家賃の安い時期はいつ?値下げ交渉しやすいベストタイミング
初期費用に引っ越し費用、家具家電を買い揃える費用など、引っ越しにはなにかとお金がかかります。できるだけ安く、納得できる賃貸物件を見つけるにはタイミングを図って部屋探しする方法もおすすめです。そこで今回は、家賃が安い時期や値下げ交渉しやすいタイミングについてご紹介します。
家賃の安い時期は存在する?時期によって変わる理由
結論、時期によって家賃が安くなることはあります。賃貸物件のオーナー(大家さん)は、入居者が支払う家賃を収入源としています。しかし、入居者がいない空室状態だと、当然家賃収入はありません。
賃貸市場は、引っ越しシーズンに伴う繁忙期が存在します。入居希望者が増える時期なので、あえて家賃を安くする必要はありません。しかし、引っ越しシーズンを終えた閑散期はどうでしょう。入居者が決まらず空室が増える時期は、大家さんにとっても大きな痛手です。そこで、空室を避けるために家賃を引き下げるケースがあるのです。
家賃が安い時期&交渉しやすい時期とは?
家賃が安い時期とは、ずばり賃貸市場の閑散期のことです。もともとの家賃を引き下げて募集するケースもありますが、交渉次第でもともとの家賃が安くなるケースもあります。賃貸市場の閑散期に関する時期は、おもに2つあります。
賃貸市場の閑散期は4月中旬〜8月
引っ越しラッシュが落ち着くのは、進学や就職、転勤など人の動きがある程度落ち着いた4月中旬から8月までとされています。特に、GWを終えた5月中旬から8月上旬は賃貸物件を探す人が少なくなるため、入居者の決まらない物件の家賃が値下げされることも多いです。6月の梅雨時期も、引っ越しには不向きなので家賃交渉のチャンスと言えるでしょう。
オンシーズン直前の11〜12月上旬も狙い目
閑散期を終えた9月・10月は、人事異動で第二の引っ越しシーズンを迎えます。この時期が落ち着く11月から12月上旬も引っ越す人が少なくなるため、家賃が値下げされるチャンスです。ただ、秋の繁忙期から年明けの繁忙期までの期間が短いため、もともとの家賃が安いわけではありません。据え置きで募集している可能性もあるため、少しでも安く抑えたいなら家賃交渉に臨みましょう。
家賃が安い時期に部屋探しするメリット
引っ越しが落ち着いた時期に部屋探しをするメリットは、家賃が安いだけでなく初期費用や引っ越し費用が抑えられたり、余裕を持って部屋探しができたりとさまざまです。
時間をかけて部屋探しできる
繁忙期の場合、短い期間で部屋探しをしなければならない人も多くなります。基本的に物件は早い者順なので、良いと思った物件を見つけても他の入居希望者がすでに申し込む、というケースも多いです。
一方、閑散期は物件自体の動きが少ないので焦って部屋探しする必要がありません。理想の部屋が見つかるまで粘ることもできますし、1日に何軒もはしごして内見することもできます。
礼金なしの物件が増える
家賃が安くなるだけでなく、礼金なしの物件が増えるのも閑散期のメリットです。入居者が見つからない物件に対し、大家さんの判断で条件を緩和させることがあります。
仲介手数料や敷金とは違い、礼金は入居者が大家さんへ支払うものです。不動産会社から見れば礼金不要でも損することはないため、入居者・大家さんともにWin-Winと言えます。
家賃だけでなく初期費用の交渉もしやすい
閑散期は、家賃や礼金のように初期費用の値下げ交渉がしやすいです。空室状態が続くと大家さんの収入が途絶えるだけでなく、維持費や管理費の負担も必要になります。不動産会社にとっても、成約時の報酬(仲介手数料)が得られなければ売上に繋がらないため、初期費用の値下げ交渉に応じやすくなるのです。
引っ越し費用が抑えられる
不動産業界に閑散期があるように、引っ越し業者にも閑散期があります。引越し業者は、荷物の量や距離だけではなく時期によって料金を変動しているところがほとんどです。SUUMOによると、繁忙期である2〜4月の引っ越し費用の相場は単身(荷物小)で全平均56,438円ですが、5月〜翌1月の引っ越し費用の相場は同条件で全平均46,109円であり、その差10,000円以上も開きがあります。不動産業界と引っ越し業界の閑散期を狙えば、家賃だけでなく引越し費用も抑えられます。
なかでももっとも引っ越し費用が安くなるのは、梅雨が関係する6月です。梅雨時期は引っ越す人が少なく、祝日もありません。スケジュール調整がし辛い時期なので、引っ越し費用を安く設定している業者も多いのです。
家賃が安い時期に部屋探しするデメリット
一方、家賃が安い時期に部屋探しするには思わぬデメリットも存在します。賃貸市場の繁忙期に実施されるキャンペーンの恩恵が受けられない、そもそも物件の選択肢が狭いなどがおもなマイナス要素です。
物件の選択肢が多くない
閑散期に空室になっている物件は、入居者が決まりやすい繁忙期に入居者が決まらなかった、つまり不人気な物件ばかりと言えます。たとえば、築年数が古かったり駅から遠かったり、3点ユニットバスであったりとマイナス要素の強い物件が多いです。仮に条件が良い物件に空室が出ていても、何らかの訳あり物件(心理的瑕疵や隣人トラブル)である可能性もあります。
たくさんの物件を見比べたくても、閑散期は物件の選択肢が狭いです。こだわりを持って部屋探ししたい人には不向きと言えます。
退去費用がかさみがち
メリットでも紹介しましたが、閑散期は初期費用を引き下げた物件も出回ります。敷金・礼金のかからない“ゼロゼロ物件”が出回るのもこの時期です。一見、初期費用が抑えられるのでお得に感じられますが、敷金のない物件は退去費用の預け先がないため、将来的に退去する際は多額の修繕費が請求されるケースもあります。
閑散期で初期費用の安い物件に住めても、退去時に追加請求される可能性が高いので、契約時によく確認しましょう。
キャンペーン対象外になることも
賃貸市場の繁忙期は、不動産会社同士で顧客を取り合うため独自のキャンペーンを展開することが多いです。新生活応援キャンペーンと称して家具家電を安く買えたり、フリーレントがついたり、商品券などをプレゼントしたりとキャンペーン内容はさまざまで、契約した人にとってメリットになります。
一方、閑散期はキャンペーンを実施しない不動産会社も多いです。家賃が安い時期とはいえ、キャンペーンを利用したい人にとっては不満の残る契約となるでしょう。
家賃の安い時期に引っ越すなら1ヶ月半前から部屋探しを
家賃が安い時期を狙うなら、引っ越し予定日を決めたうえ部屋探しをするとよりスムーズです。ベストは引っ越し予定日の「1ヶ月半前」。早すぎても入居日まで物件をキープすることはできませんし、家賃を余分に支払うことにもなります。
希望物件があれば、空室期間などを伺ったうえで値下げ交渉のタイミングを見計らいましょう。特に希望物件が決まっていなければ、引っ越し予定日と予算を伝えた上で不動産会社を利用することをおすすめします。
家賃が安い時期を狙って引っ越すのもあり
進学や就職、転勤に伴う引っ越しシーズンを除けば、家賃が安い時期に突入します。ただし、閑散期の空室物件は何かしらのマイナス要素を抱えている可能性も高いので、内見や契約の際に不便に感じる点がないか必ず確認しましょう。メリット、デメリットを理解した上で部屋探しをすれば、きっと満足度の高い物件に出会えるかもしれません。