ペット可の賃貸物件で多頭飼いしたい!部屋探しの注意点や交渉のコツとは?
コロナ禍の影響で起きたペットブームは、今もなお続いています。毎日の暮らしに癒しをもたらすペットは、家族同然の存在です。そんな中、ペットの多頭飼いを希望する人も少なくありません。しかし、賃貸物件でペットの多頭飼いは可能なのでしょうか?
賃貸物件でペットの多頭飼いはできる?
賃貸物件だからといって、飼育できるペットは1頭だけという決まりはありません。複数飼育しても良い、という物件であれば賃貸においても多頭飼いは可能でしょう。
しかし、実際にペット可の賃貸物件でも飼育できるペットの頭数が決められていることが多いです。ペット可だからといってすべての物件が多頭飼いできるわけではありません。
仮に無断でペットを多頭飼いし、退去時に多頭飼いがバレてしまうと、契約違反(報告義務違反)で高額な退去費用が請求されるケースもあります。入居中にバレれば、契約違反で強制退去を命じられる可能性があるでしょう。
間違っても、大家さんや管理会社に無断でペットの多頭飼いをするのはNGです。
ペット多頭飼いの賃貸部屋探しのポイント
多頭飼いできる賃貸物件を探すには、注意しておきたいポイントもいくつかあります。物件数は少ないですが、多頭飼いできる可能性がゼロというわけではないので根気よく探してみましょう。
ここで、ペットの多頭飼いを希望する人の部屋探しについてポイントや注意点をご紹介します。
ペット可物件の規約を確認すること
賃貸でのペット可物件はたくさんあるものの、ペット可=多頭飼いができるというわけではありません。頭数はもちろん、ペットの種類や大きさが指定されている賃貸物件もあります。
ポータルサイトなどで「ペット可物件」を抽出して部屋探しをする際には、規約の備考欄に「多頭飼い可(相談)」などと記載があるかどうか確認しましょう。不動産店舗で部屋探しを依頼する際は、はじめから多頭飼いを希望している旨を伝えておくとスムーズです。
必要書類を確認・準備すること
ペット可物件の手続きではペットにかかわるさまざまな書類を求められることがあります。ペットの写真、ワクチン接種証明書、犬鑑札や狂犬病予防注射済証などです。
ペットの大きさや年齢は大家さんにとっても、気になる情報です。ただ、ペットは成長によって大きさが変わるケースもあるので、なるべく現在に近い姿の写真を用意しておくとよいでしょう。
ワクチン接種証明書や狂犬病注射済証が求められるのは、ペットはもちろん人間に対する安全性を証明するために必要だからです。物件によっては健康診断書を求められることもあるでしょう。
ペット共生賃貸が理想的
ペット共生賃貸とは、一般的なペット可物件(ペット相談可物件)と違い、はじめからペットと暮らすことを想定して作られた物件です。敷地内に足洗い場があったり、ドッグランがあったり、傷がつきにくく滑りにくいフローリングが採用されていたりと、ペットと人間が共生するための工夫がたくさん取り入れられています。
大家さんや管理会社もペットと暮らすことに理解があるため、多頭飼いを希望するなら、なおさらペット共生賃貸が理想的と言えます。
ペット可物件で多頭飼いするための大家さんへの交渉術
ペット可物件の場合、交渉次第で多頭飼いが認められる可能性があります。ここで、大家さんや管理会社への交渉のポイントについてご紹介しましょう。
トラブル対策について伝える
ペットの飼育には騒音やニオイ、抜け毛などのトラブルがつきものですが、多頭飼いであればさらにトラブルのリスクも増えます。大家さんの立場にしてみれば、多頭飼いを不安視するのも無理はありません。そこで、前もってトラブル対策を伝えておくと印象も良くなるでしょう。
たとえば、吠えないようにしつけていること、マメなお手入れでニオイや抜け毛対策をしていることなどです。共用部でペットが歩かないよう、ペット用のバッグやバギーを使ったり抱っこしたりするのもトラブル対策になります。トラブルに対してどのように配慮するかを事前に伝えることも、交渉時に大切なポイントになります。
閑散期を狙って交渉する
賃貸市場では6〜8月あたりが閑散期と言われており、大家さんにとっては入居者が見つかりにくい時期でもあります。空室状態だと収入が途絶えるため、空室を埋めるために大家さん自身も交渉を受け入れてくれる可能性があるのです。
多頭飼いできる物件がなかなか見つからないときは、仕切り直して閑散期に部屋探しをするのもおすすめです。
家賃や敷金を多めに支払う
賃貸物件でペットを飼う際は、もともと家賃や敷金が通常よりも高く設定されているケースが一般的です。そのうえで、さらに家賃や敷金を上乗せすることで多頭飼いが認められる可能性があります。
交渉時には、家賃や敷金を多めに支払うことを大家さんに提案してみるのも良いでしょう。
賃貸物件でペット多頭飼いする注意点
多頭飼いする上で気をつけておきたいのは、飼育上の注意点だけではなく契約時のトラブルや周囲への配慮です。ここで、賃貸物件で多頭飼いを検討している人に知ってほしい注意点について詳しくご紹介します。
契約時は費用内訳をしっかり確認する
前にも説明したとおり、ペット可物件は家賃や敷金が相場より高く設定されることが一般的です。なぜなら、ペットを飼育することで壁や床に傷や汚れがついたり、ニオイが染み付いたりする可能性があるからです。その点を踏まえ、契約時は費用内訳をしっかり確認するようにしましょう。
(例:家賃や敷金とは別に退去時のクリーニング費用がかかる、など)
周囲への配慮
たとえペット可物件であっても、同じマンション・アパートにはペットを飼育していない人が入居していることもあります。ペット共生賃貸のようにペットの配慮されている物件なら話は別ですが、ペットが原因で住民トラブルを招くケースもあるので注意が必要です。
多頭飼いの場合はペットたちの足音も響きやすいです。周囲への配慮のために、なるべく1階の部屋を選んだり、足音が響かない防音マットやカーペットを敷いたりするのがおすすめ。ペットの飼育が認められていても、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
ペット多頭飼いにおける退去時の注意点
賃貸物件でペット多頭飼いが認められても、退去費用が高額請求される可能性があるのであらかじめ注意しましょう。特に、床で爪とぎをしたりドアや柱をかじったりした場合は、張替えや補修工事が必要なので退去費用も高額になりがちです。壁の破損や汚れも、場合によっては下地部分まで取り替えなくてはならないこともあります。ダメージがひどければひどいほど、退去費用は高額になりがちです。
退去時の原状回復については「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でまとめられており、通常使用による摩耗や経年劣化は貸主負担、故意または過失による破損や劣化は借主負担になるのが一般的な考え方です。ペットの飼育で破損や劣化が生じた場合、そのほとんどが借主負担で原状回復しなければならなくなるでしょう。
退去時、もしも原状回復の内容が貸主か借主どちらの負担になるか判断しづらい場合は、粘り強く交渉することをおすすめします。
まとめ
ペットを単体で飼うよりも、多頭飼いの場合は部屋探しのハードルが高くなります。希望のエリアやこだわり条件がある場合は、よりお部屋探しが難しくなるため、譲れない条件を絞りながら大家さんへの交渉も視野に入れましょう。入居後のトラブルを防ぐためにも、事前に対策を練っておくと安心です。