アルバイトの一人暮らしはきつい?手取りの目安や必要な初期費用
「一人暮らしを始めたいけど、アルバイトの収入で部屋を借りたり生活したりすることはできるの?」そう悩む人も少なくないでしょう。特に、実家暮らしをしていた場合は一人暮らしの出費が負担になり、生活がきついと感じてしまう場面も珍しくありません。そこで、アルバイトの一人暮らしは実際にきついのか?毎月の生活費や手取り収入をシミュレーションしながら検証していきたいと思います。
アルバイトの一人暮らしはきつい?
アルバイト(フリーター)でも工夫次第で一人暮らしを始めることは可能ですが、きついと感じてしまう前に【毎月の支出と収入】について把握しておかなくてはなりません。
- 支出|一人暮らしにかかる毎月の費用
- 収入|アルバイトの手取り額
支出が収入を上回ると生活が破綻してしまうので、まずは自分の手取り収入で一人暮らしが実現できるかシミュレーションしましょう。ここからは、一人暮らしにかかる毎月の費用とアルバイトの手取り額についてくわしく解説します。
一人暮らしにかかる毎月の費用
一人暮らしで毎月どれだけ生活費がかかるか、まずはシミュレーションしましょう。以下の費用は、単身世帯の生活費(家賃・交際費を除く)の一ヶ月平均(2023年)を調査した総務省のデータです。
食費(外食含む) | 46,391円 |
光熱費(電気・ガス・水道) | 13,045円 |
家具・家事用品費(寝具や日用品) | 5,955円 |
被服および履物代 | 4,712円 |
交通費・通信費(ガソリン代、スマホ代、インターネット利用料など) | 21,796円 |
保健医療費(医療費や生命保険料など) | 7,426円 |
教養・娯楽費(趣味や旅行など) | 19,425円 |
その他(雑費) | 25,051円 |
合計|143,801円 |
実際にかかる費用には個人差や地域差があるものの、家賃や交際費を除いても15万円弱の生活費がかかることがわかります。一人暮らしを始めたいなら、
- 今の手取りで毎月の生活費が賄えるのか(後述)
- 節約できるポイントがないか
などを事前に把握・調査しておくとよいでしょう。
アルバイトの手取り額をシミュレーション
「今の手取りで毎月の生活費が賄えるのか」といってもイメージしにくいものです。ここで、アルバイトの平均時給から実際の手取り額をシミュレーションしてみましょう。バイトルの調査によると、アルバイトの全国平均時給は1,375円(2024年2月度)です。
1日8時間×週5日(週40時間)働いた場合 1,375円×週40時間×4週×12ヶ月=想定年収 | 想定年収|2,640,000円 想定月収|220,000円 想定手取り月収|165,000円〜187,000円 |
1日5時間×週5日(週25時間)働いた場合 1,375円×週25時間×4週×12ヶ月=想定年収 1日5時間休憩無しで勤務した場合を想定 | 想定年収|1,650,000円 想定月収|137,500円 想定手取り月収|103,125円〜116,875円 |
1日10時間×週5日(週50時間)働いた場合 1,375円×週50時間×4週×12ヶ月=想定年収 1日8時間+2時間残業 or 2箇所の掛け持ちを想定 | 想定年収|3,300,000円 想定月収|275,000円 想定手取り月収|206,250円〜233,750円 |
手取り額は、総支給から税金や社会保険料が差し引かれた金額になります。個人差はあるものの、毎月の額面の75〜85%が目安と言われているため、上記の「想定手取り月収」もこの目安を元に算出しています。
アルバイトでも一定の収入があれば一人暮らしは可能
一人暮らしにかかる毎月の生活費は、15万円前後に家賃や交際費が加わります。家賃の安い物件に住み、節約を続ければアルバイトでも一人暮らしをすることは可能です。
アルバイトで一人暮らしを始める注意点
とはいえ、アルバイトでの一人暮らしは“不可能ではない”という意味合いが強く、自由に使えるお金が少なく、医療費や家具家電の修理費など急な出費に対応できない可能性が高いです。アルバイトをしながら一人暮らしをするなら、これらの注意点についても知っておきましょう。
- 貯金はほぼできない
- 基本的に自炊が必要
- 冠婚葬祭など急な出費に対応できない
- 贅沢ができない
また、時給制のアルバイトは実際に働かなければ収入につながらないため、病気や怪我で働けなくなったり、シフトを減らされたりすれば一人暮らしがよりきつくなる可能性があります。
なにより、正社員に比べると収入が不安定になるアルバイトは賃貸審査が厳しくなります。一人暮らしを始めるなら、
- シフトを増やして収入を増やす
- 時給の良いアルバイトに変える
- 家賃相場の低いエリアで部屋を探す
- 家賃の上限は手取り月収の4分の1に抑える
などの工夫が必要となるでしょう。
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一人暮らしを始める際の貯金の目安
一人暮らしを始めるには、さまざまな費用がかかります。
- 部屋を借りるための初期費用(敷金・礼金など)
- 引越し作業の費用
- 家具・家電を揃える場合の費用
- 食材や日用品を揃える費用 など
最低限の貯金があれば一人暮らしがスタートできると思うかもしれません。しかし、入居審査の際は貯金の額を聞かれることもあるので注意が必要です。もしも貯金がないと発覚した場合は、入居審査に通らず一人暮らしが始められない可能性もあります。
一人暮らしを始めるのにどれくらい貯金すればよいのか?そう悩んでいる人は【初期費用+引越し費用+30万円程度】を目安にするとよいでしょう。入居審査や引っ越しのための貯金ではなく、今後の生活を見越して貯金をしておくのがポイントです。
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初期費用と引越し費用の目安&安くするポイント
部屋を借りるために必要な初期費用、また引越し作業に必要な費用について詳しく解説します。
初期費用の目安と安くするポイント
初期費用にはさまざまな項目があります。項目やそれぞれにかかる費用の目安について、以下を参考にしてみてください。
敷金 | 家賃1ヶ月分が目安。退去時の原状回復費などに充当。 |
礼金 | 家賃1ヶ月分が目安。大家さんへの謝礼金。 |
仲介手数料 | 家賃0.5〜1ヶ月分が目安。仲介会社に対する手数料。 |
前家賃 | 家賃1ヶ月分が目安。入居した月の翌月分の家賃。 |
日割り家賃 | 入居した月の残り日数の家賃。たとえば家賃7万円の場合、月30日の16日目に入居したら残り日数15日分となる35,000円が必要。 |
火災保険料 | 2年間で2万円程度。自分で用意した保険に入ることも可能。 |
保証会社利用料 | 家賃0.5ヶ月分が目安。ほとんどの賃貸物件において利用必須。 |
鍵交換費用 | 2万円前後が目安。場合によって貸主負担にも。 |
以上のように、初期費用と言ってもその項目はさまざま。相場は、多めに見積もって家賃の4.5〜5倍を想定しておくと安心でしょう。
一方、初期費用には物件やエリアの特性によって不要になる項目もあります。上記では敷金や礼金が家賃1ヶ月分目安と紹介していますが、物件によっては敷金や礼金がゼロになったり、仲介手数料不要のケースもあるのでチェックしておきたいポイントです。
また、家賃が1ヶ月分無料になるフリーレントの物件を選ぶのも初期費用を抑えるポイントです。初期費用を抑えるポイントについては、以下の記事も参考にしてみてください。
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賃貸契約・更新時の値下げ交渉は可能?初期費用や仲介手数料を抑える裏技
引越し費用の目安と安くするポイント
引っ越し業者に作業を依頼する場合は、シーズンによって料金も大きく変わります。そこで通常期と呼ばれる5〜1月、繁忙期と呼ばれる2〜4月の引越し費用の相場についてご紹介します。
通常期(5〜1月) | 繁忙期(2〜4月) | |||
単身(荷物小) | 単身(荷物大) | 単身(荷物小) | 単身(荷物大) | |
全平均 | 平均46,319円 | 平均60,091円 | 平均56,808円 | 平均81,099円 |
〜15km未満同市区町村程度 | 平均37,953円 | 平均50,692円 | 平均44,635円 | 平均61,637円 |
〜50km未満同都道府県程度 | 平均40,628円 | 平均52,241円 | 平均49,043円 | 平均67,400円 |
〜200km未満同一地方程度 | 平均49,342円 | 平均67,572円 | 平均58,642円 | 平均88,013円 |
〜500km未満近隣地方程度 | 平均58,807円 | 平均85,500円 | 平均67,943円 | 平均108,331円 |
500km以上遠距離地方程度 | 平均71,192円 | 平均104,054円 | 平均79,707円 | 平均129,519円 |
シーズンはもちろん、曜日や時間帯などの条件によって数万円単位で引越し費用に差が出るため、引越し費用を抑える工夫する必要も検討しなくてはなりません。引越し費用を抑える方法としては、
- 一括見積もりで引越し費用の安い業者に依頼する
- 大型家具の購入予定があれば転居先で購入する
- 希望日程に幅を持たせて引越し料金の交渉をする
などが挙げられます。
とことん料金を抑えたいなら、引越し業者ではなく便利屋や配送業者の引越しプランを検討するのもおすすめです。破損や傷のリスクは伴いますが、業者に頼まず自力で引越す方法も引越し費用を抑える選択肢といえるでしょう。
まとめ
アルバイトの場合は収入が不安定になりがちなので、場合によっては一人暮らしがきついと感じてしまうかもしれません。一方でアルバイトで一人暮らしをしている人も多く、シフトを増やしたり生活費をコントロールすれば十分に実現することも可能です。まずは手取り収入と毎月の出費をシミュレーションして、家賃相場の安いエリアや物件を探してみましょう。また、部屋を借りるための初期費用や引越し費用は工夫次第で抑えることもできます。初期費用や引越し費用はもちろん、30万円程度の貯金で引越しを検討してみてはいかがでしょうか。