ホテル暮らしと賃貸暮らし、どちらが自分に合っている？

元・不動産メディア営業／現・不動産系ライター

岸山 海河

近年、仕事やライフスタイルの変化に伴い、ホテル暮らしを検討する方が増えています。ホテル暮らしは、自由な生活を送りたい方や、短期滞在を希望する方、自宅のように家事や掃除に時間を費やしたくない方にとって魅力的な選択肢の一つです。しかし、賃貸暮らしと違ってホテル暮らしにしかないデメリットもあります。本記事では、ホテル暮らしと賃貸暮らしのメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説し、どちらがあなたのライフスタイルに合っているのかを検討するためのヒントをご紹介します。

ホテル暮らしのメリット・デメリット

ホテル暮らしか賃貸暮らしか、どちらが自分に合っているかを把握するためにはそれぞれのメリットやデメリットを比較するとわかりやすいです。まずは、ホテル暮らしのメリット・デメリットについて解説していきましょう。

ホテル暮らしのメリット

• 自由度の高さ
• 初期費用が抑えられる
• 光熱費などが不要
• コミュニティの形成

まず、ホテル暮らしだと短期から長期まで、自分の都合に合わせて滞在期間を調整できます。滞在期間だけでなく、 仕事や旅行の予定に合わせて気軽にホテルを変えられるのもホテル暮らしの魅力です。さらに、清掃やアメニティの補充など、ホテルならではのサービスを受けることができるのも大きなメリットと言えるでしょう。

次に、ホテルで暮らす際は賃貸のように高額な初期費用がかかりません。加えて、光熱費などもかからず、Wi-Fi環境が整っていれば通信費もかかりません。ホテルには必要な家具や家電が備え付けられているため、自分で用意する必要がなく、短期間での暮らしにも大いに役立ちます。

そして、ホテルによっては共用スペースやイベントが開催されており、ほかの宿泊客との交流を楽しむことができます。一人で暮らすことに不安を感じている方でも、ホテル暮らしなら寂しさを紛らわせることができるでしょう。

ホテル暮らしのデメリット

• コストが高い
• プライバシーの制限
• 収納スペースが限られる

長期滞在の場合、賃貸と比較して家賃が高額になる場合があります。また、自炊をしなければ外食や食事のデリバリーを利用することになり、食費がかさむ可能性があるでしょう。

そして、ホテルは毎日（または定期的）に部屋の清掃が入るため、プライバシーが制限される場合があります。ホテルによっては、来客に制限がある場合があり、不便を感じる場面もあるでしょう。

さらに、ホテルの部屋は一般的に賃貸住宅に比べて狭く、収納スペースが限られています。荷物が多い人は、レンタル倉庫などを利用する必要もあるでしょう。

賃貸暮らしのメリット・デメリット

次にご紹介するのは、賃貸暮らしのメリットとデメリットです。

賃貸暮らしのメリット

• コスパが高い
• 自炊やペットの飼育が可能
• プライバシーが守られる
• 収納スペースが広い

長期的に住むことを考えると、賃貸の方がコストパフォーマンスが高いです。仮に1泊5,000円の格安ホテルに住めば家賃として約15.5万円が発生しますが、家賃に15.5万円支払うならグレードの高い賃貸物件に住むことは十分に可能です。格安ホテルに比べて、快適性が高い暮らしを送れるでしょう。

また、賃貸物件なら自炊やペットの飼育など、自由な暮らしを送ることができます。部屋は完全に自分だけの空間であり、プライバシーが確保されているのも大きなポイントです。

また、賃貸住宅はホテルに比べて収納スペースが広いものが多く、多くの荷物を収納できます。

賃貸暮らしのデメリット

• 初期費用が高い
• 家具家電を揃える必要がある
• 手続きが煩わしい

賃貸契約を結ぶ際には、敷金や礼金などの初期費用がかかります。さらに、自宅に合う家具や家電を揃えなくてはなりません。ホテル暮らしには不要な光熱費や通信費もかかるため、家賃以外の固定費も考慮すべきでしょう。

さらに、賃貸契約を結ぶ際にはさまざまな手続きが発生します。退去時にも原状回復などの手続きが必要です。

ホテル暮らしと賃貸暮らしの1ヶ月の生活費をシミュレーション

ホテル暮らしと賃貸暮らし、それぞれにかかる生活費には大きな違いがあります。ここで、以下を条件にホテル暮らしと賃貸暮らしの1ヶ月にかかる生活費をシミュレーションしてみました。

【シミュレーションの条件】

• 一人暮らし
• 東京23区内
• 仕事は週5日
• ホテル暮らしは1食1,000円ですべて外食、賃貸暮らしの食費は自炊と外食を半分ずつとする
• 光熱費、通信費などは平均的な金額とする

生活に関わる費用のみを算出したため、上記のシミュレーションには交通費や交際費などは含んでいません。それを踏まえ、1ヶ月の生活費に関しては賃貸暮らしのほうがコスパが高いことがわかります。一方、ホテル暮らしはコスパが低いものの、自由度が高く、サービスが充実しているメリットもあります。

ホテル暮らしと賃貸暮らしでは費用面で大きな違いがあるため、綿密なシミュレーションのうえで選択することをおすすめします。

ホテル暮らしと賃貸暮らし、それぞれにおすすめなのはこんな人

ホテル暮らしと賃貸暮らしのどちらが自分に合うのか、それはライフスタイルや価値観によって異なると言えるでしょう。ここで、目的やライフスタイルに合わせてホテルと賃貸のどちらがおすすめなのか、ざっくりと棲み分けてみました。

• 短期滞在を希望する人：ホテル暮らし
• 自由な生活を送りたい人：ホテル暮らし
• コストパフォーマンスを重視する人：賃貸暮らし
• プライバシーを重視する人：賃貸暮らし
• 収納スペースを広く使いたい人：賃貸暮らし

これらの要素を総合的に考慮し、あなたにとって最適な住まいを選びましょう。

ホテルのサブスクサービスにも注目

近年、ホテルのサブスクリプションサービスが注目を集めています。これは、月額定額で複数のホテルに滞在できるというもので、従来のホテル利用とは異なる新しいスタイルとして、旅行好きや柔軟な働き方を求める人々から人気を集めています。コスパを重視しつつ、やっぱりホテル暮らしがしたい！という方にはぴったりなサービスと言えるでしょう。

ホテルサブスクを選ぶ際のポイントは次の通りです。

• 利用頻度：どのくらいの頻度でホテルを利用するのかを検討
• 利用したい地域：どこを旅行したいのか、利用したい地域を絞り込む
• 宿泊施設の種類：ビジネスホテル、リゾートホテルなど、どのようなタイプのホテルを利用したいのかを検討
• 料金プラン：月額料金や、追加料金などが発生するかどうかを確認

ホテルのサブスクサービスは、従来のホテル利用とは異なる魅力的なサービスですが、メリットとデメリットをしっかりと理解し、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。

まとめ

ホテル暮らしと賃貸暮らし、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらを選ぶかは、ご自分のライフスタイルや価値観によって異なります。この記事で紹介した情報を参考に、あなたとって最適な住まいを見つけてください。