中古物件をリノベーションして資産価値を向上させよう

不動産投資の観点から物件を購入する場合、後々の売却を考えて「資産価値」を向上させることが大切です。一般的な使用方法では、経年劣化が進み、建物の価値は年々下がっていきます。

そこでおすすめするのが、中古物件のリノベーションです。今回は、中古物件をリノベーションして資産価値を向上させるための知識をご提供します。

リノベーションとは何か

そもそも、あまりリノベーションのイメージがつかない方や、リフォームと区別がつかない方も多いでしょう。リノベーションとリフォームの違いについては、明確に区別されていません。

ただし、「リノベーションの品質基準を定め、優良なリノベーション住宅の理解、普及浸透を推進」している「リノベーション協議会」は、両者の以下のように分類しています。

リフォーム 原状回復のための修繕営繕不具合箇所への部分的な対処
リノベーション

機能、価値の再生のための改修

その家での暮らし全体に対処した包括的な改修

優良なリノベーション 「検査」→「工事」→「報告(開示)」→「保証」→「住宅履歴」の「統一規格」に則り、品質基準に適合したリノベーション

※参照:リノベーション協議会「リノベーションとリフォームの違い」

リフォームとリノベーションは、工事の規模も異なります。比較的小規模なものであればリフォーム、大規模な工事になるとリノベーションと考えましょう。

中古物件をリノベーションするメリット

不動産投資を目的として物件を購入する場合、新築と中古で迷うケースも珍しくありません。とくに、新築物件は価格面がネックになることがあります。

価格面を気にして物件選びをしているのであれば、中古物件を購入しリノベーションするのがおすすめです。こちらでは、中古物件をリノベーションするメリットをご紹介します。

費用を安く抑えられる

中古物件をリノベーションする最大のメリットは、総額の費用負担を新築物件を購入する場合と比べて安価に抑えられる点です。国土交通省が毎年行っている調査でもその傾向は顕著となっています。

平成30年度の調査では、新築の分譲住宅の購入価格が3,933万円、中古物件の購入価格が2,814万円となっています。単純な購入価格では分譲住宅のほうが1,000万円以上高い傾向にあります。物件の購入後に行うリノベーションは、内容にもよるものの1,000万円以上かかるケースは少なく、総額費用は安く抑えられるでしょう。

また、同様の調査では、分譲マンションの購入価格は4,577万円、中古マンションの購入価格は2,819万円と、こちらも2,000万円近い差があることが示されています。潤沢な自己資金を準備できなくても、物件の購入+リノベーションを行うことができるでしょう。

理想の空間を実現できる

誰しも「こんな家に住みたい」「間取りはこんな感じで、ここに窓が欲しい」など、理想とする家のイメージがあるはずです。しかし、すべての条件を満たす家を見つけることは難しく、どこかを妥協して住んでいる方がほとんどです。

中古物件であれば、理想とは異なる気に入らない部分を集中的にリノベーションできます。理想に合致した部分はそのまま、納得のいかない部分はリノベーションすることで、自分の理想の空間を実現できます。

新築を購入した場合、いきなりリノベーションを検討するのは難しいでしょう。高額な購入費用に加えて、リノベーション費用まで用意するのは現実的ではありません。

人気エリアの物件も購入できる

「住みたい街ランキング」に代表されるように、人気エリアとそうでないエリアでは、物件の探しやすさも大きく異なります。とくに、新築の物件は人気が集中する傾向にあるため、人気エリアで探すのは簡単ではありません。

その点、中古物件は敬遠する方も一定数いるため、競争率が新築と比べて低いといえます。人気エリアであっても、中古物件であれば容易に見つけられる可能性もあります。人気の高いエリアで物件を探していて、気に入ったものを見つけられないのであれば、一度中古物件に目を向けてみてもよいかもしれません。その後のリノベーションで、自分の理想の家へと近づけられるはずです。

中古物件をリノベーションするデメリット

中古物件のリノベーションには、さまざまなメリットがある一方、新築にはないデメリットも存在します。こちらでは、中古物件をリノベーションするデメリットをご紹介します。

追加で資金が必要となる可能性がある

中古物件は、築古になればなるほど外からは劣化具合が判断できない可能性があります。見た目はきれいにしていても、内部の木材が腐食していた、シロアリの被害にあっていたなどのケースも考えられます。

この場合、購入資金とは別に、追加で補強工事や修繕工事のための費用が発生します。事前の調査も大切ですが、こういった事態に備えて予算にゆとりを持っておきましょう。

不動産投資に必要なお金については、以下の記事で詳しく解説しています。

瑕疵担保期間が短い

不動産における瑕疵(欠陥)には、見た目で判断できるものだけでなく、柱や梁・土台の腐食、設備の故障などさまざまあります。そして、不動産がもつ瑕疵に対して売主が責任を負う期間を瑕疵担保期間と呼び、新築物件では引き渡し後10年と定められています。

一方、中古物件では契約ごとに瑕疵担保期間が設定され、引き渡し後1~3カ月といった短い期間が設定されるケースも珍しくありません。新築と異なり短い瑕疵担保期間が設定されることが多く、何か問題が生じたときのリスクはあるでしょう。

ただし、売主が個人ではなく不動産会社などの宅地建物取引業者であれば、瑕疵担保期間を最低でも2年以上とするよう法律で定められています。瑕疵担保期間を意識するのであれば、購入先は不動産会社を選んだほうがよいでしょう。

購入から住み始めるまでに時間がかかる

中古物件をリノベーションする場合は、物件の購入後に工事が開始します。工事内容によっては長期間住めないこともあり、建売住宅やリノベーションしない場合と比べて購入から住み始めるまでに時間がかかります。

とくに、不動産投資ローンなどを組んでいる場合、購入後すぐに支払いがスタートします。運用開始までラグがある場合、ローンの支払いのみが必要になることも考えられるため、自己資金に余裕をもっておく必要があるでしょう。

中古物件の購入時に注意するべきポイント

上記のように、中古物件の購入には新築とは異なる注意点がいくつかあります。実際に中古物件を購入する場合は、以下の点に注意するのがおすすめです。

  • 費用の目安を総合的に考えておく

中古物件は、新築にはない費用がかかる可能性があります。リノベーション費用や修繕費などがその代表です。自己資金を用意する際、購入額だけでなく諸費用を計算しておくと、後の資金繰りで困る心配がなくなります。

  • 家の状態確認を入念に行う

物件の購入が完了してから瑕疵が見つかった場合、中古物件は売主に責任を問える期間が短い点は、前述の通りです。そこで、購入前の状態確認を入念に行う必要があるでしょう。場合によっては、専門家による確認、ホームインスペクションを行うことも検討しましょう。

  • 契約内容を確認する

中古物件に限ったことではありませんが、物件を購入する際の契約内容はしっかりと確認しましょう。とくに、中古分の場合は瑕疵担保責任に関する事項は、最優先で確認すべきといえます。

まとめ

不動産投資を目的として物件を購入する場合、新築ではなく中古物件という選択肢もあります。安価で購入でき、リノベーションによって資産価値の向上も期待できるなど、メリットも少なくありません。その分注意すべき点もありますが、信頼できる不動産会社を見つけて物件探しを行いましょう。

管理会社をお探しの場合は、以下の記事を参考にしてください。

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