空き家が家賃1万円で借りれるって本当?知って得する空き家バンク活用法
テレワークの普及や新しい生活様式により、都会から田舎へ移住する人が増えています。もしも郊外に移住するなら、住まいを確保する方法の一つとして「空き家バンク」の利用がおすすめ!空き家バンクなら、家賃1万円の物件が登録されているケースも珍しくありません。本記事では、知って得する空き家バンクのサービス内容やその特徴、利用するメリットやデメリットなどをくわしく解説します。
家賃1万円の空き家も!移住に便利な空き家バンクとは
空き家バンクとは、国や自治体が推進している物件紹介サービスのことです。サービスを通して、空き家を貸したい・売りたい人と空き家を探している人をマッチングし、空き家の有効活用を図っています。
空き家バンクには次のようなメリットがあります。
- 移住にかかる費用を抑えられる
- 補助金制度などの支援が受けられる可能性がある
- 移住するだけで地域に貢献できる
くわしくは本記事の「空き家バンクを利用する3つのメリット」を参考にしてください。
家賃1万円物件や長期の居住で譲渡するケースもある
空き家バンクに登録している物件は、家賃1万円以下で借りられる物件があったり、長期間借りることで譲渡してもらえる物件があったりと、いずれもお得です。一部の自治体では取得費用0円で空き家を譲渡するサービスもあります。
また、空き家バンクを利用すれば不動産会社を通さずに直接交渉できるため、仲介手数料も発生しません。家賃だけではなく初期費用も抑えられるので、経済的負担を減らしたい人にもうってつけです。
※空き家バンクとはいえ、民間の不動産会社が仲介する場合は仲介手数料が発生します。
格安で貸し出すことができる理由
そもそも家賃1万円、むしろ0円で空き家を提供するのは不自然なのでは?と思う人も少なくないでしょう。実は、空き家バンクに自分の物件を登録することで、貸主にとってもメリットがあります。
まず、空き家とは言え不動産を所有しているだけで固定資産税や管理費などの費用が発生します。このような経済的事情から、空き家や土地の無償譲渡を選択するケースも珍しくありません。
加えて、空き家は定期的な清掃や修繕が必要になります。空き家を放置すると倒壊リスクや周辺環境へ悪影響を及ぼすリスクがあり、場合によって犯罪に巻き込まれることも少なくありません。特に、空き家の所有者が遠方に住んでいる場合は管理が困難なので、格安で貸し出したり無償譲渡するケースがあります。
また空き家の放置により自治体から「特定空き家」に指定されると、固定資産税が最大6倍になったり、行政代執行により強制的に解体されたりするおそれもあります。
貸主からすれば、誰も住まない家を所有し続けるよりも「わずかでも収入が得られれば嬉しい」「誰かが住んでくれるだけで嬉しい」と考えるのはごく自然なことと言えるでしょう。
空き家バンクを利用する3つのメリット
ここで空き家バンクを利用するメリットをご紹介します。
移住にかかる費用を抑えられる
空き家バンクで取り扱っている物件は、いずれも相場より安く設定されている物件がほとんどです。
住み替えるだけなら初期費用や引越し費用だけで住むかもしれませんが、遠方への移住する場合は現地見学のための宿泊費や交通費など、さまざまな費用がかかります。新生活に必要な費用を手元に残しておきたい、と考える人もいるでしょう。
空き家バンクなら初期費用や家賃が格安なので、移住にかかる費用そのものを抑えることができます。
補助金制度などの支援が受けられる場合がある
空き家バンクを利用することで、自治体から補助金が支給されるケースもあります。自治体によって取り組み内容はことなりますが、おもな補助金には次のようなものが挙げられます。
- 空き家等改修やリフォームに対する補助金
- 家財道具等処分費用への助成金
空き家を購入する際は、フラット35の金利優遇措置や購入に対する補助金制度が利用できる場合もあるので、移住を検討している自治体のホームページを確認するとよいでしょう。
移住するだけで地域に貢献できる
空き家バンクを利用して移住すれば、その地域の人口減少や過疎化の問題解決に貢献することができます。なぜなら、空き家バンクの目的は空き家問題の解決や不動産の有効活用だけではなく、移住促進や地域の活性化も含まれているからです。
空き家が多い地域は、人口が少なく過疎化が進むことがあります。その結果、商業施設や公共施設が減り地域経済が停滞することもあるのです。
空き家バンクを利用して移住すれば、その地域にとって経済の活性化に繋がります。
空き家バンクを利用する3つのデメリット
続けて空き家バンクを利用するデメリットを紹介します。
必ずしも理想の暮らしが叶えられるわけではない
自ら望んで古民家に移住したいという人でも、実際に暮らし始めると理想の暮らしとのギャップを感じて後悔することがあります。空き家バンクのサイトに物件情報がくわしく掲載されていなかったり、地域の風土になじめなかったりと、理由はさまざまです。
空き家バンクのサイトを見ただけでは、物件の魅力をすべて知ることはできませんし、地域の雰囲気を感じ取ることもできません。住み始めてから後悔しないためにも、空き家バンクを利用する際は実際に現地へ足を運び、自分の目で物件を見ることが大切です。自治体によっては移住体験をしていることもあるので、地域の雰囲気を知りたい人は利用してみるとよいでしょう。
修繕費用の負担が大きい可能性もある
一般的な賃貸物件なら、入居者の故意ではない設備の故障や経年劣化による不具合などは貸主(大家さん)が修繕費用を負担するようになっていますが、空き家バンクの場合は格安で貸し出しているぶん、借主が修繕費用を負担する契約となっているケースが多いです。
特に空き家は長年メンテナンスが行われていない可能性があるので、室内が劣化しやすく設備も壊れやすい可能性があります。万が一の場合は修繕費用の負担が必要であることを理解しておかなくてはなりません。
自ら貸主とやり取りしなくてはならない
空き家バンクの契約や交渉の際は、物件の所有者と直接やり取りしなければなりません。なぜなら、空き家バンクの運営元が民間ではない限り、自治体が不動産の仲介業務を行うことはできないからです。
不動産の売買や賃貸の経験がある人なら、空き家バンクで直接やり取りしてもよいでしょう。しかし経験がない場合は、不動産会社に仲介してもらったほうが安心です。自治体によっては不動産会社との仲介契約を必須としているケースもあるので、ホームページで確認しましょう。
空き家バンクを利用する方法
空き家バンクを利用するには、大きく3つのステップが必要となります。
- 空き家バンクのサイトで物件をチェックする
- 物件の問い合わせをする
- 所有者と直接交渉または不動産会社の仲介で交渉を進める
空き家情報は、各自治体が運営している空き家バンクのサイト以外にも、不動産ポータルサイトの特設ページで検索することが可能です。
自治体によっては空き家バンクに直接登録しなければならないケースもありますが、気になる物件が見つかれば問い合わせフォームを利用して申し込んでみましょう。
自治体は実際の取引には関与しないので、物件所有者とマッチングした場合には直接やり取りして交渉を進めましょう。不動産の仲介が必須である場合は、この限りではありません。
まとめ
空き家バンクを利用すれば、家賃1万円の物件や無償譲渡してもらえる物件に巡り会えるかもしれません。いずれにせよ格安で空き家を借りることができるので、移住費用を大きく抑えることができるでしょう。ただし、空き家バンクを利用する場合には所有者と直接やり取りをしたり、修繕費の出費がかさんだりするケースもあります。空き家バンクを利用したいなら、契約時に必要な基礎知識を身に着けておくと安心です。各自治体の空き家バンクのサイトなどに物件情報が掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。