都市ガスとプロパンガスの料金はどちらが高い?一人〜二人暮らしの料金比較!基本料金の違いや料金を安くする方法を紹介!
毎月の生活費の中で、光熱費が大きな負担になっている方も多いのではないでしょうか?
毎月かかる費用ですので、光熱費を減らせたら生活が楽になりますよね。
光熱費の中でも、大きな割合を占めているのがガス料金です。ガスには都市ガスとプロパンガスがあり、仕組みや料金が違います。
この記事では都市ガスとプロパンガスの違いや、基本料金の違いについて紹介します。ガス料金の仕組みについて理解すれば対策も可能です。
ガス料金を節約する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
都市ガスとプロパンガスは何が違う?
都市ガスとプロパンガスでは供給方法が異なります。
ここでは、都市ガスとプロパンガスガスの供給方法の違いを紹介します。
また、供給方法の仕組みがわかると展開されているエリアの違いも理解できます。
ガス料金にも関係しますのでぜひ理解してください。
ガス導管かボンベか
都市ガスは地下に埋設されたガス導管を通じて各建物に供給されます。
一方で、プロパンガスはボンベで供給されています。プロパンガスは比較的簡単に液体にでき体積を小さくできるため、ボンベに入れて各家庭に運搬します。
このように、都市ガスとプロパンガスは供給方法がガス導管かボンベかで異なります。
都市ガスは都市部・プロパンガスは全国
都市ガスは、主に人口の多い都市部で供給されています。
この理由として、ガス導管の設置には多くの費用が必要となるため、人口が多い都市部でないと設置にかかる費用の採算が取れないからです。
一般社団法人日本ガス協会によると、都市ガスの普及面積は国土の6%となっています。
対して需要家数でみると、経済産業省のデータでは全体の約53%となっており、都市部集中が顕著です。
対して、プロパンガスはガスボンベに入れて各家庭まで運搬するため、ガス導管の設置の必要はありません。
プロパンガスはガスボンベに入れて全国のどこの家庭にも供給が可能です。
都市ガスとプロパンガスの基本料金やシステムの違い
これまで都市ガスとプロパンガスの供給方法の違いについて説明しました。
供給方法の違いが基本料金やシステムの違いにもつながります。
以下では、都市ガスとプロパンガスの基本料金やシステムの違いを説明します。
都市ガスの基本料金・システム
都市ガスは2017年に自由化されるまでは「総括原価方式」と呼ばれるシステムを導入していました。
総括原価方式とは、ガスの製造や安定供給にかかるコストの総額を計算して、利用者に配分することにより料金が決定される方式のことです。
ただし総括原価方式では効率化が進まず値下げもされにくいため、2017年に都市ガスの自由化が行われ変更されました。
都市ガスの自由化後はガス会社それぞれが料金を設定できるように変更されています。
都市ガスの基本料金の具体例は以下の通りです。
【基本料金の具体例】※2023年4月1日現在、金額は税込み
1ヶ月の使用量 | 1ヶ月の基本料金 | 1㎥あたりの従量料金 | |
東京ガス | 20㎥まで | 759円 | 180.53円 |
大阪ガス | 20㎥まで | 759円 | 204.03円 |
東邦ガス | 20㎥まで | 759円 | 208.82円 |
出典:東京ガス「ガス料金表」
出典:大阪ガス「一般料金」
プロパンガスの基本料金・システム
プロパンガスは以前から自由化されているので、料金についても自由な競争がされています。
それぞれの業者が企業努力でコストを下げるなど、顧客獲得に対して積極的です。
現在ではインターネットで簡単に料金比較が可能であり、同じエリアでもプロパンガスを購入する業者によって料金が異なるため、事前に調査する必要があります。
プロパンガスの基本料金の具体例は以下の通りです。
【基本料金(平均価格)の具体例】※金額は税込み
1ヶ月の基本料金 | 10㎥利用時の従量料金 | |
東京 | 1,805円 | 6,030円 |
大阪 | 1,842円 | 6,150円 |
愛知 | 1,865円 | 6,680円 |
出典:一般社団法人プロパンガス料金消費者協会「プロパンガスと都市ガスの料金比較」
都市ガスとプロパンガスで料金比較
これまで都市ガスとプロパンガスの仕組みや料金体系について説明しました。
ここからは具体的な事例で、都市ガスとプロパンガスの料金を比較してみます。
ただし地域やガス会社によって違う場合がありますので、参考資料としてご覧ください。
1人暮らしの家庭の場合
1人暮らしの場合、ひと月あたりのプロパンガスの平均使用量は約5㎥といわれています。
前述の基本料金の具体例で計算して、都市ガスとプロパンガスの料金を比較してみましょう。
【1人暮らしのひと月当たりのガス料金比較】※ガスの使用量は5㎥として計算。
都市ガス | プロパンガス | |
東京 | 759円+180.53円×5㎥ =1661.65円 | 1,805円+603円×5㎥=4,820円 |
大阪 | 759円+204.03円×5㎥ =1779.15円 | 1,842円+615円×5㎥=4,917円 |
愛知 | 759円+208.82円×5㎥ =1803.10円 | 1,865円+668円×5㎥=5,205円 |
1人暮らしの場合、ひと月あたり3,000円くらい都市ガスの方が料金が安いことがわかります。
2人暮らしの家庭の場合
2人暮らしの場合、ひと月あたりのプロパンガスの平均使用量は約10㎥といわれています。
1人暮らしの場合と同じように計算してみましょう。
【2人暮らしのひと月当たりのガス料金比較】※ガスの使用量は10㎥として計算。
都市ガス | プロパンガス | |
東京 | 759円+180.53円×10㎥ =2564.30円 | 1,805円+603円×10㎥=7,835円 |
大阪 | 759円+204.03円×10㎥ =2799.30円 | 1,842円+615円×10㎥=7,992円 |
愛知 | 759円+208.82円×10㎥ =2847.20円 | 1,865円+668円×10㎥=8,545円 |
2人暮らしの場合、ひと月あたり5,000円以上都市ガスの方が安いことがわかります。
1年間のガス料金で考えると60,000円以上と非常に大きな差になります。
結論:プロパンガスの方が都市ガスよりも高い!
ガス料金はプロパンガスの方が都市ガスよりも高くなります。また、地域が違ってもこの傾向は変わりません。
ここからはプロパンガスの方が都市ガスよりも料金が高い理由と、プロパンガスを使用するメリットについてお伝えします。
プロパンガスの料金は都市ガスよりも高い理由
プロパンガスの方が都市ガスよりも料金が高い理由として、以下の3つが関係しています。
●ガスボンベの配送にコストがかかるから
ガスボンベを車に積むのも、各家庭で交換するのも全部人の手です。
ガスボンベの配送には当然人件費がかかりますので、都市ガスに比べると配送コストは高くなります。
●供給設備の設置に費用がかかるから
プロパンガスを供給する設備の設置費用は業者負担が一般的です。
しかし、実際には供給設備の設備にかかる費用は毎月のガス使用料金に少しずつ上乗せされているのです。
●プロパンガス業者が自由に料金設定できるから
プロパンガスしかないエリアの場合は業者の数が少ないことがあります。人口密度が低く、過疎が進んでいるからです。
業者の数が少ないと価格競争が起きません。価格競争がないということは高い料金設定にしても顧客が逃げる心配がありません。
プロパンガスを使用するメリットは?
プロパンガスのメリットは主に次の2つです。
- 災害時の復旧が早い
- 熱量が高い
都市ガスはガス導管が破損したら復旧に時間がかかりますが、プロパンガスは比較的早く復旧できます。プロパンガスは災害時に破損があったとしても、ボンベや部品の交換で復旧できるからです。
また、プロパンガスの方が都市ガスより熱量が高い傾向にあります。同じ体積であれば、プロパンガスは都市ガスの約2倍の熱を出せます。
都市ガスと比べて費用面は高額になりますが、プロパンガスにも多くのメリットがあるのです。
都市ガス・プロパンガスを安くする方法!
都市ガスでも、プロパンガスでも、安くできる方法があるなら知りたいですよね。
それぞれ対策方法が違うので、順番に説明します。
都市ガスの料金を安くする方法
ガスの自由化によってガス会社を自由に選べるようになりました。お住まいの地域にあるガス会社を調べて、料金を比較してみましょう。
ガス配管は各社共通のものですので、とくに工事は不要です。契約を切り替えるだけで安い料金プランに変更できます。
ガスと電気を同じ会社にまとめるのも効果的です。セット割引が効く料金プランもあるので、ぜひ調べてみてください。
プロパンガスの料金を安くする方法
一戸建て住宅にお住まいなら、地域のプロパンガス会社で今より安いプランがないか探してみましょう。安いプランを持っているプロパンガス会社に電話で相談すれば、訪問して料金の説明や現状との比較をしてくれます。
マンションやアパートは管理組合やオーナーの許可がいるので難しいですが、一戸建てならすぐに切り替えが可能です。
地域に安いプロパンガス会社がなかった場合、思い切ってオール電化にしてしまうのも1つの手です。ただし初期投資が必要ですので、慎重に検討しましょう。
補助金や助成金を用意している自治体もあるので、検討する際には問い合わせてみてください。
まとめ
都市ガスとプロパンガスの違いは、供給方法と展開しているエリアです。
- 都市ガス:ガス導管で供給、人口密度の高い都市部中心に展開
- プロパンガス:ガスボンベを各家庭に設置して供給、全国に展開
また、供給方法の違いによって料金体系にも大きな違いが生じています。
- 都市ガス:都市部中心のため利用者のコスト負担が少なく、料金を安く設定できる
- プロパンガス:配送コストや設置コストの利用者負担が多く、料金設定が高い
ガス料金を安くするためには、それぞれ以下の対策があります。
- 都市ガス:料金が安い会社に変更する、電気とのセットプランなども検討する
- プロパンガス:地域のプロパンガス会社に料金や契約変更の相談をする
ガス料金を安くしたいなら、一度お住まいの地域のガス会社を調べてみてはいかがでしょうか。