家賃が支払えないときは?家賃滞納は即退去?[滞納時の注意点と催促の流れ]

買い物のしすぎや病気などによる収入の低下により、いつもは支払えていた家賃がある日突然支払えなくなることがあります。そんなときに不安になるのが、家賃が支払えないと即退去となってしまうのかどうかではないでしょうか。そこで今回は、家賃を滞納してしまった場合の催促の流れや、万が一のときにどのように対応すればいいかなどをご紹介します。

 

家賃滞納はしないのが大前提

まずそもそもの話ですが、家賃滞納はしないのが大前提です。「そんなの分かってるよ!」という方がほとんどだと思いますが、稀に家賃滞納を何とも思っていない人もいます。

家賃滞納にはリスクしかありません。例えば

・貸主との信頼関係が破綻する

・強制退去させられてしまうかもしれない

・連帯保証人、保証会社へ連絡がいく

・信用情報がブラックリスト入りする

などなど。リスクは数えきれないほどありますが、メリットは1つとしてありません。家賃滞納しないで済むように、お金は毎月しっかりとやり繰りしましょう。

敷金があっても…

みなさんの中には、「家賃滞納された大家さんは敷金を使えばいいじゃないか」と思う方もいるかもしれません。確かに、多くの物件では入居の際に「敷金」を納めており、敷金は家賃の補填や退去時の清掃費などに使用されます。

しかし、敷金の用途は法律上決められていません。つまり、家賃滞納された場合に敷金で補填するかどうかは大家さん次第ということになります。敷金で補填することなく、「家賃滞納があったので退去してください」とすることも可能なのです。

「家賃滞納しても敷金があるから大丈夫」ではない、ということを覚えておいてください。

敷金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

敷金・礼金ってなに?違いは何?敷金・礼金ゼロのメリット・デメリットは?

信頼関係の破綻について

少し小難しい話になりますが、家賃滞納から強制退去に至るまでには、「信頼関係破綻の法理」というものが適用されます。簡単に説明すると、「貸主と借主の間の信頼関係は、すでに破綻している」と裁判所が認めて初めて強制退去が可能になるということです。

一般的には1、2か月程度の家賃滞納では信頼関係が破綻しているとはなりません。最低でも3か月、場合によっては5か月程度の家賃滞納が必要となるケースが多いです。

ただし、これは「1、2か月なら家賃滞納してもいい」ということではありません。1か月でも家賃滞納をすれば、法律上信頼関係が破綻していなくても、大家さんと入居者個人の信頼関係は確実に破綻してしまうでしょう。

 

家賃滞納から強制退去までの流れ

それでは、実際に家賃滞納をしてから強制退去させられるまでの流れを見ていきます。

1.大家さんもしくは管理会社からの家賃催促

家賃は、ほとんどの方が振込か口座引き落としで支払っているでしょう。予定通りの支払いがされないと、翌日以降に大家さんもしくは不動産管理会社から、家賃が支払われていない旨の連絡があります。

何か理由があって家賃の支払いを忘れていたとしても、この段階で即座に支払えば、特に問題ありません。しかし、頻繁に家賃の滞納をしていると「支払い確約書」にサインを求められることもあります。

2.支払督促が内容証明郵便で届く

電話による支払いの催促後も支払いがない場合、大家さんもしくは不動産管理会社から「家賃の未払いが続く場合は賃貸借契約を解除します」という旨の内容証明郵便が届きます。具体的に「7日以内に支払ってください」など、日にち指定がされていることも多いです。

先ほど説明したように、法律的に信頼関係の破綻が認められなければ強制退去はできないので、この内容証明郵便によって即座に契約が解除されることはありません。ただし、「支払督促を出したが支払ってもらえなかった」という証明にはなるので、裁判で不利になるのは間違いありません。

3.連帯保証人・家賃保証会社へ連絡

大家さんや不動産管理会社は、どうにかして家賃を回収しなければならないため、上記の手順を踏んでも支払いがない場合は、連帯保証人や家賃保証会社に同様の内容証明郵便を送ります。この段階で家賃の滞納が多くの人に知れ渡るでしょう。

4.賃貸借契約解除・明け渡しを求める訴訟

その後も電話等による支払い催促などが行われ、それでも支払いに応じない場合、賃貸借契約の解除とそれに伴う明け渡しを求めて訴訟を提起される可能性が高まります。出廷しない場合は、無条件に敗訴となります。

5.強制退去

裁判所から明け渡しのにも応じない場合、執行官による強制退去が行なわれます。拒んでも強制的に家具などが運び出されてしまいます。

 

家賃保証会社を利用している場合

近年、契約時に連帯保証人を用意する必要がなく、家賃保証会社を利用する物件が増えています。家賃保証会社を利用している場合、滞納があると家賃保証会社が代わりに支払いを行います。これを「代位弁済」と呼びます。

代位弁済ををそのまま放置しておくと、家賃保証会社の業績が落ちてしまいます。そこで、家賃保証会社は滞納者から回収を試みます。つまり、家賃保証会社を利用している場合に家賃の滞納をしてしまうと、支払い催促の相手が家賃保証会社になるということです。

基本的には、家賃保証会社を利用している場合でも強制退去までの流れは同じですが、大家さんや不動産管理会社と比較すると取り立てが厳しい傾向にあるようです。

また、家賃保証会社による代位弁済が行われた段階で、滞納者の信用情報はブラックリスト入りします。5年程度は、ローンが組めないことやクレジットカードを作れなくなります。

 

支払いが遅れそうな場合

何か理由があり、どうしても支払いが遅れてしまいそうな場合は、どう対応すればよいのでしょうか。以下を参考に行動しましょう。

まずは大家さん・管理会社へ連絡

まずは、家賃を滞納しそうになった段階で大家さんもしくは不動産管理会社に連絡をしましょう。大家さんとしては、滞納者と連絡が取れないことが1番困るので、事前に連絡することで意思疎通を図ることができます。

この際に重要なのは、「支払う意思がある」ことを伝えるという点です。滞納者である時点で心証は良くありませんが、悪質な滞納者であると判断されると厳しい対応を迫られます。支払いの意思を見せることで最悪の事態は防げるかもしれません。

また、支払いの意思は口だけでは伝わりません。分割払いなどを提案して、少額でも支払うことで誠意が伝わるでしょう。

親族からの援助なども検討

強制退去を免れたとしても、その後も支払わなくてよいというわけではありません。支払うためのお金を用意できないのであれば、親族からの援助なども検討しましょう。

家賃の滞納については、なるべく人に話したくないというのが本音だと思いますが、そのようなプライドは捨て去り事情を話してください。

他にも、消費者金融やカードローンなどを利用するという方法もありますが、利息が高く今後返済に追われる可能性が高いので、できれば避けたいところです。親族に相談するのがベストでしょう。

連帯保証人にも連絡

家賃を滞納してしまうと大家さんだけでなく、連帯保証人にも迷惑をかける可能性があります。そのため、大家さんから連絡がいく前に、連帯保証人にも連絡しておきましょう。

 

家賃滞納しないためのやり繰りが大切

家賃滞納は褒められたものではありません。しかし、何か理由があって滞納につながることもあるでしょう。その際は、今回紹介した手順を参考にしてください。

また、家賃を滞納しないで済むように、家計をしっかりとやり繰りしましょう。

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