賃貸物件のセキュリティ対策 確認すべき点はどこ?

近年、自宅におけるセキュリティ対策の重要性は増してきています。しかし、テレビや雑誌等で紹介されているセキュリティ対策は、どれも戸建て物件や持ち家を想定したものばかりで、賃貸物件に入居している方はハードルが高いと感じているでしょう。

そこで今回は、賃貸物件のセキュリティ対策について、入居前に確認すべき点や入居後に自分でできる点などを詳しくご紹介します。今引越しを考えている方や、自宅のセキュリティに不安がある方はぜひ参考にしてください。

 

自宅を狙った犯罪は多い

「自宅」を狙った犯罪は、かなりの数発生しています。しかし、自分の家が被害に合ったことのない方は、あまり実感が湧かないかもしれません。そこで、警察庁が発表しているデータを見てみましょう。

警察庁が発表した「平成30年1~12月犯罪統計」によると、いわゆる物を盗む「窃盗犯」は年に58万件ほど発生しています。その中で、建物に侵入して盗みを働く「侵入盗」は約6万2000件となっています。侵入盗の中で住宅を対象としたものだけをピックアップすると、約3万1000件もの犯罪が発生しています。これを1日あたりの数に直してみると、約85件の住宅が毎日窃盗被害にあっていることになります。いかがでしょうか。多少は危険が現実味を帯びてきたのではないでしょうか。

参考記事:警察庁 犯罪統計/平成30年1~12月犯罪統計【確定値】訂正版

これらの数字はすべて「認知件数」となっており、警察が把握している数になります。被害届等を出していない・そもそも窃盗被害に気付いていない住宅があることを考慮すると、この数はさらに増えるということになります。

また、最近は「アポ電強盗」という言葉も登場し、自宅にどのくらいの資産があるかを事前に把握したうえで強盗に押し入るという悪質な犯罪も話題となっています。特に高齢者の方がいる住宅などは狙われやすいかもしれません。

このように、みなさんの自宅を狙った犯罪は数多く発生しており、被害に合わないためにはセキュリティ対策を万全にしなければなりません。そこで、今回紹介するような方法をぜひ参考にしていただければと思います。

 

賃貸の入居前に確認すべきセキュリティ対策

それではここからは、実際に実行すべきセキュリティ対策をご紹介します。まずは、賃貸物件の入居前に確認すべきセキュリティ対策についてです。以下のような特徴を持つ賃貸物件は、セキュリティ面からも優れているといってよいでしょう。

オートロックのある賃貸物件

やはり賃貸物件のセキュリティ対策に「オートロック」は欠かせません。エントランスの扉が閉まると同時に施錠もされるシステムで、暗証番号等を知っている人しか入れないようになります。

オートロックがあることで侵入のハードルが一気に高まるため、防犯対策として高い効果を発揮します。

しかし、オートロックがあると家賃も高くなる傾向にあるので、なかなか住めないという方も多いかもしれません。

そんな場合はオートロック物件について、改めてしっかりと把握しておくことも大事だと思います。

共用エントランスのある賃貸物件

次は共用エントランスのある賃貸物件です。共用エントランスがあるということは、オートロックがある可能性も高まります。また、共用部分があることで他の住人と顔を合わせる可能性が高まり、侵入の心理的なハードルを高くします。

ホームセキュリティに加入している賃貸物件

ホームセキュリティに加入している賃貸物件は、非常時に警備会社が駆けつけてくれます。犯罪だけでなく火災等にも対応してくれるのがうれしい点ですね。

ホームセキュリティに加入している物件には、エントランス部分にシールが貼られています。もし見当たらない場合は、不動産管理会社等に尋ねてみましょう。

管理人が常駐している賃貸物件

管理人が常駐している物件はそれほど多くないですが、セキュリティの高さは折り紙つきです。監視カメラだけだと不安だという方にもおすすめです。

分譲マンションなどを賃貸として貸し出している物件では管理人がいることも多いです。ただし、家賃等は高くなる傾向にあります。

エレベーター内にカメラがある賃貸物件

特に女性などにとっては、エレベーター内も不安な場所ですよね。短時間とはいえ、知らない人と密室で2人きりになる可能性があり、逃げ場もありません。

入居前には、エレベーター内にも監視カメラがあるか確認しておきましょう。 カメラがあることで犯罪の抑止になる上、通報等もしやすくなります。

ピッキングされにくい鍵を使っている賃貸物件

「ピッキング」は、今も昔も自宅に侵入する際のメジャーな手段と言ってよいでしょう。ピッキングの被害に合わないためには、鍵の形状を確認することが大切です。

「ディンプルシリンダー」という、鍵穴に凹凸のある種類のものは、構造が複雑になっておりピッキングできないと言われています。築浅の賃貸物件には、この鍵が採用されているケースが多いです。見て分からない場合は、不動産会社に尋ねてみましょう。

最近では玄関錠がカードキータイプになっている賃貸物件も増えてきています。
カードキーについてはこちらの記事も参考にしてください。

カメラ付きインターホンのある賃貸物件

最近は「チャイムが鳴ってもすぐにドアを開けてはいけない」というのが常識になりつつあります。誰が来たのか確認したうえで開けるのが、犯罪に巻き込まれないための秘訣です。

その際、相手の顔を確認するために使われるのがカメラ付きインターホンです。多くの物件で導入されていますが、中にはない物件もあるので事前に確認しておきましょう。

周辺環境について

物件を決める際には、周辺環境にも気を配っておきたいところです。夜になると周辺が真っ暗になるところや、人通りがほとんどなくなる地域などは帰り道にも気をつけなければいけません。

24時間営業のコンビニがある地域や犯罪率の少ない街などを選ぶとよいでしょう。

 

 

賃貸の入居後にできるセキュリティ対策

次は、賃貸物件に入居した後に自分でできるセキュリティ対策をご紹介します。

鍵を付け替える

もっともおすすめなのが鍵の付け替えです。先ほど紹介したディンプルシリンダーのような侵入しづらいタイプの鍵に付け替えるだけでもセキュリティ対策になります。

ただし、無断で鍵を付け替えてしまうとトラブルの元になるので、事前に大家さんに相談しましょう。

また、最近は工事不要で取り付けできる「電子錠」なども販売されています。これなら大家さんの許可なく取り付けることが可能です。

センサーライトの設置

玄関や自宅前の廊下にセンサーライトを設置するのも、セキュリティ対策には有効です。侵入者は、音や光といった目立つもの避けて侵入しようとします。センサーライトは動いている人影を捉えて明るく照らしてくれるのでおすすめです。

ホームセキュリティへの加入

少し費用はかかりますが、ホームセキュリティへの加入もおすすめです。先ほど紹介したように、侵入被害以外にも火災等にも対応してくれるのが魅力です。

こちらも事前に大家さんに相談した上で加入するようにしてください。

セキュリティカメラの設置

最後は、自宅内にセキュリティカメラを設置することです。セキュリティカメラとは、外出時にスイッチを入れておくだけで、温度の変化や人影を捉えてスマートフォンに通知してくれるセキュリティグッズです。

赤ちゃんやペットの見守り用として購入する方も多いですが、セキュリティ対策にも一役買ってくれます。万が一のときの証拠にも使えるので、ぜひ導入してみてください。 

 

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