軽量?重量?賃貸物件の構造について

不動産屋やインターネットを使って物件を探していると、賃貸物件の「構造」に目が留まるという方も多いのではないでしょうか。「木造」や「軽量鉄骨」「重量鉄骨」などは有名ですが、家の構造は他にも種類があります。今回は、賃貸物件の構造についてご紹介し、物件を探す際の豆知識をご提供します。

 

木造軸組住宅

日本のもっとも伝統的な建築法で作られた物件を「木造軸組住宅」と呼びます。この工法を木造軸組工法や在来工法といいます。

戦前の建築法は、筋交いと呼ばれる斜めの材料を入れることもなく、太い材木を大量に使用して頑丈な家を作っていたのです。しかし、戦後の貧しい日本では、太い材木を大量に用意するのが難しかったため、太い材木を使わずに頑丈な家を作る工法が誕生しました。それが木造軸組工法です。具体的には、柱や梁と呼ばれる部分を金物を使って接続し、強度不足を補うようにしました。

木造軸組住宅は、間取りの制限を受けにくいのが特徴です。法律上も、2階建てまでであれば、複雑な計算をすることなく設計が可能です。そのため、2階建てのアパートに多い構造となっています。

また、木造軸組住宅は間取りの変更を伴うリフォームも比較的容易なため、「リフォーム済み」とされている物件もこの工法が採用しているケースが多いです。

 

鉄骨系住宅

構造体に鉄を使用している住宅を「鉄骨系住宅」と呼びます。鉄骨系住宅の最大の特徴は、木造住宅と比べて耐震性に優れ、防錆処理によって劣化しにくくなる転移あります。白アリ問題もほとんど発生しません。

近年は鉄骨系住宅が人気を集めており、昭和53年には約8割を占めていた木造住宅が徐々に低下し、非木造住宅の割合は昭和53年の18.3%から平成20年の41.1%へと上昇しています。地震大国として知られる日本では、鉄骨系住宅のほうが安心と考えている方が多いのかもしれません。

軽量鉄骨と重量鉄骨

鉄骨系住宅について、「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」という言葉を聞いたことがあるでしょう。両者は、使用される鋼材の厚みによって分類されています。鋼材の厚みが6ミリ以上のものを「重量鉄骨」、6ミリ以下のものを「軽量鉄骨」と呼びます。一般的な物件はほとんどが軽量鉄骨で造られています。両者の特徴を下記にまとめておくので、ぜひ確認してみてください。

【重量鉄骨の特徴】

  • 強度が高い
  • 間取りの自由度が高い
  • コストが高い
  • 耐用年数は34年

【軽量鉄骨の特徴】

  • 低コストで建築できる
  • 品質が安定している
  • 耐用年数は19~27年

メリットとデメリット

鉄骨系住宅のメリットとデメリットについても、下記でご紹介します。

【鉄骨系住宅のメリット】

  • 設計時にコンピューターを使用した構造計算が必要で、地震に強い
  • 木材と比べて耐久性が高い
  • 大きな間取りの住宅を造りやすい

【鉄骨系住宅のデメリット】

  • 木造と比べてコストが高い
  • 木造と比べて重量があるため、土地によっては地盤強化が必要

2×4住宅

2×4(ツーバイフォー)とは、厚さ2インチ、幅4インチの木材を指し、2×4材と合板を使って造られた家を2×4住宅と呼びます。従来の木造軸組住宅が柱と梁で組み立てる家なのに対して、2×4住宅は家を面ごとに分解しそれぞれの面を組み合わせて造りあげます。

2×4住宅の最大の特徴は、耐震性や耐風性などの外的要因に強い点でしょう。在来工法とは異なり面で構成されているため、揺れや風などの外的要因の影響を受けにくくなります。在来工法でも耐震性や耐風性の確保は可能ですが、その分設計のコストがかかります。

また、比較的工期が短く済むことからも、近年は2×4住宅が増えています。在来工法は大工や職人の手作業の割が多く、どうしても工期が長くなってしまいます。その点、2×4住宅ではシステム化が進んでおり、分業によって効率よく作業を行うことができます。

 

木質系住宅

木質系住宅とは、在来工法を基本にして壁パネルを組み合わせるタイプと、パネル自体を構造体にしたものがあります。後者は木質パネル工法と呼ばれ、近年人気を集めています。

木質パネル工法のメリットは以下の3つです。

  • 品質が比較的安定している
  • 施工のばらつきが少ない
  • 工期が短くて済む

木質パネル工法で使用されるパネルは、工場で生産したものを使用します。ある程度規格化されたものを工場で作り、しかも最新コンピューターを使用して作るため、品質が比較的安定します。1本1本木材を採寸して切りだすのに比べると同じ品質のものを作りやすいのです。

木質パネル工法で使用されるパネルには、あらかじめ断熱材や下地材・電気配線などが組み込まれています。現場でこれらを組み合わせる必要がなくなるため、職人の施工レベルによってばらつきが出るなどの心配が少なくなります。

また、現場で行う作業が少ないということは、当然工期も短くなります。一般的には、在来工法が6か月程度施工期間が必要なのに対して、木質パネル工法では2~4か月程度必要です。

 

コンクリート系住宅

おしゃれな物件の代表格といえば、コンクリート系住宅を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。デザイナーズマンションや一軒家に多いイメージでしょう。

デザイナーズマンションのメリットは以下の4つです。

  • デザイン性が高い
  • 空間を広く取ることができる
  • 防音性能が高い
  • 耐火性能が高い

木造や鉄骨系の住宅とは異なり、コンクリートは形を自在飼えることができます。なだらかな曲線や急角度のついた壁など、コンクリート構造でなければできないデザインも少なくありません。そのため、コンクリート系住宅には、「この家でしか見られない」デザインを施すことが可能です。ありきたりなアパートやマンションではなく、独特なデザインの家を探しているなら、コンクリート系住宅がおすすめです。

キッチンまで続く広々としたリビングや、外と中をつなぐ壁一面の窓など、通常の家では見られない広い空間を確保できるのもコンクリート系住宅の特徴です。在来工法であれば、屋根を支えるために柱を設置しなければなりませんが、コンクリート系住宅はコンクリートの壁面で建物全体を支える構造となっているため、柱を設置する必要がなく、広い空間を実現できます。間仕切りの少ない家を探している場合もコンクリート系住宅が良いでしょう。

最後は防音・耐火性能が高い点です。コンクリート系住宅では、空気や物質の振動が伝わりにくいため、外部の音が聞こえにくくなるだけでなく、内部の音が外部に漏れる可能性も少なくなります。自宅で楽器の演奏をしたいと考えている方や、育ち盛りのお子さんがいるご家庭などはコンクリート系住宅が良いかもしれません。また、コンクリート自体が不燃性の素材であるため、耐火性にも優れています。これは、外で火事が起こった際も安心という意味でもありますし、万が一自宅で火災が起こった際も、延焼しにくいということにもつながります。

 

まとめ

賃貸物件を選ぶ際、物件の構造は重要な視点のひとつです。なかには「木造の家は危険!鉄骨系の家じゃないと住まない!」とはじめから決めてしまっている方もいます。ただ、それはもったいないかもしれません。

現代の建築法は、過去のものからブラッシュアップされており、より安心して住めるよう工夫されています。そのため、「木造だから危険!鉄骨は安心!」や「コンクリートじゃないと住まない」ではなく、築年数など他の要素も含めて検討することが大切です。

 

 

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