高齢者の部屋探し、諦めないで!物件選びのポイントとサポート制度

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「年齢を重ねてからの部屋探しは難しい」そう感じて、賃貸物件への引っ越しを諦めている方はいませんか?たしかに、高齢者の部屋探しには、若い世代とは異なるハードルがあると感じられるかもしれません。家主が不安を感じたり、物件の条件に合わなかったりするケースも耳にするでしょう。しかし、諦める必要は全くありません。

この記事では、これから部屋探しをする高齢者の方々や、そのご家族に向けて、物件選びの重要なポイントから、安心して住まいを見つけるための具体的なサポート制度まで、詳しく解説します。誰もが安心して快適な賃貸ライフを送れるよう、希望を叶えるためのヒントをお届けします。

高齢者の部屋探しが難しいと感じられる理由

高齢者の部屋探しは、以下のような要因から「難しい」と感じられることがあります。

  • 家主側の不安
  • 物件の条件とのミスマッチ
  • 保証人が確保しづらい

これらの理由を理解することで、適切な対策を立て、スムーズな部屋探しにつなげられるでしょう。

まず、家主側の不安について。高齢者が入居する際、家主は孤独死のリスクや、賃料の滞納、保証人の確保といった点に不安を感じることがあります。特に、賃貸物件は入居者と家主の信頼関係で成り立っているため、この不安要素が契約に影響を与えることがあります。

次に、物件の条件とのミスマッチについて。一般の賃貸物件は、バリアフリー対応が不十分な場合が多く、段差が多い、手すりがない、浴室が使いにくいなど、高齢者の生活に不便な点が見受けられることがあります。また、エレベーターがない物件の場合、上階への移動が困難になることも、選択肢を狭める要因となるでしょう。

さらに、保証人の確保も課題の一つです。身寄りがない、あるいは親族に保証人を頼みにくいといった場合、連帯保証人を立てることが難しいケースもあります。こうした場合、家主側は契約に二の足を踏んでしまうことがあるのです。これらの課題があるからこそ、適切な知識と準備を持って部屋探しに臨むことが重要になります。

【関連記事】賃貸住宅供給促進法(住宅セーフティネット制度)とは一体何?利用対象や利用方法をご紹介

高齢者でも安心!物件選びの重要なポイント

高齢者の方が安心して快適に暮らすためには、部屋選びの際にいくつかの重要なポイントを押さえることが大切です。一般的な物件探しとは異なる視点から、ご自身のライフスタイルに合った住まいを見つけましょう。

安全性・バリアフリーを重視する

何よりも優先すべきは、住まいの安全性です。室内の段差が少ないフラットな床や、浴室・トイレに手すりが設置されているかを確認しましょう。ドアは引き戸の方が開閉しやすく、車椅子を使用する場合にもスムーズな移動が可能です。また、コンロは火を使わないIHクッキングヒーターだと、火災の心配が軽減されます。

廊下や階段の照明が明るいか、緊急時の連絡手段が確保されているかといった点も重要です。見落としがちなのが、ベランダの手すりの高さや、窓の開閉のしやすさです。実際に室内を歩き、生活動線をイメージしながら安全性を確認してみましょう。

生活利便性と周辺環境をチェックする

日々の生活を快適に送るためには、物件周辺の環境が非常に重要です。スーパーマーケットやコンビニエンスストア、病院や薬局が近くにあるかを確認しましょう。公共交通機関の駅やバス停までの距離、そしてその道のりに坂道や段差が多くないかも大切なポイントです。

散歩ができる公園や、地域住民との交流ができるコミュニティスペースが近くにあると、孤独感を解消し、健康的な生活を送るきっかけにもなります。内見の際には、物件周辺を実際に歩いてみて、ご自身の足で確認することをおすすめします。

管理体制とサポート体制を確認する

高齢者が安心して暮らすためには、物件の管理体制や入居後のサポート体制も重要な要素です。

管理会社がしっかりしているかどうかは、万が一トラブルが起こった際に迅速に対応してもらえるかどうかに直結します。夜間や休日の緊急連絡先が明確になっているか、定期的な建物のメンテナンスが行われているかなどを確認しましょう。

また、物件によっては、高齢者向けの緊急通報システムが導入されていたり、生活サポートサービスを提供していたりする場合があります。こうしたサービスがあるかどうかも、物件選びの際の判断材料となるでしょう。

部屋探しを諦めない!高齢者向けのサポート制度と賃貸の選択

高齢者の部屋探しを支援するための制度や、利用できる賃貸の選択肢は増えています。これらの情報を知ることで、部屋探しの選択肢が広がるはずです。

公的・民間による保証人制度を活用する

保証人を見つけるのが難しい場合でも、諦める必要はありません。

家賃債務保証会社を利用すれば、保証人なしで契約できる物件が多くあります。これは、家賃債務保証会社が連帯保証人の代わりとなり、万が一の家賃滞納時に家主へ保証金を支払ってくれる制度です。保証会社を利用するための審査はありますが、親族に負担をかけずに部屋探しを進められるメリットがあります。

また、地方公共団体によっては、高齢者向けの家賃債務保証制度や、居住支援法人によるサポートが提供されている場合があります。これらの制度は、高齢者の住まい探しを積極的に支援してくれるため、お住まいの自治体の窓口や、不動産会社に相談してみるのが良いでしょう。

高齢者向け住宅の選択肢を知る

一般の賃貸物件だけでなく、高齢者向けの特性を持った住宅も選択肢に入れることができます。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、バリアフリー構造で安否確認や生活相談サービスが提供される賃貸住宅です。自立した生活ができる方から、介護が必要な方まで幅広く対応しています。

また、高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)という制度もあります。これは、高齢者の入居を拒まない賃貸住宅として登録された物件で、情報提供が行われています。通常の賃貸物件と近い感覚で住めるため、選択肢の一つとして検討する価値があります。

【関連記事】公営住宅の申込み方法と入居条件とは?公営住宅以外の選択肢についても解説

不動産会社との連携と相談

高齢者の部屋探しに特化した不動産会社や、高齢者向けの物件を多く扱っている不動産会社に相談するのも有効な手段です。彼らは高齢者向けの物件情報だけでなく、利用できるサポート制度や、家主との交渉のノウハウも持っています。

ご自身の希望や状況を正直に伝え、安心して相談できる不動産会社を見つけることが、成功への近道となるでしょう。単に物件を紹介してもらうだけでなく、長期的な視点で住まいのアドバイスをもらうつもりで、良いパートナーを見つけましょう。

希望を叶える住まい探し、一歩踏み出そう

高齢者の部屋探しは、たしかに課題がないわけではありません。しかし、物件選びのポイントを押さえ、利用できるサポート制度を積極的に活用することで、希望の住まいを見つけることは十分に可能です。

安全性や利便性を重視した物件選び、家賃債務保証制度や高齢者向け住宅の活用、そして信頼できる不動産会社との連携。これらのステップを踏むことで、高齢者の方々も安心して賃貸ライフを送ることができるでしょう。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

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