賃貸物件でペットと暮らすために知っておきたいこと【1人暮らし向けの注意点】

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新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えたことから、ここ数年ペットブームが続いています。特に、コミュニケーション不足に陥りがちな一人暮らしの人にもペットへの関心は高いです。

とはいえ、集合住宅かつ一人暮らしでペットを飼うにはさまざまな注意点が必要となります。契約上の条件を踏まえ、一人暮らしでペットを飼育する際の注意点をご紹介します。

最低限必要なのは?一人暮らしでペットを飼う条件

一人暮らしである・ないにかかわらず、ペットを飼う上で最低限必要な条件は「ペットに適した飼育環境を用意すること」そして「飼育に責任を持つこと」の二つです。

特に賃貸ではペット可物件の数も限られており、契約違反によるトラブルは絶対に避けなくてはなりません。加えて、ペットの飼育は時間と手間がかかるため、最後まで責任を持って飼育することを前提に検討しましょう。

ペット可物件であること

賃貸物件でペットを飼うのは、飼育が許可された物件でなければなりません。インターネットで物件探しをする際は「ペット飼育可」を条件に検索をしましょう。ただし、ペット可物件でも飼育できるペットの種類や数に制限があることも多いです。直接問い合わせて確認するのが確実でしょう。

また、引っ越す予定がなく今の自宅でペットを飼う場合、大家さんや不動産管理会社に直接確認する必要があります。また、入居時の契約書にペット飼育ができるか確認することもおすすめです。

責任を持って飼育できること

一人暮らしの場合、自身のライフスタイルや収入でペットが飼えるか十分に検討しなくてはなりません。ペットは人間と同じように突然体調を崩すこともあるため、栄養管理の知識を身につけたり、必要に応じて動物病院に連れて行ったりしなければならないこともあります。

一人暮らしの場合、これらの世話をすべて一人で行う必要があるため、さまざまなシーンを想定して準備する必要があります。

一つじゃない?一人暮らしのペット可物件選び

ひとくちに「ペット可物件」と言っても、大きく分けて3つの種類に分けられます。ペットにとって最適な飼育環境を用意すること、そして一人暮らしをする飼い主にとっても暮らしやすい物件を選ぶためにも、3種類の物件それぞれの特徴をご紹介します。

ペット可物件

ペット可物件は、一般的な物件の条件を「ペット可」に緩めたケースであり、ペットと共生することを想定して建てられたものではありません。具体的には、築年数が経過したなどで空室状態が続いた場合にペット可物件になることがあります。

ペット可物件は本来ペット共生型として作られたものではないため、足洗い場やドッグランなどの専用設備がありません。加えて、ペットを飼育していない人も入居していることが多いため、足音や鳴き声で騒音トラブルに発展する可能性もあります。

とはいえ、入居自体は条件をクリアさえしていれば問題ないことも多いです。防音対策や汚れ対策で、入退去時のトラブルを防ぎましょう。

ペット相談物件

条件さえクリアしていれば入居できるペット可物件やペット共生型物件とは違い「ペットの飼育を希望する人は相談してほしい」というスタンスの物件が、ペット相談物件です。ペット入居については、都度大家さんが個別に判断します。

本来、ペットを飼うと壁や床に傷がつき物件自体が傷みやすくなるため、大家さんは歓迎しません。しかし、ペットを受け入れるべきか迷っている大家さんも多く、ペットの種類や入居者の属性から判断して入居を許可することがあります。

具体的に、ペット相談物件には「小型犬OK」でも「猫NG」というケースが多いです。ペット可物件と同じく、ペットを飼育していない入居者もいるので注意しましょう。

ペット共生型物件

ペットとの共生を前提に建築された物件が、ペット共生型物件です。壁や床に傷がつきにくい資材を使用していたり、ドッグランや足洗い場を併設していたりと、ペットにとって最適な飼育環境が整っています。また、飼い主にとっても飼育上ストレスを感じにくい仕様になっています。

一方で、ペット可物件やペット相談物件に比べると賃料が高く設定されていることが多いです。

犬猫以外は不可?ペット可物件の契約・審査のポイント

賃貸物件の契約では、不動産会社や大家さんが入居希望者に対し審査を行います。ペット可物件(相談物件、共生型物件含む)の場合、通常の審査に加えて必要書類や条件が追加されることも多く、初期費用や家賃も相場より高くなりがちです。ここで、ペット可物件に関する具体的な契約内容や審査、初期費用や家賃に関するポイントを紹介します。

契約で飼育できるペットが指定されていることが多い

ペット可物件の多くは、飼育できるペットの種類や大きさが決められています。現実、そのほとんどが「犬(小型犬)」や「猫」です。ペット飼育ができる物件でも、多頭飼いや犬・猫以外のペットを飼うなど契約以外で飼育すると、発覚時に強制退去となる可能性があるため注意しましょう。

鳥・爬虫類・ハムスター・昆虫類を飼育したい場合

一人暮らしの場合、犬や猫に比べ飼育が容易な鳥や爬虫類、ハムスター、昆虫類をペットにしたい人も多いでしょう。当然、ケージや鳥かごなどで飼育できるペットであっても、大家さんに無許可で飼えるわけではありません。たとえば、ハムスターは夜行性なので、夜のホイール遊びが騒音トラブルのもとになることも考えられます。

とはいえ、逆に犬や猫は禁止でも、鳥やハムスターなどの小動物は飼育OKという物件もあります。

もしも、犬や猫以外にペットにしたい動物がいれば、大家さんや不動産会社に相談しましょう。飼育状況を伝えることで許可が出る可能性もあります。

ペット面接や書類の提出が必要なケースもある

入居申し込みの際、物件によってはペットを連れての面接が求められることがあります。無駄吠えの有無やワクチンの接種状況などが細かくチェックされることもあるため、きちんと応えられるよう事前対策しておくことがおすすめです。

また、ペット面接がなくても写真の提出やワクチンの接種証明等、書類の提出を求められることも珍しくありません。場合によっては狂犬病予防注射の証明書を毎年提出しなくてはならないこともあります。

初期費用や家賃が高くなるケースもある

ペット可物件やペット相談物件の場合、退去時の原状回復に費用がかかりやすいことから、通常の物件よりも初期費用(敷金)や家賃が高くなることがあります。たとえば敷金の場合、通常の敷金に家賃1ヵ月分がプラスされるケースがよく見られます。

なかには初期費用が安いペット可物件もありますが、退去時の原状回復を実費(クリーニング代などの名目)で請求されることも珍しくありません。ペット可物件で初期費用を抑えるなら、初期費用の分割ができる物件や退去時請求の物件を探しましょう。

無断で飼育したらどうなる?

ペット飼育不可の物件でペットを飼っている、またペット可物件でも条件に当てはまらないペットを飼っている場合は、規約違反により強制退去や罰金などのペナルティが発生する可能性があります。

退去の場合、通常は1ヶ月前までに入居者に通知する義務があります。しかし、入居者が無断でペットを飼育していた場合は別です。ある日突然、強制退去の通知が届くこともあるでしょう。

また、室内の状況にかかわらず修繕費用やクリーニング費用を請求されることもあります。規約違反とわかっていながらペットを飼うことは、それだけリスクが伴うことを理解しましょう。

長期不在はどうする?一人暮らしでペットを飼う注意点

一人暮らしでペットを飼うには、不測の事態でもすべて一人で対処する必要があります。自分以外にペットのお世話ができる人がいないからこそ、お世話できない状況にどう対処するのかあらかじめ検討する必要があるのです。最後に、一人暮らしでペットを飼う際の注意点についてポイントを絞ってご紹介します。

飼育費用を確保する

ペットの飼育には、エサ代やペットシーツ代、光熱費など毎月一定の費用が発生します。このほかにも、備品や去勢・避妊手術にかかる費用、ワクチン代や医療費などの飼育費用も必要です。一人暮らしの場合、金銭的な余裕がないとペットの飼育は困難でしょう。

長期不在の預け先を確保する

一人暮らしは、自分以外にペットの世話をする人がいません。出張や旅行などで自宅を長期不在にする場合は、家族や友人、ペットホテルなどの預け先を確保する必要があります。

一方、ペットの種類によっては急な環境の変化でストレスを感じ、体調に変化をきたすケースも珍しくありません。これからペットを飼育する人で、自宅を不在にすることが多いなら、ストレス耐性のあるペットを選ぶと良いでしょう。

散歩などの時間を確保する

ペットの世話は手間がかかりやすく、時間もとられがちです。特に、犬を飼う場合は1日2回の散歩が望ましいケースもありますし、散歩が不必要でもペットシーツや砂の交換、清掃などの手間も頻繁に発生します。一人暮らしでも、散歩や掃除にかける時間はしっかり確保しましょう。

防音対策やしつけで近隣トラブルを防ぐ

いくらペット飼育が許可されている物件でも、集合住宅における騒音トラブルに配慮する必要があります。エントランスや通路などの共用部分でマナーを守ること、無駄吠えさせないこと、室内に防音マットを敷くなど、防音対策やしつけ次第でトラブルを防ぐことはできます。

一人暮らしでしつけの時間が取れない、うまくできないなどの場合は、プロに任せてしつけをしてもらうのも一つの方法です。

傷や汚れ対策をする

犬や猫など、室内を自由に動き回るペットを飼育しているなら傷や汚れ、においが発生しやすいです。退去時に高額な原状回復費用が発生しないためにも、保護シートを貼ったりマットを敷いたりなどして対策しておきましょう。

一人暮らしでペットを飼うなら契約条件や注意点を確認しよう

物件選びや飼育環境の整備ができれば、一人暮らしでもペットを飼うことが可能です。ペットと暮らすことで、日常生活がより楽しくなる、癒されるといったメリットが得られます。一方で、物件によって契約に縛りのあるケースも多いため、トラブルを防ぐためにも契約条件を確認し、周辺住民へ配慮の上ペットライフを楽しみましょう。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

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