不動産投資を始める前の資産形成の必要性|自分年金とは何か

不動産投資を行うためには、ある程度の資金が必要です。そのため、不動産投資を行う場合は、同時に資産形成についても考える必要があります。そこで注目を集めているのが、「自分年金」という考え方です。今回は、資産形成のひとつの手段として自分年金についてご紹介します。

 

自分年金とは何か

そもそも、自分年金という言葉にあまり聞き馴染みのない方も多いのではないでしょうか。自分年金とは、預金や株式や債券、投資信託、保険などの金融商品を利用して、老後の生活に自ら備えることを指します。国民が全員加入している公的年金ではなく、自分で老後を見据えたお金を準備することと覚えましょう。

今まで老後の生活を支えていたのは、公的年金や企業年金でした。ただ、「老後2,000万円」などの問題が発覚し、「これらの年金制度だけでは老後の資金が足りないのでは?」と考える方が増加した結果、自分年金に対する注目が高まっています。現役世代にとっては、公的年金や企業年金だけでなく、自分年金に関する知識も必要不可欠といえるでしょう。

なぜ自分年金が必要なのか

自分年金の必要性が高まったのは、「老後2,000万円問題」や「年金の投資失敗」などの社会問題を通じて、公的年金や企業年金などの従来の年金制度では老後の生活費をまかなえないかもしれない状況になっているためです。

今まで私たちのセカンドライフを経済的な面で支えてきたのは、主に公的年金や企業年金でした。しかし、少子高齢化によって年金受給者が増え、働く世代が減ることで今まで通りの制度運用が難しくなっています。

もちろん、政府もさまざまな対策を講じていますが、自分自身で老後に備える自分年金について早い段階で学ぶ必要があるでしょう。

日本の年金構造

日本の年金構造は、よく2階建てや3階建てと表現されます。1階部分は、20歳以上60歳未満のすべての方に加入が義務付けられている国民年金です。これに加えて、会社員は厚生年金に、公務員などは職域に応じて共済年金にも加入することになっています。これが2階部分です。これらの公的年金制度の上に企業年金制度をもつ企業も存在します。これが3階部分の構造です。

ただ、近年は企業年金の継続が危ぶまれるニュースが流れるなど、老後資金への不安が高まっています。そのため、新たに4階部分を自分年金を通して作る必要があります。

 

iDeCo(確定拠出型年金)について

ここからは、多くの方が利用している自分年金の種類についてご紹介します。まずは、近年注目を集めているiDeCo(確定拠出型年金)についてです。

iDeCoとは何か?

iDeCoとは、加入者自身が拠出した掛金を、自分で選んだ金融商品で運用する年金です。60歳以降に受け取れる給付額は、掛金と運用益の合計額をもとに算出されます。つまり、うまく投資を行えた方ほど、将来受け取れる給付金が増える仕組みです。

運用商品にはさまざまなものがあり、元本確保型と元本変動型があります。元本確保型には、定期預金や保険商品が含まれ、元本変動型の代表例は投資信託です。元本確保型は年金の給付時に元本保証があるというメリットがあるものの、金利が低く資産を増やすには向いていません。元本変動型はうまく運用することで資産を増やすこともできますが、元本割れのリスクがあります。どちらを選択するかは、慎重に検討する必要があるでしょう。

掛金は月額5,000円以上で、1,000円単位で増額が可能です。上限は職種や条件に応じて変化するため、下記の表を参考にしてください。拠出金額の変更は手続きをすればいつでもできるものの、年に1回までという制限があります。

公務員月12,000円まで
会社員(企業年金制度あり)月12,000円または20,000円まで
会社員(企業年金制度なし)月23,000円まで
専業主婦(夫)月23,000円まで
自営業月68,000円まで

受給開始年齢(原則60歳以降)に達してから給付請求を行うと、「老齢給付金」の名目で掛金と運用収益の合計額を受け取れます。毎月一定額を分割で受け取る方法、一時金として一括で受け取る方法、両方を組み合わせて受け取る方法から選択可能です。

加入対象者は限定される?

上記で紹介したように、iDeCoは職種や立場によって掛金の上限が変化します。自営業者がもっとも高い掛金を設定できることからもわかる通り、iDeCoはこれまで自営業者や一部の会社員に加入者が限られていました。

ただ、平成29年1月の制度改正によって、公的年金制度に加入している20歳以上60歳未満のすべての方が原則加入できるようになりました。ただし、企業型の確定拠出年金に加入している場合は、勤務先がiDeCoへの加入を認めている場合のみ加入できます。

 

個人年金保険について

個人年金保険は、契約時に設定した年齢まで保険料を積み立て、その後年金を受け取れる貯蓄型の保険を指します。自分年金の一種として注目を集めています。

個人年金保険は、各保険会社がさまざまなタイプの商品を提供しています。代表的なものには以下の4つがあります。

  • 終身年金

被保険者が亡くなるまで年金を受け取れるタイプです。長期にわたって保険金を受け取れる可能性がある一方、支払う保険料は他のタイプと比べて高額になる傾向があります。

  • 確定年金

確定年金は、被保険者の生死に関係なく、契約時に確定した一定期間年金を受け取れるタイプの個人保険です。期間内であれば、被保険者の遺族も受け取れるため、遺族年金の一種として使われることもあるようです。安定感があり、元本割れも起こらない点が大きな魅力です。

  • 変額年金

将来の給付額が確定しておらず、納めた保険料の運用実績によって受け取れる年金額が増減するタイプを変額年金と呼びます。契約者自身が運用所品を選びますが、運用に失敗した際のリスクも自ら背負う必要があります。

  • 外貨建て年金

米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨を活用して運営する個人年金保険を外貨建て年金と呼びます。為替の変動によって受け取れる年金額が変わるため、変額年金よりもハイリスクハイリターンといえるでしょう。海外の経済状況や為替相場のチェックなど、ある程度の知識が必要な点も確認しておきましょう。

 

iDeCoと個人年金保険の違いについて

iDeCoと個人年金保険は、ここまで見てきたように全く異なる性質を持ちます。まず、iDeCoが金融機関が提供する年金制度であるのに対して、個人年金保険を提供しているのは各保険会社です。

また、個人年金保険には保険機能が付帯している点も異なります。変額年金は自分で保険料を運用するため、iDeCoに近い性質を持ちますが、死亡給付金に最低保証額が設定されているなどiDeCoと異なる特徴も持ち合わせています。

ただ、税制の側面から見ると、iDeCoのほうがメリットは大きい傾向にあります。iDeCoは掛金全額が所得控除の対象となりますが、個人年金保険は条件を満たした場合のみ一部の所得控除が受けられるのみです。また、受取時に税制の優遇が適用されるのもiDeCoだけとなっています。節税などを目的として自分年金を検討しているのであれば、まずはiDeCoの検討から始めてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

不動産投資を行う場合でも、老後の生活の安心を確保する場合でも、国にすべてを任せるのではなく自ら行動することが大切です。具体的な施策のひとつが自分年金であり、さまざまな商品や制度が活用できます。これを機会に自分年金について考えてみましょう。

この記事が気に入ったらシェアしよう!

コメントを残す


関連する記事