管理会社選びで注目を集める賃貸住宅管理業者登録制度とは?
近年、サブリース契約におけるトラブルが頻発しており、物件のオーナーが不足の損害を被るケースも発生しています。
そこで注目を集めているのが、国土交通省もメスを入れようとしている「賃貸住宅管理業者登録制度」です。今回は、この制度について詳しくご紹介します。
賃貸住宅管理業者登録制度とは何か?
そもそも、不動産投資を始めようとしている方のなかにも、賃貸住宅管理業者登録制度について知らない方も多いでしょう。物件のオーナーになる場合、必ず理解しておくべき制度です。
不動産投資を行うために物件を購入した場合、多くのオーナーが管理会社に管理を委託します。国土交通省の調査によると、賃貸住宅約1458万戸のうち、約8割のオーナーが管理会社と契約しているようです。その際に、冒頭で述べたようなサブリース契約を結ぶことも少なくありません。
そして、2011年に国交省が上記のような管理業務のルールの浸透を目的として創設したのが賃貸住宅管理業者登録制度。
賃貸住宅管理を業務として行う事業者を登録する制度です。管理会社を登録制にすることで、業務ルールが徹底され、どの事業者を選んでも物件のオーナーが不利益を被らないなどの効果が期待されています。
賃貸住宅管理業者登録制度の詳細
賃貸住宅管理業者登録制度は、受託管理やサブリース契約について、以下のいずれかひとつの事務作業を含む業者が国交省に登録できる制度です。
- 家賃、敷金等の受領事務
- 賃貸借契約の更新事務
- 賃貸借契約の終了事務
- 貸主との管理受託契約時の重要事項説明および、説明書への記名・押印
- 貸主に対する管理受託契約書への記名・押印
- サブリース契約時の貸主・借主への重要事項説明
上記のような業務を行う際、貸主に対する定期的な管理業務状況の報告や敷金の精算に関するルールが定められており、登録した業者は業務処理準則の遵守が求められます。
また、賃貸住宅管理業者として登録を受けるには、事務所ごとに以下のような要件が設けられています。
1名以上の管理事務6年以上の実務経験者または賃貸不動産経営管理士の設置
上記は義務であり、要件を満たしていない事業者は賃貸住宅管理業者として登録できません。賃貸不動産経営管理士とは、賃貸管理のスペシャリストのことで、アパートやマンションの賃貸管理に関する専門知識や技能を備えた資格をもった方を指します。
サブリース契約時にリスクの説明を義務付けているものの…
賃貸住宅管理業者として登録すると、サブリース契約時に将来の家賃改定等のリスクや重要事項の説明が義務付けられます。「それならサブリース契約で問題は起きないんじゃない?」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、賃貸住宅管理業者登録制度の最大の懸念点は、賃貸住宅管理業者登録制度として登録するかどうかが各業者の判断に任されている点です。賃貸管理業を行う場合、賃貸住宅管理業者として登録しているか否かは関係ありません。
ここで注意したいのは、賃貸住宅管理業者として登録している業者=良い、登録していない=悪いということではありません。登録を各業者の意思にゆだねているため、制度自体が形骸化しつつあるという点に問題があるのです。
国土交通省が賃貸住宅管理業者登録制度にメスを入れる?
上記の問題点については、国土交通省も把握しており、賃貸住宅管理業者登録制度のテコ入れが現在進められています。その流れを以下で簡単に解説します。
国土交通省は、賃貸住宅管理業の実態調査を目的として、2019年7月に「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」を実施しました。
その結果、「登録しておらず、今後も登録しない見込み」と回答した業者が25%いました。その理由としては、「営業上のメリットがない」「登録後の国への報告が負担大」などが挙がっています。
また、同様の調査ではサブリース営業時に家賃変動などのリスク説明を受けていないオーナーや不動産会社が5割程度いることも判明しています。そのため、国土交通省も制度のテコ入れが必要だと考えているようです。
改正の内容は?
2010年代に入り、シェアハウス投資やサブリース契約に関するトラブルが社会問題となりました。
トラブルの多くが家賃保証を売り文句としてサブリース契約を結んだ後、入居率が想定を下回ったことを理由に一方的に賃料の減額や解約を迫るケースがほとんどです。
サブリース業界は、一部の大手会社が9割近いシェアを握っており、いわゆる寡占化が問題とも指摘されています。
そこで、2020年に入り審議が進められている「適正化法(改正法)」では、以下のような行為規制を設けるとみられています。
- オーナーに対して将来の家賃変動や当初設定した家賃の根拠を示していくことなど契約条件を明記した書面の発行
- 重要事項の説明
- 勧誘行為に関する規制
また、管理戸数が200戸を超える業者には登録を義務化し、管理業務の現状を把握するなどの措置もとられるようです。
さらに、各事務所に統括的な管理者を配置することも求められるなど、管理業務を適切に運営できるような制度設計へと生まれ変わります。
賃貸住宅管理の登録業者に違反があったら?
賃貸住宅管理業者登録制度は、貸主と借主の利益保護や、管理業者を選ぶ際に適切に業務を行っている業者を選択するの役立つといった効果が見込まれます。
登録業者には、入居者からの預かり金管理や業務の状況報告書などを国に提出することが求められるためです。この報告書は、一般の方でも確認することができます。
それでは、賃貸住宅管理の登録業者に違反があった場合は、どのような対応がとられるのでしょうか。
国土交通省は、この点については「登録業者に違反があった場合は、指導や勧告、登録の抹消などの措置をとる」と回答しています。そのため、登録業者であるということは、少なくとも制度のルールを守っているということでしょう。
ちなみに、2020年5月現在、登録抹消となった業者は存在しません。また、登録業者に違反の疑い等がある場合は、オーナーからの相談電話も受け付けているそうです。
大切なのはしっかりと管理を行う業者を選択すること
物件のオーナーとして管理業者を選ぶ際、大切なのはしっかりと管理を行う業者を選択することです。
ホームページに記載されている実績だけでなく、実際に担当者と会って話をし、「この人に任せて大丈夫」と思えるかどうかも重要なポイントです。
この点について、ネクストライフではオーナー様のイメージに合わせた管理プランをご用意しています。保証システムも充実しているため、万が一のときのリスクも最小限に抑えられます。
運用担当者は賃貸管理に精通したプロばかりですので、初めて不動産投資を行う方にも安心です。ぜひ一度当社までお問い合わせください。
まとめ
近年は会社員の方が副業として不動産投資を行うことも増えてきました。そのため、自分で建物の管理をすべて行うのは難しく、管理会社を選定するケースも少なくありません。
管理会社の対応次第で入居率は大きく変化します。賃貸管理能力が高く、物件のある地域での集客力に優れ、保証などが充実した会社を選ぶのがおすすめです。
管理会社選びにお悩みの場合は、まずネクストライフまでお問い合わせください。オーナー様の悩みや懸念点を伺い、それぞれに合ったプランをご提案します。
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