賃貸解約の手続き完全ガイド!スムーズな退去に向けて
「賃貸住宅の契約期間が満了した」「引っ越しが決まった」など、賃貸物件の解約を検討する理由はさまざまです。しかし、解約の手続きは複雑で、何から手をつければいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、賃貸解約の手続きの流れや注意点について、さらにくわしく解説します。特に、スムーズに解約手続きを進めたい人、トラブルを避けたい人は必見です。
賃貸解約の基本的な流れと注意したいポイント

賃貸解約の手続きは、大きく分けて以下の5つのステップで進みます。
①解約予告:大家さんまたは管理会社に、解約する意思を伝える
②解約申請:解約通知書を提出する
③退去準備:引っ越しや部屋の片付けを行う
④立ち会い検査:大家さんまたは管理会社と一緒に、部屋の状態を確認する
⑤敷金精算:敷金の返還と、必要に応じて追加費用を支払う
それぞれのステップについて、さらに詳しく見ていきましょう。
1. 解約予告
まずは、大家さんまたは管理会社に解約する意思を伝えましょう。賃貸契約書には、解約予告期間が定められています。 一般的には、1ヶ月前までに通知する必要があります。しかし、契約内容によっては2ヶ月前、3ヶ月前といった場合もあるので、必ず契約書を確認しましょう。
解約予告の方法
解約予告の方法は、賃貸契約書に記載されています。電話、郵送、メールなど、様々な方法がありますが、書面で通知するのが確実です。口頭での通知は、言った言わないの水掛け論になる可能性があります。書面で通知することで、解約予告をした事実を客観的に証明することができます。
また、解約日は契約期間満了日である必要はありませんが、解約日以降も家賃が発生する場合がありますので、注意が必要です。
解約予告の際の注意点
解約予告期間を守りましょう。期間が過ぎると、違約金が発生する場合があります。また、解約理由を明確に伝えましょう。転勤、実家に戻る、契約期間満了のため……など、些細なことかもしれませんが、スムーズに解約するために必要なことでもあります。
さらに、解約予告をした証拠を残しておくと安心です。配達証明付き郵便は、郵便局に支払うことで、相手に配達されたことを証明してくれるサービスです。解約通知書を送った記録と、相手に届いた記録を残すことができます。
2. 解約申請
解約予告後、正式に解約申請を行います。解約通知書または退去届と呼ばれる書類を、大家さんまたは管理会社に提出します。
解約通知書の入手方法
解約通知書は、大家さんまたは管理会社から渡されるのが一般的ですが、ホームページからダウンロードできる場合もあります。もし、解約通知書が見当たらない場合は、大家さんまたは管理会社に問い合わせて、送ってもらうようにしましょう。
解約通知書の書き方
解約通知書には、以下の項目を記入します。
- 契約者の氏名
- 契約物件の住所
- 解約希望日
- 解約理由
- 連絡先
解約申請の際の注意点
解約通知書の提出期限を守りましょう。また、必要書類が揃っているか確認することも大切です。大家さんや管理会社によっては、本人確認書類の提出を求められる場合があります。さらに、控えを取るなど解約申請をした証拠を残しておくと安心です。
3. 退去準備
解約申請後、退去に向けて準備を始めましょう。
引っ越し準備
引っ越し業者を決めましょう。複数の業者に見積もりを依頼し、料金やサービスを比較すると便利です。引っ越し業者が決まったら、希望日時に予約が取れるか確認しましょう。
引っ越し業者が決まり、引っ越し日が近づいてきたら、荷物をまとめます。種類別に分けて、段ボールに詰めておくと取り出すときに便利です。引っ越し当日に使うものは、まとめておきましょう。
そして、荷物をまとめると同時に住所変更手続きを行いましょう。転居届は、役所に提出します。郵便物の転送手続きは、郵便局で行えますが、オンラインでも手続き可能です。
部屋の片付け
掃除機をかけ、水回りを磨き、換気をして部屋全体をきれいにしましょう。備え付けの家具や家電製品は、取扱説明書を確認し、正しい方法で清掃するのがポイントです。
不要な家具や家電製品も、適宜処分しましょう。粗大ゴミは、自治体のルールに従って処分し、リサイクルできるものは、リサイクル業者に依頼します。引っ越し作業はゴミがたくさん出ますが、分別方法が分からない場合は、大家さんや管理会社に確認しましょう。
退去準備の際の注意点
粗大ゴミの処分は、早めに手配しましょう。部屋の修理やクリーニングが必要な場合は、大家さんまたは管理会社に相談すると安心です。
退去日までに、部屋の荷物をすべて運び出しましょう。
4. 立ち会い検査
退去日当日、大家さんまたは管理会社と一緒に部屋の状態を確認する立ち会い検査を行います。
立ち会い検査の内容
壁紙の剥がれ、床の傷、水漏れなど、部屋の損傷箇所を確認します。エアコン、照明器具、カーテンなど、部屋の備品が揃っているか確認するのも忘れずに。最後に、予備の鍵も含めて、すべての鍵を返却しましょう。
立ち会い検査の際の注意点
立ち会い検査には、必ず参加しましょう。部屋の損傷箇所は、写真に撮っておくとのちのトラブル発展を防ぐことができます。疑問点は、その場で大家さんまたは管理会社に確認し、修繕費用の負担割合についても明確にしておきましょう。
5. 敷金精算
立ち会い検査後、敷金の精算が行われます。
敷金精算の流れ
①大家さんまたは管理会社から、敷金精算書が送られてきます。
②敷金精算書の内容を確認し、納得できない場合は、大家さんまたは管理会社に連絡します。
③敷金が返還される、または追加費用を支払います。
敷金精算の際の注意点
原状回復とは、部屋を借りた時の状態に戻すことです。敷金は、原状回復費用に充当されます。しかし、経年劣化による損傷は、借主の負担ではありません。故意に部屋を損傷させた場合は、追加費用を支払う必要があるので要注意です。
また、敷金精算書は、大切に保管しておきましょう。
賃貸解約でトラブルが起きてしまったら?

賃貸解約は、基本的に契約に基づいて行われますが、予期せぬトラブルが発生することもあります。最後に、賃貸解約にまつわるトラブルとその対処法について解説します。
1. 契約内容の相違
「契約書に記載されていた内容と違う」「口頭で聞いていた内容と違う」といったトラブルが起こることがあります。
まずは契約書を再度確認し、契約内容を把握しましょう。口頭での約束は、言った言わないの水掛け論になりやすいので、書面で確認することが重要です。もし、契約内容に疑問がある場合は、大家さんや管理会社に問い合わせ、確認を取りましょう。
2. 解約予告期間のトラブル
「解約予告期間が過ぎてしまった」「解約予告をしたのに、大家さんが認めない」といったトラブルが起こることがあります。
解約予告期間は、契約書に明記されています。まずは契約書を確認し、解約予告期間を守りましょう。もし、解約予告期間が過ぎてしまった場合は、大家さんや管理会社に相談し、対応を決めましょう。また、解約予告をした証拠(配達証明付き郵便など)を残しておくことが大切です。
3. 原状回復費用のトラブル
「原状回復費用が高すぎる」「どこまでが原状回復費用として認められるのか分からない」といったトラブルが起こることがあります。
原状回復費用は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で定められています。ガイドラインを参考に、原状回復費用の範囲を確認しましょう。もし、原状回復費用に納得できない場合は、大家さんや管理会社に交渉し、それでも解決できなければ弁護士などの第三者に入ってもらうのも一つの方法です。
4. 敷金精算のトラブル
「敷金が返ってこない」「敷金精算書の内容に納得できない」といったトラブルが起こることがあります。
敷金は、原状回復費用に充当されます。しかし、経年劣化による損傷は、借主の負担ではありません。敷金精算書の内容を確認し、納得できない場合は、大家さんや管理会社に交渉しましょう。
5. 退去時の立ち会い検査のトラブル
「立ち会い検査の日程が合わない」「立ち会い検査で、不当な請求をされた」といったトラブルが起こることがあります。
立ち会い検査は、必ず参加しましょう。もし、日程が合わない場合は、大家さんや管理会社に相談し、調整してもらってください。また、立ち会い検査で不当な請求をされた場合は、その場で抗議し、納得できるまで話し合いましょう。
まとめ
賃貸解約の手続きは、複雑で面倒に感じるかもしれません。ですが、一つずつステップを踏んでいけば、スムーズに進めることができます。これから賃貸物件の退去を予定している人は、この記事を参考に計画的に解約準備を進めましょう。