同棲の入居審査は厳しい?賃貸物件の審査に通りやすくなるポイントとは
パートナーと部屋探しをして、夢の二人暮らしを始めたい…想像するだけでワクワクする話ですが、不動産業界では同棲での入居審査が難しいと言われています。何度も審査をしたのに通らなかった、というカップルも少なくありません。入居審査が難しいのにはきちんとした理由がありますが、方法次第で入居審査に通りやすくなることもあります。そこで今回は、同棲カップルの入居審査が難しいとされている理由から、入居審査を通過するポイントについてご紹介します。
同棲の入居審査が厳しい理由と入居審査の内容
二人入居の場合、単身入居に比べると審査が厳しくなっています。その理由は、大家さん側にとってリスクを多く抱える可能性があるからです。
たとえば、カップルや友人同士で入居をしても途中で関係がこじれてしまい、どちらか一方が部屋を出てしまう可能性があります。もしも一人で払いきれないほどの家賃なら、家賃滞納のリスクがあるのです。これが夫婦の場合、どちらか一方が離れる可能性はほぼ無いと判断されるため、カップルや友人同士に比べると審査が通過しやすくなります。
とはいえ、入居審査には明確な基準はありません。もしもこれからパートナーと同棲や同居を考えているなら、入居審査の仕組みを理解しておくと対策を練ることができます。
賃貸物件の入居審査で見られるポイント
賃貸物件では、家賃滞納や近隣トラブルなど大家さん側が負うリスクも多いです。そこで、安心して物件を貸せる人かどうかを入居審査で判断する必要があります。特に、重要視されるのが入居者の経済状況。では、同棲での入居審査でチェックされる項目について具体的にご紹介しましょう。
①家賃に対する支払い能力
同棲の場合、契約者の支払い能力がチェックされます。雇用形態や勤続年数も影響するため、年収だけではなく収入の安定性も重要なポイントです。月収ではなく、年収が家賃の36倍以上(=家賃が手取り収入3分の1以下の物件)なら支払い能力ありと判断されやすいでしょう。
★たとえば…家賃6万円の物件なら年収約216万円、月収約18万円以上(税込)。基準より年収が大きく下回っていると支払い能力がないとみなされ、落ちる可能性が高くなります。
②個人信用情報
利用する保証会社にもよりますが、契約者の個人信用情報を調べて社会的信用をチェックする場合があります。クレジットカードの滞納歴があったり、自己破産の事実があったりすると審査通過も困難です。個人信用情報に傷がある場合は、個人信用情報機関のCICやJICCに登録していない保証会社(が利用できる不動産会社)を探しましょう。
③同居人との関係性
同棲の場合、同居人との関係性が重要視されます。友人同士ならもってのほかですが、もしも婚約者であるなら関係性が強いと判断されるため、大家さんによって信用が得られる可能性があります。もちろん、入籍予定がないのに婚約者と嘘をつくのはNG。この場合は「同居人」として申し込むことができますが、婚約者に比べると審査通過の可能性が低くなります。
④人柄
同棲である・ないに関わらず、入居審査では入居者の人柄も見られます。大家さんからすれば、トラブルを起こすような人に家を貸したくありません。入居審査で直接大家さんと顔を合わせなくても、管理会社が作成する資料で入居希望者の様子が共有されるため、言動や身なりに難が見られると「入居後にトラブルを起こす可能性あり」とされ審査通過が困難となります。
⑤連帯保証人の有無
同棲の場合、連帯保証人の有無についても重要視されます。関係がこじれて同居解消となった際、家賃滞納のリスクが発生するからです。必ず連帯保証人を求められるわけではありませんが、保証人と連帯保証人を併用することで家賃の滞納リスクも下がります。
★同居人を連帯保証人にすることはほぼできません。連帯保証人になれる条件は3等親までとルール付けている管理会社が多いためです。また、連絡が取りづらい状況の親族やいとこなどの4等親は連帯保証人として認めてもらえません。
同棲でも入居審査に通りやすくなるポイント
入居審査で重視される内容を踏まえた上で、同棲でも入居審査に通りやすくなる方法をまとめました。
片方の収入だけで支払える家賃の物件を選ぶ
いくら二人入居可の物件でも、入居審査でチェックされるのは二人分の収入額ではなく、世帯主1名分の収入額です。リスク対策としても、二人分の収入よりも世帯主1名分の収入が多いと信頼度も高くなります。大家さんが不安視しているのは家賃滞納のリスクなので、片方の収入だけで支払える家賃であればリスクも軽減され、入居審査に通りやすくなるでしょう。
同居人と婚約中であることを伝える
恋人同士という関係よりも、婚約者同士という関係のほうが入居審査に通りやすくなります。もちろん仮の予定でも構いませんが、場合によっては入籍予定日を聞かれることもあるので、事前に打ち合わせしておくと良いでしょう。
お互いに連帯保証人を立てて連名で契約する
入居審査には、入居者それぞれが契約者となる「連名契約」で進める方法があります。連名契約の際はそれぞれに連帯保証人を立てるのが一般的なので、ともに安定した収入のある親族に連帯保証人になってもらえるよう依頼しましょう。連帯保証人は、入居者同様に収入面の審査を受けるため家賃36倍以上の年収が求められます。
入居審査が通らなければパートナーに契約人となってもらう
入居審査を進める上で、勤続年数が短かったり休職していたり、フリーランスで収入が安定しなかったりという理由で年収が低いと判断されることがあります。個人信用情報の記録が原因で入居審査に落ちることもあるでしょう。しかし、片方の支払い能力が低い・信用がないと判断されてもパートナーの入居審査に影響することはありません。もしも入居審査に通らなければ、パートナーに契約人となってもらうことを検討しましょう。
どちらかの親族に代理契約を依頼する
入居審査に通らない場合、どちらかの親族に代理契約してもらう方法もあります。代理契約とは、入居者以外で入居審査と賃貸契約をすることです。この場合、連帯保証人と同じで3等親までの親族が対象となるケースが多いため、対象かつ収入のある親族に相談することをおすすめします。
同棲で知っておきたい「二人入居可」と「ルームシェア可」
同棲を前提に部屋探しをする際、検索条件に「二人入居可」や「ルームシェア可」といった項目があります。それぞれにどんな違いがあるのでしょうか。
「二人入居可」とは
二人入居可の物件は、その名の通り単身入居ではなく二人入居ができる物件を指します。この場合、夫婦や親子、兄弟など親族での入居を前提にしているケースがあるため、恋人・友人同士の入居が認められないことも珍しくありません。「二人入居可」といっても特定の間取りが決まっているわけではなく、広めのリビングがある1LDKや空間が仕切られている2DKなど、部屋のタイプはさまざまです。
「ルームシェア可」とは
二人入居可よりも入居のハードルが低い、ルームシェア可物件。友人や同僚など、ライトな関係でも同居が認められています。もちろん、カップルで同棲を希望している人ならルームシェア可物件を選ぶのがスムーズでしょう。とはいえ、入居時に申告していなければ大家さんの許可無く同居することはできません。どちらかがもともと住んでいる物件であっても、同居には大家さんの許可が必要なので覚えておきましょう。
同棲でも賃貸物件の入居審査に通りやすくなる方法はある
家賃滞納リスクなどの関係から、恋人同士の同棲で賃貸物件を借りるのは困難です。一方で、入居審査に通りにくい理由もはっきりしているため、マイナスポイントを覆せる材料があれば入居審査も通りやすくなります。なにより、不動産会社を味方につければ解決できることもあるため、相談に応じてくれる不動産会社を探しましょう。