ZEH賃貸で光熱費が大幅削減!?今話題のZEH賃貸で得られるメリット・デメリットを解説
近年注目を集めている「ZEH賃貸」は、高断熱・高気密の建物に、太陽光発電などの創エネ設備を導入した、環境にも家計にも優しい賃貸住宅です。毎月の家計に余裕が生まれるメリットがある反面、初期費用が高くなるデメリットもあります。そこで本記事では、ZEH賃貸の特徴やメリット・デメリット、探し方などについてくわしくご紹介します。ZEH賃貸と一般の賃貸住宅で悩んでいる方や、ZEH住宅に興味のある方はぜひ参考にしてください。
ZEH賃貸とは
冒頭でも触れましたが、ZEH賃貸は高断熱・高気密の建物に、太陽光発電などの創エネ設備を導入した賃貸住宅です。これにより室内の温度を一定に保ちやすく、冷暖房にかかるエネルギーを大幅に削減することができます。
そもそもZEHとは「Net Zero Energy House」の略です。ZEH賃貸は、太陽光発電で作った電力を自給自足することで、年間のエネルギー収支をゼロ以下にすることを目指しています。
エネルギー消費量を抑えることで光熱費を削減できるのはもちろん、環境にも優しい暮らしを実現することが可能です。
ZEH住宅になるための基準
住まいがZEH住宅として認められるのは、以下4つの基準を満たした場合のみです。
強化外皮性能基準が0.6〜0.4以下 | 建物の壁や断熱材などを含めた外皮の断熱性能を判断する基準。地域ごとに基準となるUA値が異なる。 |
一次エネルギー消費量を20%以上に削減 | 石油や天然ガスなど自然界にある物質から、直接エネルギーに変えることで得られるエネルギーの消費量。 |
再生可能エネルギーの導入 | 太陽光パネルや再生可能エネルギーシステムの導入により、創エネが可能な住まい。 |
年間の一次エネルギー消費収支をゼロ以下 | 寒冷地や多雪世帯などでは75%以上100%未満の削減(NearlyZEH)が要件になるケースもある。 |
簡単に言えば「断熱や気密性能の基準値をクリアしていること」と「太陽光パネルの設置」によりZEH住宅の認定条件を満たすことができます。一戸建てだけではなく、集合住宅のZEH賃貸も普及が進みつつあります。
ZEH賃貸に住むメリット
- 光熱費が削減できる
- 将来的なエネルギー価格の高騰を防げる
- 快適な室内環境で過ごせる
- 環境問題改善に貢献できる
高断熱・高気密な構造に加え、太陽光発電などの創エネ設備を備えているZEH賃貸は、冷暖房費や照明費などの光熱費を大幅に削減できるのが大きなメリットです。特に、化石燃料への依存度が低いZEH賃貸は、エネルギー価格の変動リスクを軽減し、安定した生活を送る上で役立ちます。
また夏は涼しく、冬は暖かいので、室温が安定しやすく、一年を通して快適な室内環境を実現します。ヒートショックのリスクを軽減し、健康にも配慮した住まいと言えるでしょう。
なにより、ZEH賃貸は、CO2排出量を大幅に削減し、地球温暖化などの環境問題解決に貢献できます。また、再生可能エネルギーの利用促進にもつながり、持続可能な社会の実現に貢献できるのもポイントです。
ZEH賃貸にはこんなデメリットも
- 初期費用や家賃が高い可能性
- メンテナンス費用がかかる可能性
- 物件数が多くない
ZEH賃貸は、建築コストが高くなりがちです。高断熱・高気密な構造や太陽光発電設備などの導入により、初期費用が一般の賃貸住宅に比べて高くなる傾向があります。
同時に、家賃も相場より高額になる可能性や、太陽光パネルなどの設備のメンテナンス費用が別途必要になる可能性もゼロではありません。光熱費が抑えられても、別の名目で月々の固定費が高くなる可能性もあるのです。
また、現状はZEH基準を満たす賃貸住宅の数が少なく、選択肢が限られています。ZEH賃貸に住みたい!という強いこだわりがある場合は、部屋探しに難航するでしょう。
大手メーカーのZEH住宅を紹介
全国的にも数が少ないZEH賃貸ですが、大手メーカーでは独自のブランドとしてZEH賃貸を供給しています。ZEH賃貸をよりイメージできるよう、実例を紹介します。
シャーメゾンZEH(積水ハウス)
日本で初めてZEH賃貸を竣工、かつ建設数が国内トップ(※)の積水ハウス。シャーメゾンZEHは、高断熱仕様の住まいに太陽光発電パネルによる創エネはもちろん、独自のタブレットで太陽光発電パネルの発電や売電状況、エネルギーの使用状況を見える化するシステムが特徴です。
ホームページでは、エリアごとにシャーメゾンZEHの対象物件が検索できるようになっています。
ZEH-M(大和ハウス)
ZEH-Mはネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンションの略で、照明や冷暖房、給湯、換気などの一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住まいです。太陽光パネルで発電した電気をそれぞれの部屋で使用できたり、優れた断熱性能で快適な室温をキープできたりと嬉しいポイントが満載です。
着実に竣工数も増えており、D-ROOMのホームページで検索することもできます。
レトアAZ|セキスイハイム
ZEH水準のなかでも高水準の断熱性能を誇る、セキスイハイムのレトアAZ。公式によると、非ZEH賃貸に比べレトアAZのひと月あたりの光熱費が約40%ダウンすると公開されています。
セキスイハイム各社のホームページでも紹介されているので、希望エリアを管轄するセキスイハイムのホームページをチェックしてみてください。
ZEH賃貸の探し方
ZEH賃貸はホームページで簡単に探すことができます。
不動産ポータルサイトで条件検索をするのは難しいですが、キーワード検索でヒットする可能性はあるでしょう。
また、先ほど紹介したZEH賃貸を共有するメーカーのホームページから対象物件が検索できるケースもあります。大手メーカーが手掛けているという安心感や実績はなによりの強みと言えるでしょう。
さらに、検索エンジンで「◯◯(希望エリア)ZEH住宅」などと検索することでヒットする可能性があります。ZEH賃貸を専門に取り扱う仲介会社はあまり見かけませんが、直接店舗へ足を運んで相談してみるのも良いでしょう。
ZEH賃貸に関するよくある質問
最後に、ZEH賃貸に関する質問についてまとめました。
ZEH賃貸の入居者のメリットは何ですか?
一般的な賃貸物件に比べると、光熱費が抑えられる点です。建物の構造や設備など、省エネ・創エネが実現できる工夫が仕組まれています。
ZEH賃貸の数が少ない理由は何ですか?
一番はコストがかかるという点です。太陽光パネルや蓄電池などの設備導入、また高断熱構造の集合住宅を建てるには、建築コストはもちろんメンテナンスなどの維持コストも高くなります。このほかにも、太陽光パネルの設置でデザインに制限が出るため、外観を気にする人にとってはデメリットと言えます。
ZEH賃貸は光熱費ゼロ円になるって本当?
光熱費がゼロ円になることはありません。ZEH賃貸におけるエネルギー消費は、あくまで冷暖房や照明、給湯、換気などの一次エネルギー消費量が対象であり、テレビや冷蔵庫などの家電は対象外だからです。また、発電量は天候や地域により変化するので、光熱費が決まった金額分安くなるということもありません。一般的な賃貸住宅よりも光熱費が抑えられる、という認識を持ち、引っ越しを検討しましょう。
まとめ
ZEH賃貸は、家計にも環境にも優しい住まいです。光熱費が削減できたり、快適な室温で快適に過ごせたりとメリットもありますが、家賃や初期費用が高くなりがちな点については考慮する必要があるでしょう。将来的にエネルギー価格の高騰が心配される今、ZEH賃貸で理想の省エネ暮らしを体験してみてはいかがでしょうか。