賃貸更新の手続きや流れを解説!更新料を抑える裏技も?
賃貸契約をしている際、必ず訪れるのが更新のタイミングです。一方で、更新の手続きや費用についてくわしく理解していない人も意外と多いのではないでしょうか。そこで本記事では、賃貸物件の更新に関する基本的な知識から、手続きや流れ、更新費用を抑える裏技までくわしく解説します。
賃貸の更新とは?更新のタイミングをチェック

賃貸契約の更新とは、契約期間満了後も引き続き同じ物件に住み続けるために、貸主と借主が合意の上で賃貸契約を延長することです。これは「普通借家契約」において適用されるものであり、更新の概念がない「定期借家契約」の場合は、契約期間満了とともに契約終了となります。
普通借家契約では、2年間の契約期間が一般的です。これは法律的なルールが関係しており、最低でも1年以上の契約期間が設けられています。
更新の際は、契約期間満了の2〜3か月前に管理会社または貸主(大家さん)から通知が届きます。賃貸契約には更新料もかかるため、直前になって慌てないためにも、契約書に記載された更新期間や通知時期を事前に把握しておきましょう。
更新料の相場

賃貸契約の更新には一定額の更新料がかかります。
相場は地域によって異なりますが、金額設定を家賃1か月以内としているケースが多いです。また、すべての物件に更新料がかかるわけではなく、地域によっては更新料がかからないケースもあります。これは、物件や地域の慣習ごとに更新料の概念が異なるからです。
更新料は賃貸借契約書に明記されているので、金額設定が知りたい人は契約時に確認することをおすすめします。
更新料が用意できない場合はどうすればいい?
もしも金銭的な問題で更新料が支払えない場合は、すぐに貸主や管理会社に相談しましょう。相談によっては、更新料を分割払いにしてくれる可能性があります。間違っても、放置しないようにしましょう。
賃貸を更新する時の手続きや流れ

賃貸契約は、次のような流れで進みます。
①更新通知の受領
②契約内容の確認
③更新書類の作成・返送
④更新料などの振込
まず、契約期間満了の1〜3か月前に、貸主または管理会社から更新通知が届きます。届いたら、更新通知の内容や更新料を確認し、必要に応じて貸主や管理会社に更新の意思を伝えましょう。
更新の際は、指定の期日までに契約書類や必要書類を作成して返送します。その後、更新料や手続きにかかる費用を支払って、更新手続き完了です。
もしも、期間満了の1か月前になっても更新通知が届かない場合、管理会社や貸主に確認を取りましょう。
賃貸を更新しないときの手続きや流れ

普通借家契約は、双方の手続きがない場合でも自動的に更新されます。これは法定更新と呼ばれるもので、借主を守るための仕組みでもあります。
だからこそ、賃貸を更新しない場合は入居者側から解約を通知しなくてはなりません。おもな流れは、次のとおりです。
①借主側からの解約通知
②退去日の決定
③退去の準備
④退去の立ち合い
⑤敷金精算
まずは契約書記載の期限までに、貸主または管理会社に退去の意思を伝えます。そして、双方で相談の上退去日を決め、退去日までに荷物の整理や不用品処分、清掃を行います。
退去日に貸主または管理会社立会いのもと、物件の状態を確認し、敷金を清算後、退去手続きの完了です。
注意したいのは、解約通知の遅れです。解約するつもりでも更新料が発生するリスクがあるので、十分に注意しましょう。
更新料以外に必要な費用もある

賃貸契約の更新では、物件の更新以外にもさまざまな費用がかかるケースがあります。たとえば、火災保険や保証会社の契約更新料です。これらは賃貸物件を借りる際に契約するケースが多いですが、賃貸契約の更新に合わせて2年間契約となっている場合があります。予想外の出費とならないよう、あらかじめ確認しましょう。
火災保険の更新料
契約内容や物件の構造にもよりますが、火災保険の更新には1〜2万円程度の更新料がかかります。
火災保険は、火災だけでなく水漏れや落雷などの自然災害、盗難などのさまざまなリスクから家財を守るための保険です。万が一の事態に備え、安心して生活するためにも、火災保険の更新は忘れずに行いましょう。
また、更新時は補償内容を見直す機会でもあります。家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、必要な補償が十分に備わっているか確認し、必要に応じて補償内容を見直しましょう。
保証会社の更新料
保証会社の更新料は、1万円程度、もしくは家賃の10〜30%程度が相場です。
保証会社を利用している場合、保証会社の契約期間も物件の契約期間と同じであるケースも多いため、物件の更新料と同時に更新料が発生する可能性があります。更新前は、契約内容を確認のうえ、更新料の金額や支払い方法をチェックしておきましょう。
保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に、貸主に対し家賃を保証する会社です。貸主は家賃滞納のリスクを減らせ、入居者は連帯保証人を探す手間が省けます。
一方、保証会社によっては更新時に審査が行われる場合があります。万が一審査に通らなかった場合は、賃貸更新自体ができない可能性があるので注意が必要です。
更新料を安くする裏技があるって本当?

実は、交渉次第で賃貸の更新料を安くできる可能性があります。
とはいえ、更新料だけ下げてもらうのは難しいため、実際の交渉では家賃等も一緒に交渉して、全体的に費用を安くすることを目指しましょう。
更新料の値下げ交渉を始めるタイミングは、更新の通知が届いてからです。
ですが、更新時期が近づいているなら、5月から9月の賃貸物件が比較的動きにくい時期を狙うのがおすすめ。なぜなら、この時期は新しい入居者を見つけるのが難しく、貸主にとっても今の入居者に長く住み続けてもらう方がメリットが大きいからです。つまり、交渉が成功しやすいチャンスと言えます。
交渉を成功させるポイント
更新料や家賃の減額交渉で抑えておきたいポイントをまとめました。
- 誠実な態度で臨む
- 日ごろからマナーの良い住人を心掛ける
- 値下げの根拠をそろえる
交渉の際は、高圧的な態度をとるのではなく、あくまでお願いする姿勢で臨みましょう。トラブルを起こさない、今後も住み続けてほしいと貸主に印象付けることがポイントです。
そして、日ごろからマナーの良い住人でいることを心掛けましょう。当たり前のことですが、家賃滞納をしない、住人同士でトラブルを起こさない、マナーを守るなど、トラブルを起こさない住人でいることが大切です。
また、更新料や家賃を値下げしてほしいと一点張りしても、交渉はスムーズにいきません。なぜ値下げしてもらいたいのか、その根拠をはっきりさせたうえで交渉に臨みましょう。
たとえば、近隣に大きな建物ができて日当たりが悪くなった、近隣のスーパーが閉店して不便になった、設備が古くなったなど、建物や周辺環境の状況の変化が、値下げの根拠になります。
また、更新料や家賃の値下げがなければ引っ越しを検討している、ということを伝えても良いでしょう。賃貸更新がなければ、貸主としても空室を作ったり、修繕やクリーニング費用に負担がかかったりと、デメリットが多いです。
最終手段とも言える交渉術ですが、これまでトラブルを起こさず、マナーを守っていれば「値下げしてでも住み続けてほしい」と判断してもらえる可能性があります。
まとめ
賃貸物件を契約している人の多くが、2年に1度契約更新の時期を迎えます。更新時には更新料がかかるケース、かからないケースとあるので、急な出費で焦ることがないよう賃貸借契約書の内容を確認しておきましょう。また、賃貸契約の更新とともに、火災保険や保証会社の更新を迎えることも多いです。こちらもあわせて確認し、契約内容の見直しや更新の有無を検討してみてください。