アパート経営に失敗する6つの理由
「アパート経営」と聞くと難しそうな印象を受けますが、長年の研究によりある程度手法が確立しているため、失敗のパターンもいくつかに絞ることができます。
今回は、アパート経営に失敗する理由とそれを避ける秘訣をご紹介します。
アパート経営に失敗する6つの理由
前述の通り、アパート経営に失敗するケースにはいくつかのパターンが考えられます。事前にそれらを理解しておくことで失敗を未然に防ぎ、アパート経営で成功に導くことができます。
こちらでは、アパート経営に失敗する6つの理由をご紹介します。アパート経営に関するリスクは、以下の記事でも紹介していますので、不動産投資を始める際はご覧ください。
長期的な空室
不動産投資において、所有している物件の空室はもっとも基本的なリスクです。空室期間をゼロにすることは難しいため、限りなく抑えるための方法や、空室の状況で入居希望者にどうアプローチするか考えておく必要があります。
空室が発生している間は、家賃収入が得られません。それにもかかわらず、物件の維持費は発生し続けるため、必然的に赤字を積み重ねることになります。
そのため、長期間の空室が続くとキャッシュフローが悪化し、不動産を手放さなければならない自体に発展します。
とくに、アパートの場合は2~4年前後で入居者が入れ替わりやすく、築年数が古くなるごとに入居率が低下する傾向にあります。
金利の上昇
不動産投資ローンを組む場合は、多くが変動金利型を利用します。そのため、金利が上昇すると利息の支払額が増大し、最終的な返済額も増えてしまいます。
しかし、家賃収入の金額が増えるわけではないため、キャッシュフローが悪化しアパート経営が破綻するケースもあります。
とくに、アベノミクスなどの影響により現在は超低金利時代となっており、今後の金利の上昇が予測されています。
不動産投資ローンの金利については、こちらの記事も解説しています。
想定外の出費
マンション経営と異なり、アパート経営ではアパートを一棟所有することになるため、10年や20年といった期間が経過すると多額の修繕費用が必要になります。
アパート経営はこの費用も積み立てたうえで行う必要があるのですが、その見通しが甘いと資金を準備できず、自らの預貯金などを使用して修繕することになります。
アパート経営に関する出費は、毎月の賃料収入から賄うのが基本です。預貯金から持ち出すのは、キャッシュフローを悪化させ、アパート経営を失敗に導いてしまいます。
その他の想定外の出費については、こちらの記事で解説しています。
入居者の家賃滞納
入居者の家賃滞納も、オーナーの資金繰りを悪化させるひとつの要因です。
前述の通り、建物の修繕費用や金利上昇への備えは、毎月得られる家賃収入の数%を積み立てて行うのが基本です。
家賃収入が得られないとなると、自らの資金を使用するしかありません。それが続けばアパート経営は立ち行かなくなるでしょう。
入居者の家賃滞納について、物件のオーナーは法律上非常に弱い立場に置かれています。詳細はこちらの記事をご覧ください。
予定より低い利回り
アパートを購入する際、必ず注目するのが利回りでしょう。利回りの高さを基準にして物件を選ぶ方もいるかもしれません。
ただ、最初に提示された利回り通りに経営が行えるケースはまれです。
というのも、不動産会社が提示している利回りは「表面利回り」や「想定利回り」と呼ばれるものであり、必ずしも実態を表しているとはいえないためです。
アパート経営を成功に導くためには、あまり利回りを重視し過ぎず、参考程度に考えておくのが良いでしょう。
利回りについてはこちらの記事でも解説しています。
自主管理
経費削減のために、アパートの管理を自ら行う(自主管理)方もいますが、基本的には失敗のリスクが高まります。
経営自体は不可能ではありませんが、家賃滞納や将来の修繕など、あらゆる事例に素早く的確に対応するためには、やはり管理会社のノウハウや経験が欠かせません。
トラブル解決までに時間がかかるとなれば、入居率の低下にもつながるでしょう。
アパートの管理は、ある程度費用をかけても管理会社に任せるのが無難です。
アパート経営の失敗に備える秘訣
アパート経営の失敗事例は、上記に当てはまるケースがほとんどです。それでは、どうやって失敗に備えたら良いのでしょうか。
空室対策
まず、空室対策として入居者にとって魅力的なアパートをつくり上げることが大切です。多くの入居者が住み続けたいと思うのはどのようなアパートでしょうか。
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ザっと上げるだけでも、このような条件が思いつくはずです。空室対策を行うのであれば、上記の点を考慮して入居者が住みたいと思うアパートにしましょう。
空室対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。
金利上昇への備え
金利上昇への備えとしては、「イールドギャップ」という指標を用いるのが効果的です。
イールドギャップとは、物件の利回りから資金調達にかかる金利を引いたもので、イールドギャップが高いほど投資利益率(ROI)が高くなります。
たとえば、500万円で物件を購入し年間の家賃収入が50万円だとすると、利回りは10%です。
資金を金利3%で借りたとすると、利回りの10%から金利3%を引いた7%がイールドギャップとなります。
ランニングコストの考え方
建物の老朽化により必ず発生する修繕費用(=ランニングコスト)は、将来的なキャッシュフローに影響する重要な経費です。
ランニングコストについては、ふたつの考え方が成り立ちます。
初めて不動産投資を行う方や本業が忙しい方は、修繕費用が最低限で済む新築物件を選ぶ
新築アパートの場合、初期費用が少し高くなるものの、中古物件と比較してその後の修繕費用などが安く抑えられます。
アパート経営初心者や本業が忙しい方にはおすすめです。
将来発生する修繕費用をあらかじめ積み立てておく
修繕費用は、最終的にどの程度必要になるか予測が難しいものです。そのため、家賃収入から毎月3~5%程度積み立ておくのが一般的です。
新築物件や中古物件にかかわらず、修繕費用の積み立ては必ず行いましょう。
まとめ
アパート経営の失敗は、いくつかのケースに絞られており、一つひとつに丁寧に対応すれば安定した経営を続けられます。
今回の情報を参考に、アパート経営を始めてみてはいかがでしょうか。