家賃が安い物件の理由がやばい?借りる前に知っておきたい注意点とは
物件を探していると、相場よりも極端に安い賃貸物件を目にする機会があるでしょう。好条件に見える物件の家賃が2万円、3万円と極端に安いと「怪しい」と感じる人もいるかもしれません。もちろん、家賃が安い物件すべてが悪い物件とは言い切れません。しかし、契約する前に注意しておきたい点がいくつかあるのも事実です。そこで今回は、家賃が安い物件の理由や注意点についてご紹介します。
家賃1万円台も!家賃が極端に安い理由とは
条件が良いにも関わらず相場より家賃が安い物件には、物件そのものの設備や周辺環境などになにかしらの理由があります。入居後、思わぬトラブルに遭わないためにも、家賃が安い理由について知っておきましょう。まずは、家賃が割安な物件によく見られる「安さの理由」を解説します。
建物自体が古い
物件の築年数が古いと借り手がつきにくくなるため、家賃を下げて入居者を募集しているケースがあります。築年数が古いと、物件の耐久性(耐震性や設備の質)も低いです。特に、1981年以前に建てられた物件は現行の新耐震基準を満たしていないため、耐震工事が入っていない限り不安も拭えないでしょう。
設備面では、水道が出づらかったり水洗トイレではなかったり、扉の建付けが悪かったりとさまざまなデメリットが考えられます。また、断熱性が悪く備え付けの設備(エアコンなど)が古いことから、快適性も損なわれます。家賃は安くても、結果的に光熱費が高くなり出費がかさむ可能性があるでしょう。
間取りが特殊
一般的な間取りではなく、三角形のような形をしていたり、変なところに柱が合ったりするような物件は人気がなく、家賃が安くなりやすいです。内見時には問題を感じなくても、入居した際には家具が配置しづらかったり、居住スペースが狭くストレスに感じたりすることもあります。持ち込む荷物や家具が少ない人、インテリアにこだわりがない人にはおすすめできますが、そうでない場合はおすすめできません。
居室が極端に狭い
居室が極端に狭い物件も、家賃が安くなる傾向にあります。たとえば、居室が6畳以下であったり、お風呂やトイレが他の入居者と共同になっていたり、洗濯機置場がないこともあります。外出が多く、寝るだけに帰宅するような人にはおすすめです。
洗濯機置場が室外にある
洗濯機置場が室外にある物件は、防犯性が低く劣化も早くなります。特に、1階に洗濯機置場があるような物件なら、盗難やイタズラに遭う可能性もあるでしょう。また、屋根がなく洗濯機が野ざらしになっている状態だと、洗濯機自体も故障しやすくなります。なにより、洗濯機を使用するたびに外にでなければならない手間もマイナスポイントです。
冷蔵庫置き場が居室にある
冷蔵庫置場がキッチンではなく居室にある物件も、人気が出づらく家賃が安くなる傾向にあります。たとえ居室が広くても、冷蔵庫のモーター音が部屋中に響いたり、庫内のニオイが部屋全体に広がったりすることもあります。調理の際も、食材を取りにいくためにキッチンと居室を往復しなければならないのは不便でしょう。
原状回復工事の質が低い
家賃が安い物件は、どこかで予算を削っている可能性もあります。たとえば、退去後の原状回復工事やハウスクリーニング。清掃業者に依頼せず、大家さんが個人的に掃除をして費用を抑えている可能性があります。また、壁紙を張り替えなかったりエアコンなどの設備を取り替えなかったりと、低予算で賃貸経営をしている物件は要注意。クオリティが低い物件は、それだけ快適性も低いです。
セキュリティが弱い
オートロックやモニター付きインターホン、防犯カメラなどの防犯設備がない物件も家賃が安くなる傾向にあります。特に、一人暮らしの女性や小さなお子さんがいる家庭にとっては、セキュリティの高い物件がおすすめです。家賃が安い物件に防犯設備がきちんとあるか、しっかり確認しておきましょう。
日当たりが悪く低層階
マンションの高層階は、日当たりがよく通気性が良くなるため、上の階になるほど家賃が高くなる傾向にあります。反面、低層階の物件は日当たりや通気性が悪く、外からの騒音も気になる場合があるでしょう。こうした物件は、家賃が割安になるケースがあります。仕事や学校で日中に在宅しないのであれば日当たりを気にする必要がありませんが、ライフスタイルに合わせて検討したいポイントです。
線路や高速道路がすぐそばにある
物件のそばに線路や高速道路があると、電車や車が走行する音、振動が部屋まで響き、生活に支障をきたす場合があります。日中は気にしなくても、就寝中に建物が揺れるとゆっくり眠ることもできないでしょう。最悪の場合、甚大なストレスや健康被害に繋がる可能性もあるため、振動や騒音を気にしない人以外の入居はおすすめできません。
周辺環境に問題がある
物件自体に何の欠陥がなくても、周辺環境を理由に家賃が安くなるケースがあります。たとえば、物件の近くに墓地や歓楽街、反社会的組織の施設があるなどです。間取り図や物件資料だけで知ることはできないため、周辺地図を確認したり、内見の際は物件の周辺を歩いて確認すると良いでしょう。
取り壊し予定がある
すでに取り壊し予定がある物件は、相場よりも家賃を下げて入居者を募集していることがあります。なかには定期借家契約として、期間限定で貸し出しているケースもあるでしょう。取り壊しが決まっている以上、住み続けることはできません。契約期間を確認しなければ予期せぬ引っ越しを迫られる場合もあるため、必ず確認するようにしましょう。
いわゆる事故物件
物件情報に「告知事項あり」と記載されている物件は事故物件の可能性が高いです。事故物件は、周辺相場よりも3割以上家賃が安く設定されている場合があるため、条件が良いのに極端に家賃が安い物件を見つけた際には、告知事項の有無を確認しましょう。事故の種類はさまざまですが、室内で人が亡くなる事故が起きた際には心理的な嫌悪感を抱くこともあります。亡くなった時の状況によって値下がりの金額に幅があるため、少しでも不安に感じるなら選ばないほうが無難です。
取替えできない設備がある
ドアの鍵や湯沸かし器のような設備は、故障しても取り替えることができます。一方、エアコンの室外機が屋根の上にあるようなケースは修理も高額で、取り替えることができず故障したまま放置されていることがあります。こうした物件をそのまま賃貸に出す際は、家賃を下げて募集しているケースがあるので注意が必要です。設備に不備がないか、必ず確認しましょう。
大家さんが厳しい
物件や周辺環境に難がなくても、生活態度に厳しい大家さんがいる場合は入居者が決まりにくく、結果的に家賃が下がることがあります。特に、物件と大家さんの自宅が同じ建物内にある場合は、距離の近さから口出しされる可能性も高いでしょう。もしも同じ建物に大家さんの自宅がある物件を選ぶなら、大家さんのタイプについて不動産会社に確認しておくと良いでしょう。
家賃が安い理由には時期的な都合も
ここまでは家賃が安い物件のマイナスポイントについて紹介しましたが、安いからと言ってすべての物件に欠陥があるわけではありません。特に、引っ越し需要の減る4〜6月、10〜11月の閑散期は入居希望者が少なくなるため、たとえ人気物件であっても空室である以上家賃を下げて入居者を募ることがあります。閑散期を狙えばお得に部屋を借りられる可能性もあるため、このタイミングで部屋を探すのもおすすめです。
家賃が安い事故物件に住む注意点とは
事故物件とわかっていても安い物件に住みたい人もいるでしょう。しかし、いくら家賃が安くても更新時には家賃の値上げ交渉がされるケースもあります。もっとも、事故物件のメリットは家賃が安いことであり、そのメリットが失われるようであれば引っ越しも検討すべきでしょう。家賃を据え置いたまま住み続けたい場合には、契約段階で大家さんに相談し、賃貸契約書に更新後も同じ家賃で貸す旨を記載してもらうなどの対策が必要です。
家賃が安い物件を探すなら理由を確認しよう
家賃が安い物件にはなにかしらの理由があります。人によっては、入居後にストレスを感じてしまうこともあるでしょう。まずは安さの理由をきちんと確認し、デメリットを理解した上で入居するかを判断してみてください。