島しょってどんな街?家賃相場はいくらぐらい?
伊豆諸島や小笠原諸島で知られる東京都の島々、島しょ。東京都の区域として位置付けられるこの島しょは、大小さまざまな島が南北1200キロメートルにわたり続いています。
どの島も豊かな自然に恵まれ、ユニークな文化や名産品がある島しょは観光などにも大変人気ですが、では住むとなったらどのような暮らしぶりになるのでしょうか。
島それぞれにカラーはあるものの、今回は、東京都の島しょ全域の町・村の様子についてまとめました。島しょでのお住まいを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
島しょってどんな街?
一般に東京都の島と言うと、伊豆諸島の9島と小笠原諸島の2島の計11島が知られていますが、それらの島々を管轄する自治体は9つあります。
伊豆諸島の自治体は、
- 島の北端に位置する大島町
- 島北部の利島を全域とする利島村
- 新島と式根島の2島からなる新島村
- 神津島などの島しょからなる神津島村
- 北部の三宅島・無人島の大野原島を村域とする
- 島中部の御蔵島および無人島の藺灘波島を村域とする御蔵島村
- 南部の八丈島および八丈小島を町域とする八丈町
- 南部の青ヶ島全域を村域とする青ヶ島村
で構成されています。
小笠原諸島の自治体は、日本の最東端である南鳥島と最南端である沖ノ鳥島、ほか30余りの島々を村域とする小笠原村1つのみです。
島や自治体それぞれの特徴は、約80%が椿の木に覆われている「利島」や美しい白浜と青い海が広がる「新島」、山の山頂部に砂漠や池のある神秘的な「神津島」…など、挙げ始めたらキリがありませんが、以下では島しょの自治体別人口や地理をまとめてみました。
島しょの人口と大きさ
島しょの自治体の人口は島ごとに公式ページで発表されています。ここでは自治体ごとの人口データを見てみましょう。
大島町(2019年6月末)
- 人口:7,585人
- 面積:90.76 km²
利島村(2014年10月1日)
- 人口:306人
- 面積:4.12㎢
新島村(2019年1月1日)
- 人口:2,722人
- 面積:27.54㎢
神津島村(2019年7月1日)
- 人口:1,911人
- 面積:18.58㎢
三宅村(2019年7月1日)
- 人口:2,452人
- 面積:55.27㎢
御蔵島村(2018年8月1日)
- 人口:321人
- 面積:20.54㎢
八丈町(2019年7月1日)
- 人口:7,379人
- 面積:72.23㎢
青ヶ島村(2019年6月1日)
- 人口:178人
- 面積:29.9㎢
小笠原村(2019年6月1日)
- 人口:3,045人
- 面積:104.4㎢
島の大きさと人口の規模で、それぞれの島の規模も何となく想像がつくのではないでしょうか。青ヶ島村は日本で一番人口の少ない村として知られており、悪い奴はみんな友だちどころか村民みんな友だちという規模です。しかし一方で、大島町は7,000人規模の町となっており、同じ伊豆諸島の島でも暮らし方は大きく変わってきます。
島しょの気候はそれぞれの島によってももちろん異なりますが、いずれも東京23区の町よりも温暖です。月ごとの平均を見てみても、比較的東京に近い新島村に属する新島では1月で9.3度、8月で25.9度なのに対し、小笠原村に属する父島では1月に18.2度、8月に27.8度という違いがみられます。
島それぞれのユニークさ
東京の島しょはどこも豊かな自然で溢れていますが、島それぞれに地形や気候、文化などに特徴があり、一言に島しょと言ってもとても的確には言い表せません。
東京諸島観光連携推進協議会からは「TOKYO ELEVEN ISLANDS」として伊豆諸島や小笠原諸島の魅力が余すことなく紹介されており、「電子しまぽ」というオンラインで集められるスタンプラリーも発行されています。
島しょへの移住は、このスタンプラリーを攻略し、島それぞれの魅力を知り尽くしてからでも遅くはなさそうですね。
島しょの交通について
住むとなると気になるのが交通事情。ここでは、それぞれの町・村における交通事情についてご紹介します。
島しょを走る鉄道はなし
島しょ部に鉄道が通っている島はありません。その代わり、豊かな観光資源を売りにした観光バスやライナーが通っている島もあるため、大抵の主要地域にはバスを利用していくことができます。
また、それぞれの島へは船、飛行機、ヘリコミューター「愛らんどシャトル」が利用でき、出発地から目的地への所要時間は東京諸島観光連携推進協議会の公式サイトで簡単に検索できるので大変便利です。
島しょ内にある交通手段
ここでは島内を移動できる交通手段を町・村別にご紹介しますj。
大島町
大島バス(大島旅客自動車株式会社)
大島町には島内の各所を結ぶ5つの路線バスが通っているほか、港から島の主要地域を巡る観光バスも発達しています。
路線バスには観光にも便利な1〜2日乗り放題のチケットも。
利島村
面積4.12㎢と小さい利島村にはタクシーやバスなどの公共交通機関がありません。また、車やバイクなどの貸し出しも行われていないため、移動は基本的に徒歩となります。
他の島までへの交通機関を利用する際は、必ず事前予約が必要なため、島間の移動は余裕を持って計画を立てておきましょう。
新島村
ふれあいバス
新島と式根島からなる新島村には無料巡回バス「ふれあいバス」が運行しています。詳しいルートマップはこちら。
連絡線にしき
式根島と新島間の移動には船が運行しています。通常ダイヤと夏季ダイヤが異なります。
新島村には、その他にも臨時の運行バスやタクシー、レンタカーなどが充実しています。住民は自転車の利用も多いです。
神津島村
村営バス
面積の比較的小さい神津島村ですが、村民の多いこの村ではバスが運行しています。島内どこでも一律200円(子ども100円)。観光シーズンは混み合うほか、本数は多くなく、飛行機・船などの時間とリンクしている訳ではないため、他の島からの移動の際にはあらかじめ時刻表のチェックを。
他にも、レンタバイク・レンタサイクル、レンタカー、タクシーがあります。軽自動車向けの細い道が多いため、慣れていないドライバーは慎重な運転を心がけてください。
三宅村
村営バス
三宅村の暮らしを支えているのはこの1日5本運営の村営バスです。車体が高く、車窓からの景色も抜群のこのバスは三宅島の海沿いを時計回り・反時計回りに運行しています。
朝の定期船を利用の方向けには早朝臨時バスが運行しており、こちらも時計回り・反時計周り方向のバスが2台止まっているため、利用の際はバスを間違えないように気をつけてください。
レンタカー、レンタルバイクのサービスもあります。
御蔵島村
面積が小さく人口の少ない御蔵島村には国道が通っていません。東京都道223号御蔵島環状線がありますが、村内を運行するバスなどはなく、タクシーやレンタカー業者もないため、基本的には徒歩や自転車での移動がメインとなります。
八丈町
八丈町営バス
底土港から末吉間を八丈町営バスが運行していますが、町民の多くは自家用車を利用しており、バスは基本的に観光客が使うものとなっています。運行本数は末吉行きが1日に11本、神湊行きが7本運行しています。
コミュニティーバス
1日に6便運行しているコミュニティーバスは、旧村役場から護神を通り、村役場に戻るルートで運行しています。
青ヶ島村
人口178人、面積は29.9㎢と、日本で一番村人の少ない村、青ヶ島村。八丈島経由でヘリか船でのアクセスとなりますが、ヘリは島民による予約で常にいっぱいであるほか、週4〜5本運航されるはずの船も50%ほどの就航率となっているため、アクセス自体が難しい村です。
村内もバスなどの公共交通機関は通っていないため、移動は自家用車がメインです。
小笠原村
小笠原村営バス
村役場〜小港海外を行き来する扇浦線と、大村〜奥村を循環するブルーライン・オレンジラインの2本が運航しています。
タクシーは父島タクシーの一社。母島にはタクシーはないものの有償の運送があり、利用するなら母島観光協会または宿泊先などで問い合わせが必要です。
ははじま丸
ははじま丸は、父島二見港と母島沖港を結ぶ貨客船です。1日1往復程度運航しています。
東京までの所要時間
それぞれの島までは、船、飛行機、ヘリコプターなど移動手段によって交通費と所用時間が変化します。また、高波や天候によって船が就航できないこともありますので、交通機関の利用には1週間単位で余裕を持ったスケジュールを組む必要がある島もあります。
船でのアクセス
東京竹芝から
- 大島(約4時間30分)
- 利島(大島から約1時間20分/トータル約5時間50分)
- 新島(利島から約50分/トータル約6時間40分)
- 式根島(新島から約20分/トータル約7時間)
- 神津島(式根島から約50分/トータル約7時間50分)
- 三宅島(約6時間30分)
- 御蔵島(三宅島から約50分/トータル約7時間20分)7:20
- 八丈島(御蔵島から約2時間50分/トータル約10時間10分)
- 青ヶ島(八丈島から約2時間30分/トータル約12時間40分)
- 父島(約24時間)
- 母島(父島から約2時間/トータル約26時間)
飛行機でのアクセス
調布から
- 大島(約25分)
- 新島(約40分)
- 神津島(約45分)
- 三宅島(約50分)
羽田から
- 八丈島(約55分)
ヘリコミューター「愛らんどシャトル」でのアクセス
大島から
- 利島(約10分)
- 三宅島(約20分)
- 御蔵島(三宅島から約10分/トータル約30分)
- 八丈島(御蔵島から約25分/トータル約55分)
- 青ヶ島(八丈島から約20分/トータル約1時間15分)
島しょ内にある道路について
各島しょ内における道路は、国道は無くその殆どを都道が占めています。バスやタクシーなどはほぼ観光客向けで、町民や村民の多くは自家用車やオートバイ、自転車を利用しています。
島の主要なお店が集まる繁華街は沿岸に位置しているため、町や村の中心地に住む場合は起伏も激しく無く、自転車も比較的楽に利用することができます。
島内に入っていく道路は基本的に1車線で、かつ細い路地が多いため、慣れていない人はゆっくり走って道に慣れるところから必要です。
島しょにある主要施設
ここでは、休日などにぜひ訪れてみたい島しょの島々の名所をご紹介します。
島しょの名所
式根島
式根島は、リアス式海岸である入江に囲まれた島で、その美しい景観から「式根松島」とも呼ばれています。透明度の高い海と白い砂浜、満点の星空が楽しめる式根島では、海岸を利用したダイビングや海水浴、カヤックなどのマリンアクティビティ以外にも、キャンプや展望台巡り、ハイキングなど、海以外のアクティビティも十分に楽しめます。
また、温泉にも定評がある式根島。島には無料で24時間入れる露天風呂などもあり、大自然を楽しみながら同時に温泉でものんびりできます。
小笠原諸島(父島・母島)
世界の自然遺産にも登録された小笠原諸島。テレビなどでもその美しい自然は頻繁に取り沙汰されていますが、中でも特筆すべきはその深い色を有する「ボニンブルー」の海でしょうか。
東洋のガラパゴスとも呼ばれるこの透明度の高い海では、ダイビングやシュノーケリングはもちろんのこと、野生のイルカやウミガメなども間近でみられます。
また、小笠原諸島では東京都心では味わえない南国のフルーツもたっぷり。レモンやパッションフルーツなど、本島では味わえない食材や、戦前から親しまれてきたと言われる島ラム酒は、小笠原諸島に来たら一度は味わってみたいグルメの1つです。
商業施設
伊豆諸島には神津島村に「スーパーまるはん」大島町に「げんろく」「武田商店」「紅屋」新島村には「おくやま」「ファミリーストアみやとら」、小笠原諸島には「小祝商店スーパー」「B.I.T.C小笠原生協」「佐藤商店」など、地域に根ざしたスーパーがそれぞれ立地しています。
しかしどのスーパーも大型スーパーなどのように大きいわけではなく、品揃えも都心と比べるとどうしても少なくなってしまいます。その代わり、地域で取れた野菜や果物などが各地で局所的に安く売られており、食品など、日々の暮らしに必要な最低限の物資はこれらのスーパーや直販所などで事足ります。
島しょの家賃相場
伊豆諸島や小笠原諸島をはじめとする島しょ部にはワンルームなどの単身世帯向け物件が少なく、こちらに掲載できる該当物件がありません。
東京の島しょ部でお住まいをお探しの際は、ネクストライフまで直接ご相談ください。
ネクストライフ 相模大野店
・住所 〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野3-12-6 アポロ相模大野ビル2F
・アクセス 小田急線 相模大野駅 徒歩5分
・電話番号 0120-973-426
・定休日 水曜日(お問い合わせ、予約可)年末年始 1月~3月は無休
島しょの物件探し まとめ
豊かな自然に囲まれ、自然遺産にも登録されている東京の島しょ部の町、村々。お世辞にもアクセスが良いとは言えない島しょ部では、人だけでなく物資や水などの輸送も高額。不便を不便と思わず、楽しめるような人が島しょでの暮らしに向いていると言えるでしょう。
東京でありながら、東京どころか日本本土では体験できない自然に根ざした暮らしを育むことができる島しょは、北は 大島町から南は小笠原村までカラーも様々。
今回は島しょ全域をピックアップしましたが、島しょへのお引っ越しを考えている方は、ぜひいろいろな島を回ってみて、自分のお気に入りを見つけてみてください。