セカンドハウスは賃貸審査が厳しいって本当?物件を複数借りるためのポイント・注意点
セカンドハウスとして二軒目の住居を借りたい、また何らかの事情で賃貸物件を複数借りたい人もいるでしょう。しかし、場合によってセカンドハウスの入居審査が通らないケースもあります。今回は、セカンドハウスの賃貸契約で注意したいポイントについてご紹介します。
セカンドハウスは審査が厳しい?賃貸物件は複数借りられるのか
趣味や仕事など、人それぞれの都合で二軒目の賃貸物件を契約したい人は少なくないでしょう。とはいえ、現実的に賃貸物件を複数契約するのは難しいとされています。
賃貸物件を複数借りるのは問題ない
すでに住居として賃貸物件を借りていても、セカンドハウスとして賃貸契約をすること自体は可能です。もちろん、収入に余裕があることが前提となります。
しかし、セカンドハウスとして賃貸契約をするには入居審査をクリアする必要があります。入居審査において、家賃を二重で支払えるだけの収入があるか、また複数の賃貸物件を借りるきちんとした理由が必要となるため、一軒目を借りるとき以上に審査が厳しくなるのが現状です。
セカンドハウスの入居審査が通らない原因3パターン
ここで、セカンドハウスの入居審査が通らない原因について3つのパターンをご紹介します。
単純に入居審査に落ちてしまった
セカンドハウスであるかどうか以前に、入居審査に落ちてしまうケースがあります。入居審査で求められるのは、年収や職業、勤続年数などです。また、過去の滞納歴が響いて入居審査に弾かれるケースもあります。
セカンドハウスであることを伝えている
セカンドハウスとして借りたいことを正直に伝えた場合、一軒目の家賃とセカンドハウスの家賃を合算した金額と、年収を比較して入居審査がおこなわれます。合算した家賃だと審査基準(家賃の合計が手取りの3分の1)がオーバーしてしまうこともあるため、入居審査に落ちる可能性が高いです。
★とはいえ、セカンドハウスであることを隠して契約するのは後々大きなトラブルに繋がります。セカンドハウスを契約する際は、十分な収入があることが何より重要です。
近所に部屋を借りようとしている
一軒目の近所でセカンドハウスを借りる場合、一軒目の物件と管理会社が同じになることも珍しくありません。管理会社が同じであればすでに一軒目で賃貸契約を交わしていることが判明するため、セカンドハウスとして入居審査されることになります。よって、通常の入居審査よりも基準が引き上げられる可能性があります。
★管理会社だけでなく、家賃保証会社が一軒目と同じ場合も審査基準が引き上げられるので注意したいポイントです。
セカンドハウスの賃貸契約で気をつけること
セカンドハウスを借りることは決して不可能なことではありません。入居審査をクリアするために、また後々の大きなトラブルを避けるために注意したいポイントをまとめました。
名義貸しは絶対にしない
新たに部屋を借りる際、賃貸人に無断で自分ではなく家族や他の人に住まわせるために自分の名前で契約するのは「名義貸し」という違反行為になります。入居後に発覚すれば最悪強制退去となるケースもあるため、名義貸しは絶対にしないよう注意しましょう。
★セカンドハウスを借りることでも一軒目の名義変更をしたい場合も、難易度が高いのが現状です。というのも、名義変更が認められるのは結婚や離婚、死別など特別な事情がある場合に限られるからです。事情がない場合、一旦退去して再度入居審査をし、手続きに伴う費用も発生します。
セカンドハウスであることをきちんと伝える
セカンドハウスであることを正直に伝えると入居審査に差し支えるのは事実です。しかし、入居審査では契約者の属性や収入、人柄が重視されます。セカンドハウスであることを隠したり、嘘の理由を伝えたりしても、どこかのタイミングで嘘やごまかしが発覚することもあるでしょう。信用を失えば、将来的に賃貸物件が借りづらくなります。
セカンドハウスとして新たに賃貸契約をするのは、決して不可能なことではありません。十分な収入があるのはもちろんですが、なぜ複数賃貸物件を契約する必要があるのかを明確に伝えましょう。曖昧な目的のままだと入居審査に響きます。
家賃の合計額を手取りの3分の1に抑える
セカンドハウスを借りるうえでクリアしておきたいのが収入面です。セカンドハウスだけではなく、契約を結んでいるすべての賃貸物件の家賃合計額が手取りの3分の1を超えないようにしましょう。たとえば手取り30万円で一軒目の家賃が6万円の場合、セカンドハウスは家賃4万円以下にするのが目安です。
別の管理会社・保証会社を利用する
もしも近所にセカンドハウスを借りる場合は、同じ管理会社が管理している建物、保証会社を避けたほうがベターです。賃貸物件を複数契約するということは、通常の賃貸契約以上に家賃滞納リスクもあります。入居者側の希望で管理会社や保証会社を変えることはできないため、物件選びの段階で同じ管理会社、保証会社を避けるようにしましょう。
★物件情報や建物を見れば、どこの管理会社や保証会社なのかを知ることができます。
住民票はメインの住居にする
セカンドハウスの入居審査をクリアした後に訪れるのは、住民票を置く住居の問題です。法令では、生活の中心となる場所に住民票を置くことが定められているため、セカンドハウスを借りたとしても住民票を移す必要はありません。セカンドハウスでの生活が中心でない場合は、メインとなる住居に住民票を置きましょう。
★とはいえ、自治体によって届けを出す必要があることもあります。セカンドハウスのある自治体に確認しておくと安心です。
そもそもセカンドハウスとは?別荘とは何が違う?
セカンドハウスは、その名の通り自宅以外で定期的に居住するための“第二の住居”という意味を持ちます。近年ではテレワークの拡大もあり、セカンドハウスの需要も高まっているのが現状です。
また、昔から馴染みのある“別荘”もセカンドハウスと同じような意味を持つと思われがちですが、税制上で大きく異なるのがポイントです。第二の“住居”としての意味を持つセカンドハウスには税制上で優遇される一方、娯楽のために所有する別荘はその対象ではありません。
賃貸としてのセカンドハウスの場合、固定資産税などを支払う必要はないので関係ないように思える話です。しかし、税制上の優遇措置を受ける大家さんからすれば、たとえセカンドハウスでも居住用財産であることを認めてもらう必要があります。そのため、月1日以上は生活のために住居として使用するなど契約上の条件が設けられることもあるのです。
セカンドハウスを持つメリット
セカンドハウスを持つメリットは、利便性の良さと自宅以外で自由に使える空間が確保できるところです。たとえば自宅から勤務先までが遠い場合、勤務先の近くにセカンドハウスを借りれば通勤もスムーズになり、残業や飲み会のあともすぐに帰宅することができます。
また、趣味に没頭する空間がほしい人や一人暮らしのような感覚で自由にレイアウトできる空間がほしい人にも、セカンドハウスを借りるメリットがあるでしょう。
セカンドハウス以外の方法も視野に入れよう
セカンドハウスは、収入によって入居審査が難しくなる上に、利用頻度が少なければ家賃を無駄に払うことになり、かえって損することにもなります。セカンドハウスを借りる前に、借りる目的を明確にしたうえで、家賃を払うだけの利用機会があるのかをよく考えましょう。
また、入居審査に落ちた場合でも第二の住居を確保する方法はあります。たとえば、帰って寝るだけが目的でセカンドハウスを借りたいなら、狭小ながら生活に必要な設備が整っているシェアハウスでも良いでしょう。共用スペースは多いものの、初期費用も大幅に抑えられます。初期費用をかけず入居審査がない方法で第二の住居を探すなら、マンスリー物件もおすすめです。
まとめ
収入に余裕があり、利用目的がはっきりしている場合はセカンドハウスの入居審査も難しいものではありません。もしも審査に不安があるなら、合算した家賃でも十分生活できる家賃の賃貸物件を選びましょう。