横浜市保土ケ谷区ってどんな街?家賃相場はいくらぐらい?
横浜市の中心に位置し、西区・南区といった大きな区にも隣接している保土ヶ谷区。横浜、都内へのアクセスの良さもさることながら、鎌倉へも20分ほどで着いてしまうなど、毎日の暮らしのみならず、休日のおでかけにも便利な街です。また、同所は評論家のおすぎとピーコ、また今をときめく女優、剛力彩芽の出身地でもあります。
保土ケ谷駅近くには古い住宅や家族世帯向けのマンションが立ち並んでおり、単身世帯向けの物件は駅から離れたところに増えてきますが、駅から少し離れると高低の激しい丘が広がるため、毎日の通勤には少し不便を感じるかもしれません。
東海道五十三次にも登場する同区。街には歴史を感じるスポットも随所に見られます。今回はそんな、長い歴史を持ち、区民に長く親しまれてきた保土ケ谷区についてご紹介します。横浜近辺で住まいをお探しの方はぜひ参考にしてみてください。
横浜市保土ケ谷区ってどんな街?
東海道五十三次の4番目の宿場町であった「程ヶ谷宿」に由来しているのが「保土ケ谷区」。かつては徳川家康もこの保土ケ谷を通って江戸や東京へ行ったのでしょうか。この宿駅制度は制定されてから、2001年で400年を迎えています。区の公式ホームページでは、保土ケ谷区の表記を
「保土ケ谷区」の「ケ」は大きな「ケ」です!
と主張しているのがちょっとユニークなところ。
そんな保土ケ谷区は人情味溢れる、古き良き商店街も点在しており、古き良き街の暖かさが街のそこかしこで感じられます。お店もチェーンのスーパーのみならず、個人商店や個人経営の飲食店なども充実しているため、外食のシーンでも退屈することはなさそうです。
ここでは保土ケ谷区の情報を、統計的・地理的なデータ面からまとめてご紹介します。
横浜市保土ケ谷区の人口と大きさ
横浜市保土ケ谷区の人口は、2019年5月1日の推計人口で205,670人。横浜駅もほど近く、住むには人気の区かと思いきや、横浜市18区中では9番目。そこそこの人口です。世帯数も96,021戸(市内8位)と多からずとも少なからず。もしかすると、住むには穴場の区かもしれません。
面積も市内21.81㎢と市内11位のため、まさに横浜市のなかで、立地・人口・面積、共にちょうど中間に位置するような区と言えます。
特筆すべきは平均年齢(46.4歳)と年少人口比率(11.4%)でしょうか。こちらは共に横浜市の中でも順位が低い方で、区には家族世帯や高齢者世帯が比較的多いことがうかがえます。
保土ケ谷区役所では、保土ケ谷に関する基本的な統計データをわかりやすくまとめてくれています。同じ横浜市でも、こうしたデータの公開は区によってばらつきがあるため、もし保土ケ谷区への転入を家族で検討しているならちょっと嬉しいサービスですよね。
資料には横浜市の区別住宅地平均公示価格などもリスト化されており、保土ケ谷区の住民のみならず、横浜市への住まいを考えている方は要チェックの資料です。
古き良き横浜を今に残すまち
先ほど少し触れたように、東海道五十三次の4番目の宿場町であったとされる保土ケ谷。ここには宿場町としての顔以外にも、シルクロードとしての顔も持ち合わせていました。近代には、横浜市から大和市、相模原市を経て八王子に至る八王子街道(別名絹街道)を牛や馬が絹を運び、横浜の発展に大きく寄与しています。
そんな歴史的背景もあり、保土ケ谷では随所に江戸の風情が見られる景色が広がっています。「程ヶ谷宿」時代の面影を残した建物や史跡があり、休みの日には街の看板に沿って旧街道をめぐる散歩などもできてしまいます。
区の語りべ会ではエリアごとに区の魅力をまとめた冊子が配布されており、PDFダウンロードも可能です。
横浜市保土ケ谷区の交通について
保土ケ谷区には2路線の電車が走っており、保土ケ谷の地形をカバーするように南と北へ広がっています。一方は鎌倉、もう一方は湘南方面へとつながっており、両者は西横浜あたりで合流し、横浜へと至ります。
横浜市保土ケ谷区内を走る鉄道は2つ
保土ケ谷区内を走っている鉄道は以下の2つです。
- JR東海道本線・横須賀線(湘南新宿ライン・宇都宮線直通)
- 相鉄本線
保土ケ谷区を走るこの2路線は、湘南や鎌倉方面から横浜へと至る中継地点で、上記方面からの通勤・通学者で朝は混み合います。湘南新宿ラインは渋谷、新宿、大宮方面まで直通のため、混み合う横浜駅の前に乗車できるのはちょっぴり嬉しいですね。
また、JRは鎌倉駅へ、相鉄線は湘南台へとそれぞれつながっているため、休日にはサクッと海まで出られてしまいます。家族世帯にも嬉しい特典です。
横浜市保土ケ谷区内にある駅一覧
横浜市保土ケ谷区内にある駅は、以下の2路線6駅です。
- JR東海道本線・横須賀線(湘南新宿ライン・宇都宮線直通)
「保土ケ谷駅」 - 相鉄本線
「西谷駅」「上星川駅」「和田町駅」「星川駅」「天王町駅」
保土ケ谷駅はJR横須賀線・湘南新宿ラインの停車駅のため、都内の主要駅まで乗り換えなしで行くことができます(JR保土ケ谷駅は横須賀線のホームのみ停車のため、注意が必要です)。
また、横浜駅の隣駅ということも手伝い、同駅は保土ケ谷区では利用者数トップの駅です。横浜駅まではなんとたったの3分。カップラーメンを待っている間についてしまいます。
利用者が多いのは何と言っても「保土ケ谷駅」で、神奈川県内の駅乗降客数は69位にまでのぼります。区の南西に住む場合は東戸塚駅が最寄りとなりますが、同じくJR東海道本線と湘南新宿ラインが通るため、利便性に代わりはありません。
こちらは1日あたりの乗降客数の順位です。
- 69位 保土ケ谷駅 JR東海道本線 65,528人
- 148位 天王町駅 相模鉄道本線 26,835人
- 135位 星川駅 相模鉄道本線 28,938人
- 159位 上星川駅 相模鉄道本線 24,364人
- 166位 西谷駅 相模鉄道本線 23,194人
- 211位 和田町駅 相模鉄道本線 16,140人
(34位 東戸塚駅 JR東海道本線 116,974人)
主要駅までの所要時間
ここでは、保土ケ谷区におけるメインの駅、JR線「保土ケ谷駅」からの横浜・東京各方面の主要駅までの所要時間をご紹介します。
・横浜駅 3分(JR横須賀線「保土ケ谷駅」から乗り換えなし)
・川崎駅 32分(JR横須賀線「保土ケ谷駅」からJR東海道本線「戸塚駅」で乗り換え)
・品川駅 28分(JR横須賀線「保土ケ谷駅」から乗り換えなし)
・渋谷駅 32分(JR湘南新宿ライン「保土ケ谷駅」から乗り換えなし)
・東京駅 33分(JR横須賀線「保土ケ谷駅」から乗り換えなし)
・新宿駅 37分(JR湘南新宿ライン「保土ケ谷駅」から乗り換えなし)
横浜市保土ケ谷区内にある道路について
保土ケ谷区では、古来より横浜に至る道だったことが影響しているのか、東西南北に様々な道路とバイパスが通っています。
高速道路だけでも合わせて5つあり、下記の通りです。
- 第三京浜首都高速神奈川2号三ツ沢線
(横浜市西区〜神奈川区三ツ沢) - 首都高速神奈川3号狩場線
(横浜市中区本牧〜保土ケ谷区) - 国道1号横浜新道、国道16号横浜新道
(横浜市神奈川区〜戸塚区上矢部町) - 保土ヶ谷バイパス
(横浜市保土ケ谷区〜東京都町田市)
国道は366号、1号、16号と通っており、上記高速道路と接続もしています。そのほか市道・県道も充実しており、起伏の激しい土地を多くのバスが運行します。運行しているバスは下記の3社。
- 横浜市営バス
- 相鉄バス
- 神奈川中央交通
横浜市保土ケ谷区にある主要施設
丘の上にも家々が集中しているため、お年寄りも通学者も毎日のようにこれらのバスを利用しています。帰りが遅くなる方などは、毎日の通勤・通学でこのような道を利用するのは少し骨が折れますが、その分家賃も下がる傾向にあるため、車通勤の方には嬉しいですね。また、道路が充実しているため、休日のお出かけ先の選択肢も広がります。
保土ケ谷には昔ながらの名所はもちろん、休日などに行ってみたい商店街なども充実しています。また、地域の子育て支援拠点事業の取り組みで、登録だけで誰でも無料で利用できるお父さん/お母さんと子どものためのコミュニティスペースなどもあり、連日多くの親子で賑わっています。
鎌倉駅まで乗り換えなしで20分という魅力的な立地の保土ケ谷ですが、保土ケ谷から移動しなくても、楽しめるところがたくさんあります。ここでは、保土ケ谷区にある主要施設や名所をご紹介します。
保土ケ谷区の名所
神奈川県立保土ケ谷公園
神奈川県で最初に作られた運動公園がここ、神奈川県立保土ケ谷公園。東京ドーム約7個分にも及ぶ広大な敷地には硬式野球場をはじめ様々な運動場が用意されており、駐車場も完備しているため、多くのスポーツ愛好者が遠方からも利用しに訪れます。
ここには野球場の他にも、人工芝のラグビー場や体育館、テニスコートなどがあり、平日休日問わず多くの人たちがここで運動を楽しんでいます。そしてなんと2002年のW杯ではこちらのサッカー場がサブグラウンドとしてドイツチームが利用し、多くの注目を浴びました。その際に芝生も国際基準となったため、サッカーの練習試合などにはもってこいのグラウンドとなっています。
運動せずとも、ピクニック広場やいこいの広場なども充実しており、休日などには近隣のボランティアによる花壇整備などがおこなわれています。季節ごとに異なる自然をた感じ、四季を楽しむことができます。
陣ケ下渓谷公園
本格的なトレッキングを楽しめる横浜の穴場、陣ケ下渓谷(じんがした)渓谷。なんでも横浜で唯一渓谷と呼ばれている谷だそうで、相鉄線に沿うように流れる帷子川(かたびらがわ)の支流にあたる場所にあります。
横浜市内とはとても思えないような自然の豊かさで、夏の暑い日などにはぜひとも訪れたい場所です。舗装されている道は少なく、足は濡れ服は汚れることうけあい間違いなしなので、訪れる際は相応の格好をしていくこと。
また、自販機や休憩所といった類のものはないので、水分は各自で持っていくようにしましょう。自然が豊かで虫も多いため、虫除けスプレーも必須です。
遊具が特にあるわけではなく、ただただ渓谷の中を歩くだけではありますが、たまには都会の喧騒を忘れ、自然の音に耳を傾けてリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
権太坂
駅伝ランナーの間で難所として名高い坂、その名も権太坂。国道1号を少し外れるとこの場所はあり、毎年恒例正月の箱根駅伝ではテレビ中継でもよくスポットを浴びています。
いまとなっては舗装され、なだらかな坂となっていますが、できた当時はさらに傾斜のきつい坂が1番坂、2番坂、と続いていたそうです。保土ケ谷は昔から江戸から鎌倉などへ続く要所でしたから、それこそ早朝に江戸を出発し、へとへとになった旅人にはきつい坂だったことでしょう。
坂の名前の由来は横浜市の公式サイトにも記載されており、どうやら2つの説があるようです。
坂の名前の由来は、旅人が老人に坂の名前を尋ねたところ、自分の名前を聞かれたと思い「権太」と答えたという説と、藤田権左衛門という開発者の名前から「権左坂」と呼ばれていたものが転じたという説があります。
商業施設
保土ケ谷駅周辺には「FUJI GARDEN」や「まいばすけっと」、「マツモトキヨシ」などがあるため、普段の買い物で特に困ることはないでしょう。保土ケ谷駅以外の駅も、駅周りは小さな地元密着型のスーパーが充実しています。
ただし、コンビニは駅近のみで、駅から離れると買い物は難しいです。通勤・通学の行き帰りで買っておくのがべターです。
松原商店街
横浜市西区と保土ケ谷区にまたがる激安商店街としてその名を轟かせているのがこの松原商店街。正式名称は横浜洪福寺松原商店街で、シーズンごとに様々なイベントもひらかれています。定期的に公式サイトやTwitterをチェックしてみると、マグロのお刺身や厚切りの鮭の切り身が激安で買えてしまうかも!?
イオン天王町店
買い物は休日一気にまとめ買い!という方には力強い味方のイオン。また、電子マネーWAON利用者にもありがたいですね。ここのイオンは建物自体は古いですが、商品のラインナップは他のイオンと同様、新鮮で充実しています。DAISOがあるのも生活には地味に便利です。
イートインスペースのほかに、入り口近くには休憩できるテーブル席やソファー席もあるため、少し買い物に疲れたらほっと一息入れることもできます。
コーナン
保土ケ谷に住むならきっと1度はお世話になるであろうホームセンター。アクセスしやすい国道16号線に立地しており、なんと充実した駐車場スペースは無料です。洗剤や化粧品などの生活雑貨のほかに、DIYで使える木材も充実しています。
2019年現在、配送は120kg以下で一律1,080円と良心的なため、重量物を購入する際も何かと安心です(配送には数日かかる場合もあり)。
横浜市保土ケ谷区の家賃相場
最後に、横浜市保土ケ谷区の主要駅付近の家賃相場をご紹介します。瀬谷区内に住もうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
保土ケ谷駅の家賃相場
・ワンルーム 4.90万円
・1K 5.70万円
・1DK 7.40万円
・1LDK 8.70万円
・2DK 6.10万円
・2LDK 7.90万円
・3LDK 13.20万円
星川駅の家賃相場
・ワンルーム 5.10万円
・1K 5.50万円
・1DK 6.10万円
・1LDK 8.20万円
・2DK 9.00万円
・2LDK 12.10万円
・3LDK 12.50万円
横浜市保土ケ谷区の物件探し まとめ
横浜、東京へのアクセスのみならず、鎌倉、湘南方面へのアクセスにも便利な街、保土ケ谷。横浜市の中心でありながらも、家賃は西区や南区よりもかなり抑えることができるため、特に家族世帯には穴場の街と言えます。
駅中心地から少し離れると豊かな自然や運動公園もあるため、かなり生活のQOLを高めた生活ができるのではないでしょうか。