賃貸保証会社の審査とは?気になる審査基準&落ちたときの対処法
賃貸物件を借りる際、ほとんどのケースにおいて保証会社の利用を求められます。保証会社の利用には審査が必要なので、通るかどうか不安に思う人も少なくないはずです。保証会社の審査に落ちた場合、今後一切の賃貸契約を結べなくなるのでしょうか?今回は、賃貸保証会社の審査内容や落ちたときの対処法をご紹介します。
賃貸における保証会社と審査とは?
近年では、賃貸契約の際に保証会社を利用するケースが一般化しつつあります。保証会社は誰にでも利用できるわけではなく、所定の審査をクリアしなくてはなりません。まずは、賃貸における保証会社の役割と審査について解説します。
保証会社は保証人の代行を請け負う会社
保証会社とは、家賃の滞納などが起きた際に立て替えて支払うことを保証する会社です。一昔前は保証人や連帯保証人を立てることが一般的でしたが、現在では保証人の有無に関わらず保証会社を利用する不動産会社が増えています。
保証範囲は家賃だけではない
保証会社の保証範囲は家賃だけでなく、共益費や管理費、更新料、クリーニング費用、鍵交換代、原状回復費用など多岐にわたります。また、会社によっては契約者が死去した場合に荷物の撤去費用を保証することもあります。
大家さんから見れば、個人で連帯保証人を立てるよりも大きな安心感が得られるほか、家賃滞納時の催促も代行してもらえるなどメリットが大きいです。
保証会社の利用には所定の審査が必要
保証会社を利用する際は、家賃の滞納や入居後のトラブルを防ぐために所定の審査をおこないます。これは大家さんによるオーナー審査や管理会社による管理会社審査とは別におこなわれるもので、約1週間の入居審査を経て結果が知らされます。
保証会社を利用するメリット・デメリット
保証会社を利用する最大のメリットは、連帯保証人を立てなくても賃貸物件が借りられることです。連帯保証人が立てられる状況であっても、年収を尋ねることに気が引ける人も多いでしょう。
その点、保証会社を利用すれば自分ひとりで賃貸契約を進めることができるため、周りに気を遣う必要も少なくなります。
一方、保証会社は無料で利用できるわけではなく、賃貸契約時に保証委託料を支払わなくてはなりません。初期費用に賃料管理費の0.5ヶ月分程度の初回保証委託料が上乗せされるほか、更新時には更新料も発生します。
賃貸契約の更新は2年に一度が一般的ですが、保証会社の場合は1年で更新するケースがほとんどです。利用料金がかかるという点ではデメリットと言えるでしょう。
審査に通らない?保証会社の審査基準と落ちる理由
保証会社によって審査基準は異なりますが、どの保証会社においても審査に通らなければ利用することはできません。そこで、メインとなる審査基準と審査に落ちやすい理由について解説します。
保証会社のおもな審査基準は支払い能力
保証会社の審査では、まず勤務先や職業を調べます。収入はもちろん、雇用形態や勤続年数を調べることで支払い能力を判断します。
収入に対し家賃が何%程度を占めるのか比率も確認されるため、収入に見合わない高額な家賃の場合は審査に落ちる可能性が高くなります。
もちろん、収入が安定しない無職やフリーターの場合も支払い能力が不安視されるため、審査が難しくなるでしょう。貯金額が十分にあり経済的に余裕がある人は、通帳のコピーなどで証明すれば審査通過の可能性も見えてきます。
クレジットカードや携帯電話の料金未払いには要注意
支払い能力と同じように重視されるのが、個人の信用情報です。保証会社には信販系、協会系、独立系がありますが、なかでも信販系はクレジットカードやローン、携帯電話などの利用履歴をもとに審査をおこなうため、過去に滞納した事実があれば審査に落ちる可能性があります。
また、協会系は全国賃貸保証業協会のデータベースを元に、入居者の情報や過去の家賃の滞納履歴を調べます。家賃を滞納したことがある人も、審査落ちする可能性が高いでしょう。
保証会社の審査に落ちた場合の対処法
入居意思が強いにもかかわらず、保証会社の審査に落ちた場合は引っ越しを諦めるべきなのでしょうか?結論から言えば、一度審査に落ちても別の方法で審査に通過できる可能性があります。そこで、保証会社の審査に落ちた場合の対処法を紹介します。
独立系の保証会社を選ぶ
信販系や協会系のデータベースを利用せず、独自の情報をもとに審査する“独立系”の保証会社なら審査に通る可能性があります。基本的に入居希望者側が保証会社を指定することはできませんが、一度審査に落ちた場合はほかの保証会社が利用できるか不動産会社に相談すると良いでしょう。
家賃と年収のバランスが合う部屋を選び直す
保証会社の審査に落ちたものの、その理由については教えてもらえません。審査に落ちる原因がわからなければ対策しようがないので、審査に通りやすい部屋を選び直したほうが効率的です。
ポイントは、家賃と年収のバランスが合う部屋を探すこと。不動産会社に一度保証会社の審査に落ちたことを正直に伝えることで、審査に通りやすい部屋を紹介してもらえる場合があります。
代理契約で再度審査をする
審査に落ち、ほかの保証会社も利用できず八方塞がりになった場合は、代理契約で審査ができるか不動産会社に相談するのも手です。代理契約は、入居者と契約者が異なる契約のことで、入居者の親族に契約者となってもらうことで再度審査が通る可能性があります。
また代理人が審査基準をクリアしていれば、入居者本人の属性は関係なくなります。
連帯保証人を立てる
保証会社を利用したい場合、連帯保証人を立てることで審査に通りやすくなる場合があります。この場合も、契約者と同様に家賃の36倍の年収が必要です。再審査を希望する場合はスピード感を持って対応しなければならないので、もしも保証会社の審査に不安を感じたら事前に連帯保証人を立てられるよう根回ししておきましょう。
保証会社を利用せず借りられる部屋を検討する
件数としてはごくわずかですが、なかには保証会社や保証人を不要としている物件や、連帯保証人を立てるだけで賃貸契約が結べる物件もあります。この場合、事故物件などの特殊な事情が絡んでいることが多いですが、保証会社を利用しない方法もゼロではないため、不動産会社に相談してみると良いでしょう。
また、UR賃貸やマンスリーマンションは保証会社の利用も保証人も用意する必要がありません。
保証会社の審査をスムーズにするためのポイント
保証会社の審査は、入居希望者からの依頼を経てスタートします。当日に結果がわかるものもあれば、1週間ほど時間がかかる場合もありますが、何かしらの不備や不測があれば審査も滞ってしまいます。
何度も手続きに手間を取るのは避けたいもの。そこで、保証会社の審査をスムーズにする2つのポイントをご紹介します。
提出書類に不備がないか確認を重ねる
保証会社の審査にはさまざまな書類を提出する必要があります。身分証明書、収入証明書、通帳のコピー、住民票などを一度に用意しなければならないため、一部でも不備があれば審査が進みません。
また、保証会社によって必要書類が異なる場合もあるため、不備や洩れがないようチェックを重ねましょう。
連絡がつきやすいようにする
保証会社の審査では、書類だけでなく契約者や緊急連絡先・勤務先、連帯保証人へ確認連絡が入ります。なお、社会保険証を提出すれば在籍証明書代わりになるため確認連絡が入りません。
一方、連帯保証人の場合はほぼ100%に近い形で確認連絡が入るため、事前に伝えた上で連絡が付きやすいようにしましょう。また、電話に出ることができない際もすぐに折り返すことをおすすめします。
保証会社によって審査内容に違いあり!審査落ちでも諦めないで
賃貸契約において、保証会社の利用は避けて通れないほど一般化されています。審査と聞けば身構えてしまうかもしれませんが、審査内容は保証会社によって異なるため、万が一落ちたとしても他の保証会社で通る可能性は十分にあります。
いずれにしても不動産会社を通して審査を進める必要があるため、担当者を味方につけるためにも良い対応を心がけましょう。