レオパレスは壁が薄いって噂の真実は?賃貸の音漏れ問題についても解説!
2018年に社会問題となったレオパレスの施工不良問題。この問題はさらに続き、2019年2月にはさらに多くの施工不良物件が発見されました。このニュースで話題となったのが、ネット上を中心に以前から流れていた噂。一部では「レオパレス伝説」などと呼ばれ、広く知られていました。そんなレオパレスの壁に関する噂や、その事実関係、さらに賃貸物件における音漏れ問題などについていろいろと調べてみました。
抱腹絶倒? レオパレス伝説
どこまで本当? レオパレスの噂
ネット上の噂というのは常に尾ひれがつくものです。もっといえば、ウケを狙った発言が目立つものでもあります。それを理解した上で、ネット上で見つかったレオパレスに関する伝説をいくつかご紹介しましょう。
- チャイムを鳴らしたら全室住人が出てきた。
- チャイムならされたと思って玄関を開けたら、四軒隣の部屋だった。
- チャイムが聞こえ今度こそはと思ったけど、やっぱり隣の部屋だった。
- ティッシュを取る音が聞こえてくるのは当たり前、携帯のポチポチが聞こえることも。
- 爪切りの音も聞こえる。
- 納豆をかき混ぜる音も…。
- 壁ドンしたら壁に穴が開いた。
- というか、穴が開いた後も開く前と聞こえてくる音は変わらなかった。
- 壁に画鋲をさしたら隣の部屋から悲鳴が聞こえた。
- 隣二部屋を借り、「これで防音ばっちりだ」と思ったがさらにその向こうの部屋の音が聞こえてきた。
- 右の隣の部屋の住人が屁をこいたら、左の部屋の住人が壁ドンしてきた。
- 朝6時に目覚まし時計のアラームを掛けておいたら朝6時に全室住人が起きた。
- スピードラーニングを聞いていたらその棟に住んでる人が全員英語ペラペラになった。
なぜこんな伝説が生まれたのか?
そもそもなぜレオパレスにはこのような伝説が生まれたのでしょう? これはレオパレスの入居しやすさと家賃の安さ、そして物件の完成の早さが原因となっています。レオパレスは入居審査が比較的通りやすく、他の賃貸物件で断られた人でも入居できたという話が少なくありません。また、物件によっては、周辺の家賃相場よりも安い家賃の物件があり、これも噂が流れる遠因になっていたはずです。そして最後にレオパレスの建築速度の速さ。レオパレスの建物は完成が早いという噂が流れ、これらの要素から、「家賃が安く誰でも入れるレオパレスは、安普請に違いない。その証拠に工期が短い」となり、様々な噂が流れることになったようです。
ネットの噂は本当か?
では、ネット上にあるレオパレスについての噂は真実なのでしょうか? 2018年の問題がなければ、「99%ウソです」と言えたはずですが、あの施工不良問題を見る限り、ネットにある噂は大げさではあるものの、多少なりとも騒音・音漏れの問題はあったと考えた方がいいでしょう。そしてこの音漏れの問題はレオパレスに限らずどんな物件でも起こり得る問題であるということを覚えておきましょう。
賃貸物件の音漏れ問題
音漏れ問題が無くならない理由
賃貸物件の音漏れ問題の多くは、マンションやアパートなどの集合住宅で起こる問題です。この音漏れ問題は古くから存在しているものの、現代でも無くなることはありません。なぜ音漏れの問題がなくならないのか? これは単純な理由で、「どんな音を騒音と感じるかは人それぞれだから」ということになります。ある人は「音漏れは感じない」と思える環境でも、別の人は「音漏れがうるさい」と言うことが当然ながら起こります。「どこからどこまでが騒音」という明確な基準がない以上、騒音トラブルはなくならないと思っていいでしょう。
主な音漏れの原因
- ピアノなど楽器の音
- 洗濯機や掃除機の使用音
- テレビやステレオなどの音
- フローリングなどの床を歩くときの足音。屋内にある扉の開閉音
- シャワーなど入浴時の音
集合住宅で音漏れ問題の原因となる代表的な生活音が上記になります。集合住宅によっては、「夜〇時以降の洗濯機・掃除機の使用は禁止」など、ハッキリと明記している住宅もあります。このように生活の中でどうしても出てしまうような音に関しては、時間帯に気を付けることで、大きなトラブルは避けられます。楽器の音やテレビの音、扉を強く閉める音などは、とりわけ気を付けて生活することが、集合住宅で生活するうえで最低限守るべきマナーと言っていいでしょう。
音漏れ問題が少ない物件はある?
集合住宅の主な建築工法
- 木造(W造)
- 鉄骨造(S造)
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)
代表的な集合住宅の施工構造がこの4つ。木造はご想像の通り、基本的な素材が木材の建造物になります。この木造における柱や梁の部分に木材ではなく鉄骨を用いるのが鉄骨造(S造)ということになります。鉄筋コンクリート造(RC造形)は木材ではなくコンクリートを素材として使用し、そのコンクリートで鉄筋を覆うことにより、コンクリートの短所と鉄筋の端緒を補い合うという工法になります。この工法を利用することで、建物の強度は高くなります。最後に鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)は、RC造の柱の部分にさらに鉄骨を使用する方法。高層ビルなどもこの工法で強度を保っています。
RC造は音漏れに強い?
RC造と聞くと壁もコンクリートであり、音漏れには圧倒的に強そうなイメージがあります。実際ネット上のサイトでも、「RC造は音漏れに強い」と書いているサイトは少なくありません。しかしこれ大きな誤解ですのでご注意ください。正確に表現すれば、「音漏れに強いRC造もあれば、音漏れをしやすいRC造も存在する」というのが正解でしょう。その仕組みを説明しましょう。
RC造でも隣室との壁がコンクリートとは限らない
RC造というのは、建物全体の強度を保つための構造です。すべての壁や柱をRC造で作っているとは限りません。簡単に言うと、「外壁はRC造だけど、各部屋を区切る壁(界壁といいます)は石膏ボード」という物件も少なくないということです。外壁をRC造にすることで、建物自体の強度が確保できるのであれば、建物内部の界壁は、軽くて安い素材を使った方が経済的ですから、当然そのような工法を取るのが当然でしょう。これは建築法に反している行為ではなく、何の問題もない工法になります。こういった物件ですと、建物自体はRC造でも、隣室との界壁は石膏ボードなどになりますので、音漏れには弱い物件となります。
物件情報だけでは分かりにくい
不動産店で目にする物件情報には、建物の構造は記載されていますが、界壁の情報までは掲載されていません。さらに界壁も、同じ石膏ボードを利用している界壁でも構造はいろいろあり、音漏れに弱い構造や強い構造が存在します。レオパレスの施工不良問題も、この界壁の部分で、設計図にある工法はある程度音漏れの対策がなされているものでしたが、実際の界壁は音漏れに弱い工法になっており、そこが問題となりました。不動産店で物件情報をみているだけでは分からない音漏れの対策に関して、物件を探す時にどうやってチェックすればいいのでしょうか?
音漏れ問題を回避する物件探し
内見には必ず行こう
物件探しをしている時に、音漏れの問題が起きにくい物件を見つけるには、現地に内見に行くことが重要になります。「百聞は一見に如かず」の言葉の通り、こればかりは自分の目で確かめるしかありません。そんな内見時のポイントをまとめておきましょう。
- 建物内の廊下などを歩いているときに、室内の音が漏れ聞こえていないか?
- 物件に入ったら、各部屋の壁を叩いてチェック
- 不動産店の同行担当者に、両隣と上下の階は入居しているかを確認
- 物件の周辺がうるさい地域か静かな地域かを確認。
内見で必ず見ておきたいポイント
内見で部屋に入ったら、まずは壁を叩いて確認してみましょう。この時「軽い音」がする壁は石膏ボードなど、音漏れの可能性がある壁となり、叩いた感触が堅い壁は、音漏れの心配が少ない壁となります。また、その部屋の両隣と上下階に人が住んでいるかどうかも確認。分かるようであればお子さんがいるのか一人暮らしなのかなども聞いておきましょう。お子さんがいるご家庭の場合、お子さんが部屋の中を走り回る音や、泣き声が聞こえる可能性があります。また、大学生やフリーターの一人暮らしの場合、夜型の生活をしている方もおり、生活時間帯がずれることで生活音が気になる可能性があります。最後に確認すべきは建物周辺の音。近くに幹線道路や鉄道の線路がある物件の場合、何もしなくてもある程度の騒音が考えられます。こういった騒音の可能性がある物件に住んでいる人は、基本的に騒音をあまり気にしない傾向にあり、音漏れの問題でもめる可能性は低いといえます。反対に物件が閑静な住宅街に立っているようですと、住人の中には騒音を嫌う人が住んでいる可能性があります。こうなると、こちらが意識していないレベルの音でも音漏れの問題が発生する可能性があります。
どうしても音漏れが気になるのであれば
物件を探している方が、騒音を気にするタイプの方であったり、以前騒音の問題で嫌な思いをした方などの場合は、できるだけ音漏れの問題を回避できる物件を探しましょう。
角部屋を選ぶ
集合住宅で考えれば、まずは「角部屋」です角部屋というだけで、隣接する部屋の数がひとつ減ります。それだけ音漏れのトラブルが起きる可能性を減らすことができるわけです。
家庭の事情に合わせて最上階か1階の角部屋を選ぶ
さらにご自身が騒音を気にするのであれば「最上階」を狙いましょう。最上階であれば、上の階からの騒音を考える必要はありません。逆に小さなお子さんがいるなど、ご自身の家庭で騒音を起こしてしまうかもしれないと危惧している方は1階の部屋を選びましょう。1階であれば下の階を気にすることなく生活することが可能です。
周辺の家賃相場より高額なRC造を選ぶ
上で説明した建築工法ですが、RC造の物件で界壁もRC造になっている可能性が高い物件なら音漏れの問題には非常に強くなります。こういった物件の特徴は、「周辺の同じような条件の物件に比べ家賃が高い」ことです。物件の家賃は立地条件、物件の広さ、そして建築工法により決まります。界壁までRC造にするということは、それだけ建築に費用がかかっているわけで、当然ながら家賃も高額になります。もちろんこういった物件でも内見をすることは忘れないようにしましょう。
そもそも騒音のする物件を選ぶ
音漏れの問題に直面したくないという場合、一層のこと騒音のする物件を選ぶという方法もあります。線路脇や大きな国道の近く、パチンコ屋の近くなど、常に音がする物件を選びましょう。こういった物件に住んでいる人は、そもそも騒音があまり気にならないタイプであると考えられます。そういった住人との間であれば、音漏れのトラブルが発生する可能性は低いといえるでしょう。
賃貸物件と音漏れ問題のまとめ
マンションやアパートといった集合住宅で暮らす以上、音漏れ・騒音の問題は切手も切り離せない問題です。こちらがいくら気を付けていても、受け取る側が「うるさい」と感じれば、それは音漏れ問題ということになってしまいます。根本的に解決をするのであれば、集合住宅に住まない、もしくは完全防音の集合住宅を探す、ということになりますが、これも地域によっては現実的ではありません。そこで必要になるのが、物件選びの際の情報収集です。まず内見は必ず行うようにしましょう。そして不動産店の担当者に、周囲の住人の情報を聞くことも重要です。自分の目で物件の中、立地状況を確認し、さらに物件情報を観ただけでは分からない情報を不動産屋さんに聞く。これだけでもトラブルを回避する確率はかなり高くなります。
たかが音漏れの問題と思っている方もいるかもしれませんが、これは意外と大きな問題です。一度、音漏れで近隣住人とトラブルになれば、リラックスできるはずの自宅でも音を立てないように緊張感を持って生活しなければいけません。さらにトラブルが原因でその物件から退去をするとなると、次の物件が見つかりにくくなる可能性もあります。そういったことにならないためにも、できる範囲でトラブルを避けるようにしましょう。そのためにポイントとなるのは、不動産屋選びです。物件の情報に詳しく、周辺の住人の情報を持っていて、何より親身に相談に乗ってくれる不動産店を見つけるのが最善の策といえるでしょう。