初めての引越しの内見で見るべきポイントは?
住みたい街と住むべき街を考える
初めての一人暮らしで、知らない街に引っ越す場合、「住みたい街」に住むのか、「住むべき街」を探すのかが最初の洗濯になるかと思います。
憧れの街に住む?
例えば地方から東京に上京して初めて一人暮らしをする場合。東京都内で住みたい街があるという方も多いかと思います。住みたい街ランキングで常に上位の吉祥寺や、下北沢、おしゃれなイメージのある自由が丘や中目黒などなど。
もちろんせっかく上京したのだから、憧れの街に住むことにこだわるという考え方も理解はできます。しかし、それで毎日の生活を難しいものにしてしまうのはオススメできません。
都会で重要なのは通勤距離より通勤経路
東京に限らず大阪市内や名古屋市、横浜市、札幌市など、いわゆる都会と呼ばれる地域では、通勤通学に電車を利用することになります。そういったケースで重要なのは、「通勤先(通学先)までの距離」ではなく「通勤先(通学先)までの経路」です。
経路とは具体的に路線の確認。特に重要なのは乗り換えの回数です。ラッシュアワーにおいて、乗り換えが多いのは非常に大変な上に、想像以上に時間がかかるものです。「そのくらい別に…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これが毎日となるとかなりの負担になります。
しかも初めての一人暮らしであれば、日常生活でやるべき家事も多く、そもそも想定以上に自分の時間を取れなくなるもの。通勤や通学でストレスを感じるような地域への引っ越しはオススメできません。
住むべき街とは?
これはもう単純に通勤や通学に便利であることが第一条件となります。そして当然ですが、想定している家賃と間取りが釣り合う地域であることも重要でしょう。これらの条件を満たした上で、後はご自身が重視する項目を満たすような街を探してみましょう。ご自身が重視する条件とは、それこそ個々の希望に合わせた条件。簡単に思い浮かぶものをいくつか挙げてみましょう。
- できるだけ駅に近い物件が選べる街
- 通勤先以外で渋谷駅に出やすい駅周辺
- 駅周辺に単身者向けの飲食店が充実している街
- 車を持って引越したいので駐車場の家賃があまり高くない街
- サッカーが好きなのでスタジアムにも行きやすい駅
などなど。これらの条件を満たす地域が、初めての一人暮らしで住むべき街といえるでしょう。何より通勤(通学)の利便性と家賃相場が合うというのが最優先項目に考えましょう。
物件探しでは内見が重要
ネットで様々な情報が見られるようになっている現在。部屋の物件情報においても、もはや現地を直接見に行く「内見」は必要ないと考えている方も多いかと思います。しかしそんな内見は今でも重要なポイントのひとつであることを確認しておきましょう。
初めての引越しなら内見は必須
確かに引越しにおいて内見の必要性は下がっているかもしれません。しかしこれは「知っている街への引越し」であったり、「引越しに慣れている人の引越し」における意見でしょう。初めての引越し、初めての街への引越しでは必ず内見に行くことをオススメします。
内見をオススメする理由
まずは何といっても現地に行かないと分からないことがあるからです。まず物件周辺の環境面。これから一定期間生活をする街になるわけですから、どんな住環境なのかを確認するのは重要。ネットではチェックしづらいポイントをまとめてみました。
- 周辺の騒音状況
- 周辺の臭いなどの確認
- 坂道の有無や勾配のキツさ
- 物件周辺の管理状況
- 周辺の明るさの確認
- 周辺の商業施設の確認
これらの項目の詳細を解説しておきましょう。
周辺の騒音状況
例えば幹線道路沿いの物件や、線路に近い物件、踏切に近い物件であれば、夜間どの程度の交通量があるのかで騒音の具合も変わります。もちろん周辺住人の出す騒音に関しても、直接物件を見ないと判断は難しいでしょう。
周辺の臭いなどの確認
「臭い」に関しては少々特殊ですが、例えば物件近くに動物園や競馬場などがあれば、どうしても動物のニオイがするものです。また、貯水池に近くて水のニオイが気になる場合や、大きな道路沿いで排気ガスのニオイが気になるなどの項目は、ご自身が現地に行かなければ確認できません。
周辺の明るさの確認
「明るさ」ですが、これは特に地方から都市部に引越す場合は意外と問題となるケースが多い項目です。そもそも都市部は地方に比べて夜間も街灯などが明るいものです。加えて看板やネオンサインがるようですと、夜間でも想像以上に街が明るく、慣れていない方にとっては非常に住みにくい条件となってしまいます。
坂道の有無や勾配のキツさ
例えばネットでグーグルマップを利用すれば、その地域の高低差をチェックすることはできます。しかしどのくらい? となると、これは現地で実際に確認するのがベストでしょう。毎日の通勤(通学)で、非常に厳しい上り坂があるようですと、それだけで大変です。
特に女性の一人暮らしの場合は、最寄り駅までの道のりの確認も重要。できれば夜間の道の暗さ、人通りの量なども事前に確認しておきましょう。
周辺の商業施設の確認
これもグーグルマップで確認できると思っている方も多いようですが、グーグルマップの情報が常に最新とは限りません。また、スーパーがあるのは間違いないものの、どの程度の規模のスーパーなのか? どういった品ぞろえなのか? などは直接ご自身の目で確認する必要があります。
物件周辺の管理状況
実はこれが意外と重要なポイント。一人暮らしの場合、アパートやマンションなど集合住宅に引っ越すことが多くなるかと思いますが、こういった集合住宅の管理状況を確認しておきましょう。
ゴミ置き場が汚い、共用部分の蛍光灯が消えている、玄関などの傷や汚れがひどい、廊下にごみが散乱しているなど、管理状況の良くない物件がないわけではありません。こういった共用部分の管理が雑な集合住宅は、住んでいるだけでストレスが溜まるもの。これも直接ご自身の目で確認しましょう。
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内見に必要な下準備
ではそんな重要な内見ですが、行くからにはしっかりとした準備をして行くようにしましょう。そんな下準備についてまとめていきましょう。
大型家具・家電の採寸
初めての一人暮らしですと、あまり多くはないかもしれませんが、もしベッドや冷蔵庫、タンス、テレビなどを持って行く予定があるのであれば、それら家具や家電製品のサイズを測っておきましょう。測った寸法はスマホなどにメモしておきます。
チェックリストの作成もオススメ
一般的に内見は数件回るもの。そこでどの物件がどうだったのかを間違えないように、事前にチェックリストを用意しておくといいでしょう。チェック項目に関しては、ご自身が何にこだわるか次第ですが、基本的なチェック項目を書き出してみましょう。
- 駅からの時間
- 至近のコンビニまでの時間
- 日当たりの良さ
- 騒音のレベル
- 共有部分のキレイさ
- 携帯電話の電波状況
これにご自身が気になるポイントを加えておけば、後で検討する時に分かりやすくなりますのでオススメです。
内見に持って行くと便利なアイテム
内見の下準備ができたら、今度は内見に持って行くべきアイテムをいくつかご紹介しましょう。
ノートとメモ帳(スマホでも可)
物件の内見で気になることがあれば、どんどんメモ帳に記入していきましょう。特に部屋の一部に気になる汚れがあったり、何か欠けているパーツがあったりした場合はメモ帳が重要になります。こういった物件の欠陥を見つけたら、同行している不動産店の担当者に聞いておきましょう。
「入居までに直しておきます」、「大家に確認して掃除しておきます」などの返答が得られるかと思いますので、この発言もメモしておきましょう。
カメラ(スマホでも可)
カメラも重要なアイテム。上記のような気になる部分を写真に残すのも有効な使い方ですが、さらに重要な撮影ポイントを覚えておきましょう。それが部屋の中にある柱や梁、さらに収納内部の様子などを撮影しておきましょう。
不動産店で紹介される際の部屋の間取り図には梁や収納内部の様子までは記載されていないケースが多いので、写真に収めておくのは重要です。この梁や柱の影響で置く予定の家具や家電製品が置けないようなトラブルも考えられます。
またゴミ置き場の様子や、窓からの景観なども撮影しておくと、後で検討する時の材料になります。
メジャー(金属製・2m程度)
もちろん間取り図でもある程度の寸法は記載されていますが、実際に計測すると少々数値が違う場合があります。仮にぴったりサイズのベッドを置こうとすれば、例え数センチでもサイズが違うと収まらない可能性がありますので、きっちり測っておきましょう。
また、収納内部などに梁があるケースもありますので、気になる部分は細かく測りましょう。計測を一人で測らないといけない可能性もありますので、金属製のメジャーがオススメです。
間取り図
これは当日不動産店に言えば貰えるるはずです。ちょっとしたメモやサイズ感に関してはこの間取り図にも書いておくと後でわかりやすいですしオススメです。
方位磁石(スマホアプリでも可)
物件の間取り図にはおおよその方角が記載されていますが、これもあくまでも「おおよそ」です。BSアンテナを取り付ける予定などで、細かい方角を知りたい方は方位磁石を持って行くのもいいでしょう。
ビー玉など
これはあってもなくてもいいのですが、どうしても物件の傾きが気になる方は持って行くと物件の傾きを確認することができます。もちろん転がりやすいボールペンなどでも応用は可能です。
内見で活躍するアプリも
最近では物件の内見の時にあると便利なスマホアプリも存在します。そんなスマホアプリをいくつかご紹介しておきましょう。
お部屋の広さ換算アプリ
初めての内見の場合、何も置いていない部屋を見ることになります。家具の置いていない8畳と家具が揃っている8畳では、感じる広さが全然違います。また、物件によっては「畳」表記だあったり、「㎡」表記であったりと、表記の方法も様々ですし、単純に畳のサイズが若干違ったりすることで同じ8畳でも広さの違う部屋が出てきたりします。
そこでオススメするのが「畳表記」、「㎡表記」、「坪表記」を瞬時に換算してくれるアプリ。これがあれば表記の違う部屋も単位を合わせてサイズ比較することが可能になります。
採寸アプリ
メジャーを忘れてしまった場合でも、採寸が可能になるメジャーアプリも存在します。メジャーアプリはいくつかありますが、できるだけ使い勝手のいいものを選んでダウンロードしておくといいでしょう。
ただし、こうしたメジャーアプリの場合、最長計測距離が100cm程度のものも多いので、できればメジャーはメジャーで持って行った方がいいでしょう。
災害リスク管理アプリ
これは現在いる地点の災害リスクを教えてくれるアプリになります。災害リスク管理アプリに関しては、情報ソースのしっかりしているものがオススメ。国土交通省国土地理院の発表しているデータや、防災科学研究所などの公表しているデータを参照しているアプリもありますので、こういったアプリを利用しましょう。
スマホに頼りすぎないように
ここまで紹介したような下準備や当日のアイテムの中には、スマホやアプリで代用できるものが多くあります。しかしすべての作業をスマホで行うと、かえって面倒になる可能性が高いので、できれば用意できるものは用意して、スマホの利用は最低限にするのが良いでしょう。
まとめ
物件探しには必須となる内見。この内見の経験がない人は、大事なポイントを見落としてしまい、物件を決めた後に後悔することも珍しくありません。そんな事態に陥らないように、チェックすべきポイントは必ず見ておきましょう。
- 物件周辺の商業施設(コンビに・スーパーなど)
- 物件から最寄り駅までのルート
- 物件の共有部分の管理状況(ゴミ置き場やエントランスなど)
- 部屋や収納部分内部の状況チェック(梁のサイズ、柱のサイズ、汚れや欠損部分なども)
- 部屋のコンセント差込口の位置
- テレビアンテナ差込口の位置
- 扉や窓などの建付け
- 周辺の騒音状況
- 周辺のニオイなどのチェック
- 周辺住民の生活音
- 窓のサイズ(カーテン購入のためのサイズチェック)
- エアコンの有無
- 洗濯機置き場のサイズ
- 冷蔵庫置き場のサイズ
- 部屋の方角
- 防犯カメラなど防犯グッズの有無
- 外部からの侵入経路チェック(空き巣などが入ってくるルートがないか)
頼りになるのは担当者
さて、物件の内見をした経験のない人にとって、内見とは多くのチェックポイントがある作業になります。これをすべて漏らさずチェックするのは慣れていない人には難しいかもしれません。
そこで頼りになるのが同行してくれる不動産店担当者です。この担当者さんとはコミュニケーションを取り、分からないことはどんどん聞いていきましょう。何でもかんでも聞くのは担当者さんに迷惑と思われるかもしれませんが、担当者さんにとってはそれが仕事です。遠慮せずに不明点はどんどん聞くべきです。
万が一質問にめんどくさそうに答える担当者がいたとすれば、それは担当者の質が低いということ。その不動産店は利用せずに、別の不動産店を利用することをオススメします。