定期借家契約と普通借家契約の違いを徹底比較!賢い住まい選びのために

最終更新日 :

賃貸物件を探していると「定期借家契約」と「普通借家契約」という言葉を目にすることがあるでしょう。どちらも賃貸借契約の一種ですが、契約期間や更新の有無など、さまざまな点で異なります。これらの違いを理解せずに契約してしまうと、後々トラブルに発展する可能性も。そこで今回は、定期借家契約と普通借家契約の違いを徹底的に比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。この記事を読むことで、ご自身にとって最適な契約形態を見つけやすくなるとともに、賢い住まい選びができるようになるでしょう。

定期借家契約と普通借家契約の基本的な違い

まず、定期借家契約と普通借家契約の基本的な違いを確認しておきましょう。

項目定期借家契約普通借家契約
契約期間定められた期間で契約終了原則として契約更新が可能
更新更新不可(再契約は可能)借主が希望すれば更新可能
途中解約原則として不可借主からの中途解約は可能
家賃相場より安い傾向相場並み
契約の柔軟性柔軟性が高い柔軟性が低い

このように、両者は契約期間や更新の有無において、大きく異なります。

定期借家契約とは?

定期借家契約とは、契約で定められた期間が満了すると、更新することなく契約が終了する賃貸借契約です。2000年3月に施行された「定期建物賃貸借」によって導入されました。

契約期間は自由に設定でき、1年未満の短期契約も可能です。ただし、契約期間が1年以上の場合、契約満了の1年前から6ヶ月前までの間に、貸主は借主に対して契約が終了することを通知する義務があります。

また、更新はありませんが、貸主と借主の双方が合意すれば、再契約は可能です。

定期借家契約のメリット・デメリット

定期借家契約には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 家賃が安い傾向
  • 契約期間の自由度が高い
  • 物件の選択肢が広がる

まず、定期借家契約の物件は普通借家契約よりも家賃が安く設定されているのが一般的です。短期契約が可能なので、転勤や建て替えなど、入居者の都合で短期的に住みたい場合に便利でしょう。なかには、普通借家契約では借りられないような、特殊な物件(好立地な物件や一戸建てなど)も借りられる可能性があります。

デメリット

  • 契約更新ができない
  • 中途解約が難しい
  • 将来設計が立てにくい

定期借家契約の大きなデメリットは、契約期間の満了で必ず退去しなければならないという点です。また、原則として借主からの中途解約は認められないため、不都合に感じる場面もあるでしょう。なにより、長期的に住むことが前提ではないため、将来設計が立てにくいという側面があります。

普通借家契約とは?

普通借家契約とは、一般的な賃貸借契約の形態で、借主が希望すれば契約を更新できます。借地借家法によって、借主の権利が強く保護されているのが特徴です。

契約期間は2年とすることが一般的ですが、これよりも長い期間や短い期間を定めることも可能です。ただし、貸主からの一方的な申し出による更新拒否は、正当な理由がない限り認められません。

普通借家契約のメリット・デメリット

普通借家契約には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 契約更新ができる
  • 中途解約が可能
  • 将来設計が立てやすい

普通借家契約の場合、希望すれば、同じ物件に長く住み続けることができます。もちろん、転勤や結婚など、ライフスタイルの変化に合わせて退去可能です。長期的に住むことを前提に、将来設計を立てやすいのもメリットと言えるでしょう。

デメリット

  • 家賃が相場並み
  • 契約期間の自由度が低い
  • 物件の選択肢が少ない

まず、普通借家契約の物件は、定期借家契約と比べて家賃はやや高めに設定されています。これはあくまで定期借家契約と比較した場合であり、基本的には「相場」そのままの家賃設定と言えるでしょう。また、 短期契約には向いていません。定期借家契約に比べて、借りられる物件の選択肢が限られることを知っておきましょう。

定期借家契約と普通借家契約、どちらを選ぶべき?

定期借家契約と普通借家契約、どちらを選ぶべきかは、単に「期間」や「家賃」だけで判断できるものではありません。あなたの現在のライフスタイル、そして未来設計まで見据えた上で、慎重に選択する必要があります。

定期借家契約向きの人

定期借家契約は、まるで旅するように、期間限定の住まいを楽しむための選択肢です。

【転勤族やプロジェクトワーカー】

数年単位での転勤が多い方、特定のプロジェクト期間だけ滞在する方にとって、定期借家契約は理想的な選択肢となります。家具家電付きの物件を選べば、身軽な引越しが可能となり、新しい場所での生活をスムーズにスタートできます。

【建て替えやリフォーム期間中の仮住まい】

自宅の建て替えやリフォーム期間中、一時的に住まいを移す必要がある場合にも、定期借家契約は有効です。必要な期間だけ借りることで、無駄な家賃を支払うことなく、快適な仮住まいを確保できます。

【ミニマリストや多拠点生活者】

持ち物を最小限に抑え、自由なライフスタイルを追求するミニマリストや、複数の拠点を持ち、各地を転々とする多拠点生活者にも、定期借家契約はおすすめです。

必要な時に、必要な場所で、必要な期間だけ住むという、柔軟な住まい方が実現できます。

【家賃を抑え、住環境をグレードアップしたい人】

定期借家契約は、一般的に普通借家契約よりも家賃が安く設定されているため、同じ予算で、より広い部屋や、設備が充実した物件を選ぶことができます。浮いた家賃を、趣味や旅行、自己投資などに充てることで、生活の質を向上させることができます。

普通借家契約向きの人

普通借家契約は、安定した住環境と、将来への安心感が得られます。

【ファミリー層や長期居住を希望する人】

家族で長く住み続けたい方、子供の成長に合わせて住環境を整えたい方にとって、普通借家契約は最適な選択肢です。地域に根ざした生活を送ることで、子供の教育環境や、地域のコミュニティとの繋がりを大切にすることができます。

【ライフスタイルの変化に対応したい人】

結婚、出産、転職など、ライフステージの変化に合わせて住み替えたい場合にも、普通借家契約は安心です。普通借家契約は、借主の権利が強く保護されているため、安心して住み続けることができます。

【将来設計を重視する人】

将来的にマイホームを購入する予定がある場合でも、普通借家契約であれば、購入までの期間を安心して過ごすことができます。また、将来的に住み替えを検討する場合でも、普通借家契約であれば、比較的スムーズに次の住まいを見つけることができます。

【地域コミュニティとの繋がりを大切にしたい人】

地域コミュニティとのつながりを大切にしたい方にとって、長く住むことができる普通借家契約はおすすめです。地域で行われるイベントや活動などに積極的に参加することで、地域住民との交流を深め、充実した生活を送ることができます。

価値観やライフスタイルに合わせて選ぼう

定期借家契約と普通借家契約、どちらが最適かは一概には言えません。

  • 現在のライフスタイル
  • 将来のライフプラン
  • 住まいに求める条件

これらの要素を総合的に考慮し、あなたの価値観に合った選択をすることが大切です。

まとめ

定期借家契約と普通借家契約は、それぞれ異なる特徴を持つ賃貸借契約です。どちらを選ぶべきかは、ご自身のライフスタイルや希望によって異なります。それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、あなたにとって最適な契約形態を選びましょう。

元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級
元・不動産メディア営業/現・不動産系ライター
岸山 海河 10本
有名不動産メディアSの創刊に関わり、地元〜大手不動産会社の物件広告を担当。2014年より不動産系ライターとして活動しています。引っ越し経験も多く、現在は片田舎に建てたマイホームに在住。部屋探しのワクワク感は今でも大好き!これまでの経験を生かしながら、沢山の人の「暮らし」に寄り添う記事を提供します。 資格:普通自動車、日本化粧品検定1級

記事一覧

この記事が気に入ったらシェアしよう!

コメントを残す


関連する記事