月極駐車場の契約の流れは？必要なものや初期費用の内訳
月極駐車場を契約するには、居住用物件にはない特有の条件をクリアしたうえで、さまざまな手順を踏まなくてはいけません。もしも自宅に駐車スペースがなく、外部に月極駐車場を探す必要になった場合はどのような点に注意すればよいでしょうか？今回は月極駐車場の概要から契約時の流れ、初期費用など必要なものについて解説します。
月極駐車場とは？
月極（読み：つきぎめ）駐車場は、居住用物件と同じく1ヶ月単位で賃貸される有料駐車場のことです。オーナーや管理会社と賃貸借契約を交わし、毎月賃料を支払うことで利用できます。
月極駐車場を契約するにはいくつかの条件があります。
- 自宅から直線距離で2km以内にあること
- 支障なく出入りできる車であること
- 車全体を収容できること
- 車の所有者が保管場所として使用する権利があること
月極駐車場を契約する際は、居住用物件と同じように敷金を請求されることがあります。これは、賃料の未払いや設備の破損に対する保障であり、何事もなければ解約時に返還されます。一部では敷金ではなく“保証料”と呼ばれることもありますが、いずれの場合も賃料の1〜2ヶ月分が一般的です。
月極駐車場の種類とメリット・デメリット
月極駐車場は契約形態を示す言葉であり、実際にはさまざまな種類の駐車場が存在します。駐車場の種類によって対応できる車やメリット・デメリットもあるので、あらかじめ覚えておくと便利です。
平面式駐車場
その名の通り、平面に直接駐車するタイプの駐車場です。コンクリートで舗装されているものもあれば、砂利がむき出しになったままのものもあり、車の所有者にとっては気になるポイントと言えるでしょう。
車の出し入れがスムーズにおこなえる、車高が高い車でも停められる、ゆったりとした敷地で出庫時もストレスを感じにくいことがメリットに挙げられます。機械式のように設備費用もかかりにくいため、賃料も比較的抑えめなのが嬉しいポイントです。
一方、平面に駐車することで小さな石や砂利が車に当たって傷や汚れがつきやすいというデメリットがあります。屋根がなければ雨ざらし、雪が積もれば除雪作業も必要になるのがマイナス要素です。
多層式駐車場
多層式駐車場は複数の階層に分かれており、自分の運転でスロープを上り下りするタイプの立体駐車場です。限られた敷地でも多くの台数を収容することができ、都心部や繁華街に近いところによく見られます。
階層によってメリット・デメリットが変わるのも多層式駐車場の特徴です。下層階であれば車の出し入れに時間がかかりにくいほか、屋根があるぶん天候に左右されにくいメリットがあります。一方で、上層階よりも賃料が高めに設定されているのがデメリットです。
上層階の場合、車の出し入れに時間や手間がかかりやすいことから、下層階に比べると賃料が安いです。コストを抑えたいなら、多層式駐車場の上層階を選ぶと良いでしょう。
機械式駐車場
機械式駐車場は、機械で制御されるパレットで車を出し入れするタイプの駐車場です。パレットを上下に移動させて車を出し入れするピット式、タワー内でパレットを移動させて車を出し入れするタワー式、パズルのようにパレットを移動させて車を出し入れするパズル式など、いくつかの種類に分かれます。
いずれの種類も、防犯性に優れているのがメリットです。パレットに乗った状態の車は簡単に手出しできず、盗難などの被害にも遭いにくいでしょう。一方で、車の出し入れに時間がかかったり、設備の維持・管理の観点から賃料が比較的高いデメリットもあります。車高の高い車には不向きで、パレットに乗らないほどの大型車両は利用できません。
月極駐車場契約の流れ｜必要なものや初期費用
月極駐車場を契約するには、いくつかのステップがあります。注意しておきたいことは、冒頭で説明した“4つの条件”についてです。
希望の月極駐車場が見つかれば、駐車場のオーナーや管理会社に電話して申し込みます。最近では事務所まで出向かなくてもオンラインで申し込めるケースもあります。
とはいえ、月極駐車場はどんな人でも借りられるわけではなく、居住用物件のようにオーナーや管理会社の審査が必要です。審査に通過して初めて契約ができる流れになります。
審査に通過したあとは、所定の初期費用を支払い契約書を交わします。ただし、オーナーや管理会社によっては審査前に初期費用の支払を求める場合があるため、初めに初期費用が必要なタイミングを聞いておくと安心でしょう。
初期費用を支払い契約書を交わせば、晴れて月極駐車場を利用することができます。
契約時に必要なもの
月極駐車場を契約するには、次の書類等を準備しなければなりません。
- 運転免許証の写し
- 車検証の写し
- 印鑑証明書
- 印鑑
審査状況によっては、任意保険証や収入証明書、住民票などの提出が求められる場合もあるため、スムーズに取引できるようあらかじめ準備しておきましょう。
初期費用の内訳
月極駐車場にかかる初期費用は、契約手続きの前後に支払う必要があります。契約内容によっても異なりますが、初期費用の内訳は以下のようになっています。
- 前家賃：賃料1ヶ月分
- 敷金：賃料1〜2ヶ月分
- 礼金：賃料1〜2ヶ月分
- 仲介手数料：家賃1ヶ月分
なかには礼金や仲介手数料がかからないこともありますが、あらかじめ余裕を持って初期費用を準備しておくと良いでしょう。
月極駐車場は即日契約できる？利用開始までの期間
月極駐車場の契約から利用開始まで、一般的には1週間ほどが目安になります。なかには即日利用できる駐車場もありますが、ごく稀なケースです。月極駐車場を利用したい日付が決まっている場合は、余裕を持って契約しましょう。
ちなみに、オンラインで申し込み・契約手続きができるケースも増えていますが、対面での契約よりも利用開始までの期間を短縮できることも多いです。急いで契約したい場合は、オーナーや管理会社に相談するかオンラインでの契約を視野に入れましょう。
月極駐車場を探す3つの方法
月極駐車場を探すには、次のような方法が挙げられます。
- ポータルサイトを利用して検索する
- 希望エリアを実際に歩いて探す
- 不動産会社へ足を運ぶ
月極駐車場の諸条件を考えると、平面や機械式などの種類よりもまず先に、エリアを重視して月極駐車場を探す人は多いでしょう。とはいえ、希望の月極駐車場が見つかっても車種によっては契約できない可能性があります。車を購入して月極駐車場を探す、となればなかなか見つからず最終的に妥協せざるを得ないこともあるでしょう。新しく車を購入する予定や引っ越しの予定があれば、購入前に月極駐車場を探しておきましょう。
ポータルサイトを利用すれば、全国どこの月極駐車場も簡単に探し出すことができます。駐車場選びでエリアを優先するのはもちろん重要ですが、防犯対策として夜間の照明やカメラの設置、治安の情報を集めておくと安心です。
月極駐車場契約に失敗する3つのケースと注意点
月極駐車場の契約の流れでも触れましたが、契約には審査があり、場合によっては審査に通らず契約に至らないケースもあります。居住用物件に比べ賃料が安いからと軽く考えるのはNGです。
たとえば、未成年や収入面で不安要素を抱えた職業の場合は審査が難しくなります。信用情報に関わる部分なので、この段階で審査に通らなければ連帯保証人をたてても再審査を断られる可能性があるでしょう。
また、貸し出す側からすればトラブルを引き起こしたくない事情があるのも当然です。違法改造車を所有している人や、公序良俗に反する職業に就いている人は契約を断られることもあるでしょう。とはいえ、個人オーナーの場合は相談の上契約できることもあります。
そして、申込時には“契約の理由”を記載しなければなりません。「彼女の家が近い」「家から離れているけど安いから」という理由で申請すれば、審査に差し支える可能性があります。
もしも審査が不安な人は、月極駐車場を申し込む前にオーナーや管理会社に相談することをおすすめします。月極駐車場は、居住用物件と違って駐車場ごとに契約内容がガラリと変わるため、契約時の説明をしっかり聞きましょう。
月極駐車場の契約は事前調査をしっかりした上で臨もう
自宅までの直線距離や車の形状など、月極駐車場の契約には回避できない条件が求められます。車を購入したり、引っ越した後で月極駐車場を探したりするのはタイミング的に遅いため、条件に当てはまる範囲内で早めに駐車場探しをしましょう。希望駐車場が見つかった場合には、治安や防犯面のチェックもお忘れなく。
