水漏れ・騒音・設備の故障で困った!よくある入居後のトラブルと賢い対処法

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新しい生活が始まり、理想の部屋で心弾む毎日を送っていたはずが、予期せぬトラブルに直面することも起こり得ます。水漏れ、騒音、設備の故障など、慣れない環境での問題は不安になりがちですが、適切な知識と対処法を知っていれば、冷静に対応し、スムーズな解決へと導くことができます。

今回のコラムでは、賃貸物件でよくある入居後のトラブル事例と、それぞれの効果的な対処法について詳しくご紹介。いざという時に困らないよう、ぜひ参考にしてください。

【水回りのトラブル】水漏れと排水詰まり

水回りのトラブルは、日常生活に大きな影響を与えるだけでなく、放置すると大きな損害につながる可能性もあるため、特に注意が必要です。

水漏れを発見したらまず「止める」

【ポイント】

  • 元栓を閉めて水の供給を止める
  • 状況を写真や動画で記録する
  • すぐに管理会社や大家さんへ連絡する
  • 火災保険の特約を確認する

蛇口を閉めても水が止まらない、シンクの下や壁から水が染み出している、天井から水滴が落ちてくるなど、水漏れはさまざまな形で発生します。こうした状況に気づいたら、まずは元栓を閉めて水の供給を止めることが何よりも大切です。

マンションやアパートの場合、部屋の玄関近くやベランダに水道メーターボックスがあり、そこに元栓が設置されていることが多いので確認してみましょう。これにより、被害の拡大を防ぐことができます。

応急処置が終わったら、水漏れの場所、濡れている範囲、物の被害状況などを詳しく確認し、写真や動画で記録しておきましょう。これは、後々の修理依頼や保険請求の際に重要な証拠となります。

そして、すぐに管理会社または大家さんに連絡し、水漏れの状況と応急処置の内容を伝えましょう。夜間や休日の場合は、緊急連絡先があるか確認し、そちらに連絡してください。

もし水漏れの原因が自身の過失(蛇口の閉め忘れなど)によるもので、階下への被害が発生した場合は、個人賠償責任保険で対応できる可能性があります。加入している火災保険に特約として付帯していることが多いので、保険会社にも連絡して確認しましょう。

決して自己判断で修理業者を手配せず、管理会社や大家さんの指示を仰ぐことが大切です。

【関連記事】賃貸物件で雨漏り発生!対処法や補償、注意点とは?

排水詰まりは自分でできることと業者依頼の判断が重要

【ポイント】

  • まずは市販品の洗剤やラバーカップでセルフ対処
  • それでも改善しない場合は管理会社や大家さんへ
  • 入居者の故意や過失は修理費用が自己負担になることも

シンクや風呂、洗面台の排水の流れが悪い、異臭がするなど、排水の詰まりはストレスが溜まるものです。軽度な詰まりであれば、市販のパイプクリーナーを使用したり、ラバーカップ(スッポン)を使ったりして、自分で解決できる場合があります。ただし、熱湯は配管を傷める可能性があるので避けましょう。

症状が改善しない場合は、無理に自分で解決しようとすると、かえって事態を悪化させることもあります。排水管の奥で詰まっている、または構造上の問題がある場合は、すぐに管理会社または大家さんに連絡し、専門業者を手配してもらいましょう。多くの場合、通常の生活における詰まりであれば貸主負担で修理してもらえますが、異物を流したなど入居者の故意・過失による場合は、修理費用が自己負担となることもあります。

【騒音トラブル】我慢せず冷静に対応を

【ポイント】

  • 騒音被害は状況を記録し、客観的な証拠を集める
  • 直接苦情を言いに行くのではなく、管理会社や大家さんに相談する
  • 相談しても解決しない場合は、自治体の相談窓口や弁護士への相談を検討する
  • 自身の生活音にも日頃から配慮する

賃貸物件で最もよくあるトラブルの一つが騒音問題です。隣室の生活音、上下階の足音、深夜の話し声など、騒音の原因はさまざまです。

このような状況に直面したら、まずはいつ、どのような音が、どれくらいの時間続いたのかを具体的に記録しておきましょう。可能であれば、録音機能のあるスマートフォンで音を記録しておくのも有効です。感情的にならず、客観的な証拠を集めることが重要です。

騒音の相手に直接苦情を言いに行くのは、トラブルがエスカレートする可能性があるため、絶対にNG。必ず管理会社や大家さんに相談し、仲介してもらいましょう。管理会社から注意喚起の張り紙をしたり、当事者に直接連絡を取ってくれたりすることがほとんどです。

もし管理会社や大家さんを通しても状況が改善しない場合は、自治体の相談窓口や弁護士に相談することも検討できますが、まずは冷静に、段階を踏んで対処することが大切です。

また、騒音問題は、自分が被害者になることもあれば、加害者になってしまうこともあります。深夜の洗濯や入浴、大きな声での会話、集合住宅での楽器演奏やペットの鳴き声など、自身の生活音にも日頃から配慮するよう心がけましょう。防音マットを敷く、家具の配置を工夫するなど、できる対策もあります。

【設備故障】放置せずにすぐ連絡を

【ポイント】

  • 状況を確認して管理会社や大家さんへ連絡する
  • 故意に破損・故障させた場合は修理費用が自己負担になることも

エアコンが効かない、給湯器からお湯が出ない、換気扇が動かないなど、生活に欠かせない設備の故障も困りものです。

故障に気づいたら、まずは、故障している設備について、どのような状態なのか、いつからなのかを詳しく確認しましょう。ブレーカーが落ちていないか、リモコンの電池切れではないかなど、自分で簡単に確認できることは試してみてください。

状況が確認できたら、すぐに管理会社または大家さんに連絡しましょう。設備の所有者は貸主(大家さん側)であるため、修理や交換の手配は基本的に貸主が行います。勝手に業者を手配したり、自分で修理を試みたりすると、費用が自己負担になったり、かえって状況を悪化させたりする可能性があるので注意が必要です。

費用負担については、通常の生活における経年劣化や自然故障であれば、修理費用は貸主負担となることがほとんどですっています。しかし、入居者の不注意や故意による破損、または適切な使用方法を守らなかったことによる故障の場合は、修理費用が自己負担となることがあります。

たとえば、エアコンのフィルター掃除を怠って故障した場合などがこれに当たります。入居時の契約書に、設備に関する責任分担が明記されていることが多いので、確認しておくと良いでしょう。

【害虫問題】早期発見と初期対応が肝心

【ポイント】

  • 日頃から清潔な環境を保ち、食べかすなどを放置しない
  • 自分で対処しても改善しない場合、大規模発生の場合は管理会社や大家さんへ相談

ゴキブリ、ダニ、ネズミなどの害虫発生は、精神的なストレスだけでなく、衛生面の問題も引き起こします。

このような場合、どこから侵入しているのか、何が原因で発生しているのかを特定することが重要です。清潔な環境を保ち、食べかすなどを放置しないことが基本中の基本です。市販の殺虫剤や忌避剤を試してみるのも良いでしょう。

自分で対処しても改善しない場合や、大規模な発生が疑われる場合は、管理会社または大家さんに相談しましょう。集合住宅の場合、他の部屋にも影響が出ている可能性もあるため、専門業者による駆除が必要になることがあります。共用部分からの侵入や、建物の構造上の問題が原因の場合は、貸主側で対応してくれるケースもあります。

ただし、入居者の不注意によるゴミの放置や清掃不足が原因で害虫が発生した場合は、駆除費用が自己負担となることもあります。入居前からすでに発生していた、あるいは建物の構造上の問題である場合は、貸主側の責任で対応してくれることが期待できます。

【関連記事】賃貸物件の害虫対策と駆除費用の負担とは?入居時の害虫駆除費用は断れる?

冷静な判断と早めの相談が解決の鍵

賃貸物件でのトラブルは、いつ、どのような形で発生するか分かりません。しかし、大切なのは、問題が発生した際に感情的にならず、冷静に状況を把握し、適切な手順で対処することです。

そして何よりも、「困ったらすぐに管理会社や大家さんに相談する」という意識を持つことが重要です。彼らは物件の専門家であり、入居者のトラブル解決のサポートをしてくれる存在です。適切なタイミングで相談し、連携を取ることで、トラブルの解決を目指しましょう。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

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