することができます。また、預金残高で審査を受ける方法(残高審査)もあるので貯金のある人におすすめです。目安は家賃2年分以上の預貯金があること。十分な貯金があることを証明できる人は、通帳のコピーを提出するか、銀行で残高証明を取り寄せましょう。
5.代理契約してもらう
もしも頼れる親族がいるなら、その親族に代理で賃貸契約を結んでもらうのも一つの方法です。この場合、入居者ではなく契約者である親族を対象に審査が行われるため、収入や勤務先に問題がなければ賃貸審査に通過しやすくなります。ただし、これは水商売や夜職に比べると審査が通りやすくなるという話であり、親族に支払い能力がないと判断されたり、水商売をしている事実を隠していたりすると審査に通らないこともあるので注意しましょう。
6.見た目に気を配る
不動産会社への訪問や物件を内見する際は、ナチュラルな見た目を心がけましょう。高級品ばかりを身に着けていたり、露出が多い服装をしていたりすると良い印象を持たれません。不動産会社は、見た目や言動のすべてを大家さんへ報告します。安心して貸せる人だと思われるよう、見た目に気を配りましょう。
7.敷金を上乗せするなどの交渉をする
家賃滞納や原状回復費用に充当する敷金を上乗せできるのであれば、その旨を不動産会社に伝えましょう。今は保証会社の利用が一般的なので必ずしも有利に働くわけではありませんが、不動産会社側からすると大家さんや管理会社との交渉がしやすくなります。
8.大家さんと直接やり取りできる物件を選ぶ
一般的に、大家さんは不動産会社を通して入居希望者の印象を聞き出し、入居できるかどうかの判断をします。大家さんと直接やり取りできる物件であれば、審査の通過率が上がるほか、即日で審査が通ることもあります。大家さんと直接契約できる仲介サイトもあるため、利用するのも一つの方法です。
水商売や夜職でも賃貸物件は借りられる!アリバイ会社は避けて
一般的な会社員に比べると選べる物件数は少ないかもしれませんが、水商売や夜職の人でも賃貸物件を借りることはできます。審査に通過しやすくなるコツを参考に、複数の不動産会社に相談してみましょう。また、アリバイ会社を利用して賃貸審査をする方法もありますがおすすめできません。嘘の情報提供によりほとんどのケースでバレてしまう可能性が高く、今後の部屋探しにも影響します。水商売や夜職であることを隠さず、正直に伝えましょう。