アパートの残置物とは?入居時に確認しておくべきポイント

アパートの入居時にはさまざまな点に注意する必要があります。「残置物」の対処もそのひとつ。対処の仕方を間違えると、原状回復や損害賠償を請求される可能性があります。

今回は、アパートの残置物に関する基本的な知識や対処方法、トラブルを防ぐための注意点などについて解説します。これからアパートへの引越しを予定している場合は、ぜひこちらを参考にしてください。

アパートの残置物に関する基礎知識

そもそも、アパートの残置物と言われても、あまり聞き馴染みがないという方も多いでしょう。ここでは、残置物に関する基本的な知識や設備との違いなどを解説します。

残置物とは?

残置物とは、アパートやマンションなどの賃貸物件における、「前の借主が残していった私物」を指します。残置物は特定のアイテムに限定されず、家具や家電などさまざまなアイテムが残置物に該当します。よく見られるのは、エアコンや冷蔵庫、照明、ガスコンロ、給湯器などです。

設備との違い

残置物の説明を聞くと、「備え付けられている設備とは違うの?」と感じる方も多いでしょう。ただ、両者には大きな違いがあります。設備はあくまでアパートやマンションの「付帯設備」であり、賃貸借契約によって貸主が借主へ「使用を許可した」物を指します。

一方、残置物は建物の付帯設備ではなく、入居後は借主の所有物とみなされます。そのため、一般的な設備が故障した場合は貸主に修繕義務等が発生しますが、残置物の場合はその義務が発生しません。故障や不具合が発生した場合は、借主が責任をもって対処する必要があるのです。

なお、部屋に設置された物が残置物の場合は、賃貸借契約書や重要事項説明書に明記するよう義務付けられています。そのため、残置物と設備を勘違いすることはありません。どちらかわからない場合は、上記書類を確認しましょう。具体的には、以下の4点が明記されています。

  • 当該設置物が残置物かどうか
  • 貸主が残置物の性能について一切の責任を負わないこと
  • 残置物が故障した場合に貸主は修理や交換等の対処を行わないこと
  • 退去時には借主が残置物を移動・撤去し、原状回復した上で明け渡すこと

端的に言ってしまえば、「無償で使用できる代わりに、修理等は自分で行ってね」ということです。残置物のある物件を選ぶ場合は、上記事項に関する確認が必須です。

退去時に残置物を置いていって良いの?

残置物について理解した上で、「そもそも退去時に残置物を置いていっても良いの?」という疑問をもった方もいるでしょう。こちらについては、基本的にNGです。賃貸物件の借主には、退去時に原状回復義務が発生します。こちらは、「部屋を入居前の状態に戻す義務」のことであり、残置物を置いて退去するのは基本的に許されません。

ただし、大家さんが許可した場合は話が変わってきます。物件の所有者である大家さんがOKを出せば、残置物を残すことが可能です。エアコンなど有益性の高いアイテムは、場合によっては許可されることもあります。

原状回復義務については、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。

アパート引越し後に残置物を発見した場合の対処方法

アパートに引越した後、残置物を発見したらどのように対処すれば良いのでしょうか。対処方法を間違えると、トラブルに発展する可能性があるため、注意が必要です。

まずは大家さんや管理会社に連絡をする

アパートで残置物を発見したら、まずは大家さんや管理会社に連絡するのが基本です。そもそも、発見した物が残置物なのか設備なのかは、ひと目では判断できません。そのため、どちらかわからないものを見つけた場合は、大家さんや管理会社に連絡して、処分しても大丈夫か確認するのが良いでしょう。

勝手に処分するのはNG

発見したアイテムが自分にとって必要ない物であった場合、できる限り早く処分したいと考えることでしょう。しかし、大家さんや管理会社の許可なしに処分するのは基本的にNGです。賃貸借契約時に大家さんから説明がなかった残置物については、大家さんや管理会社が気づいていない可能性があります。それにもかかわらず、無断で処分してしまうと、後々トラブルに発展するケースもあるのです。

また、勝手に使用し、破損や故障が発生した場合、損害賠償や修繕費用を請求される可能性があります。本来の残置物であれば、故障した場合に入居者が自由に処分することができますが、無断で使用した場合は修繕を求められる可能性があるのです。

アパートの残置物に関するよくあるトラブル

アパートの残置物について、よくあるのが「エアコン」のトラブルです。設備だと思っていたエアコンが、実は残置物だったというケースです。一般的にはアパートのエアコンは設備ですが、まれに前の入居者が購入した残置物である場合もあります。内見に訪れた際などに確認しておくのが良いでしょう。

また、残置物として設置されているエアコンは、型式が古い可能性もあります。古い製品を使用していると、電気代が高くなるケースもあるため、交換するのがおすすめです。交換する際は、事前に大家さんに確認しましょう。

アパートの退去時に残置物を残さないために

今度は、借主であった自分が退去する場合を考えてみましょう。前述の通り、基本的には許可なくして残置物を残してはいけません。そこで、ここでは残置物を残さないための方法を2つご紹介します。

自治体のサービスを利用しよう

まずは、自治体の粗大ゴミ回収サービスなどを利用する方法です。家電リサイクル法の対象製品以外であれば、手数料のみで大型の家具や家電を引き取ってくれるサービスです。引越しをする際に大量の不用品が発生した場合でも、安心して処理することができます。

ただし、自治体のサービスは基本的に土日受付しておらず、あらかじめ予約していないと受けられないものが多い傾向にあります。引越し直前になって動き出しても間に合わない可能性があるため、事前に日程などを調整しておく必要があります。

不用品回収業者に依頼する

自治体では処理できないアイテムがある場合は、不用品回収業者に任せる方法が良いでしょう。あくまで利用価値のある物に限られますが、幅広い製品の回収を行っています。急に引越しが決まり、時間がない場合でもすぐに依頼できるのがメリットです。ただし、処分費用を不当に高く設定している業者もいるため、時間がない中でも複数の業者を比較検討することは大切です。

まとめ

横浜や東京で賃貸物件をお探しの場合は、ネクストライフまでお問い合わせください。お客様のご希望を伺い、理想の物件をご提案いたします。

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