賃貸契約書で注目すべき項目は?入居後のトラブルを防ぐ対策法

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賃貸契約は、私たちが日常生活を送る上で欠かせない契約です。しかし、契約書の内容が複雑で、すべての項目を理解できずに契約を進めてしまうケースも少なくありません。結果、後からトラブルに発展してしまうことも多くあります。本記事では、賃貸契約書の見落としが招くトラブルやその予防策、契約書に記載されている重要な項目や、契約前に確認しておきたいことについて解説します。

賃貸契約書の見落としによるトラブルと予防策

賃貸契約書は、賃貸人(大家さん)と借主(あなた)の間で交わされる賃貸借契約の内容をまとめたものです。この契約書に記載されている内容が、今後のトラブル発生時の判断材料となります。

契約書の内容をしっかりと確認せずに契約してしまうと、次に関係するトラブルに発展する可能性があります。

  • 家賃滞納
  • 敷金・礼金の返還
  • 修繕責任
  • 契約更新

ではここで、賃貸契約の見落としによるトラブルと予防策について4つのポイントに分類し、くわしく解説します。

家賃滞納

賃貸契約書の内容をしっかり理解せずに契約してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。たとえば、家賃の振込先を間違えてしまい、滞納とみなされてしまうケースや、延滞金に関する規定を見落として高額な費用を請求されるケースなどです。

賃貸契約書は、入居期間中の生活を左右する重要な契約書です。契約書には家賃の支払い方法や遅延した場合のペナルティなどが細かく定められているため、契約を結ぶ際には、内容をすみずみまで確認し、不明な点は不動産会社などに質問するようにしましょう。

敷金・礼金の返還 

賃貸契約書には、敷金の返還時期や、原状回復費用として差し引かれる範囲などが細かく定められています。敷金・礼金の返還条件が不明確な場合、退去時にトラブルになる可能性があるので注意が必要です。

たとえば、原状回復費用については契約書に記載された内容と、実際に請求される内容が異なるケースも少なくありません。通常の使用による経年劣化を修繕費用として請求されたり、ハウスクリーニング費用が過剰に請求されたりするケースも珍しくないでしょう。

一方、礼金は原則として返還されないものですが、契約によっては、一定の条件下で返還される場合もあります。

契約書の内容をしっかりと理解し、退去前に部屋をしっかりと清掃しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。退去時にトラブルが発生した場合には、契約書の内容に基づいて、不動産会社や大家さんと冷静に話し合うことが大切です。

修繕責任

修繕の責任が誰にあるのかが明確になっていないと、トラブルに発展する可能性があります。

一般的には、通常使用による経年劣化は大家に対し修繕義務が発生するものの、入居者の過失による破損は入居者の負担となることが多いです。

しかし、契約書によってはこの範囲が異なる場合があります。たとえば、エアコンのフィルター掃除や、鍵の紛失による交換費用などが入居者の負担になるケースもあります。

さらに、修繕が必要になった場合は誰が業者を手配するのか、費用は誰が負担するのかなども、事前に確認しておくべき事項です。賃貸住宅での修繕は、入居者と大家のどちらが責任を持つのか、契約書でしっかりと確認する必要があります。

更新時の条件

賃貸契約書には、更新時の手続き方法や、更新料の有無などが定められています。特に、更新料については地域や物件によって設定が異なるため、契約時にしっかりと確認しておくことが重要です。

更新手続きを怠ると、契約が自動更新されるケースや、違約金が発生する場合もあります。さらに、更新の際に、家賃や共益費が値上げされる可能性もあるため注意しなくてはなりません。

契約更新時の条件が不明確な場合、更新を巡ってトラブルになる可能性もあります。契約書の内容をしっかりと理解し、更新時期が近づいたら早めに不動産会社で手続きを進めるようにしましょう。

賃貸契約書はどのタイミングで確認できる?

賃貸契約書は、物件の内見後、契約手続きの際に確認できます。不動産会社から重要事項説明書とともに提示されるのが一般的な流れです。契約後でも、契約書は大切に保管しておきましょう。

賃貸契約書で確認すべき6つの項目

賃貸契約書にはさまざまな項目が記載されており、目を通すだけでも一苦労です。とはいえ、見落としによるトラブルを防ぐためには、契約前の段階で賃貸契約書を読み解いておくことが重要と言えます。

ここで、賃貸契約書でしっかりと確認すべき6つの項目とその内容についてご紹介します。

①物件情報

物件の住所:間違いがないか確認しましょう。
部屋番号:間違いがないか確認しましょう。
専有面積:間取り図と照らし合わせて、実際の広さと一致しているか確認しましょう。

②契約期間

契約開始日:正確な日付を確認しましょう。
契約期間:自動更新されるのか、それとも更新手続きが必要なのかを確認しましょう。
解約に関する規定:解約する場合の手続きや違約金などが記載されているか確認しましょう。

③賃料等

月額賃料:間違いがないか確認しましょう。
共益費:内訳を確認しましょう。
敷金・礼金:それぞれの金額と、返還に関する条件を確認しましょう。
更新料:更新時に支払う必要がある場合は、金額を確認しましょう。

④修繕について

修繕責任:修繕の責任が誰にあるのかを明確にしましょう。
原状回復:退去時の原状回復義務について、どのような範囲で行う必要があるのかを確認しましょう。

⑤禁止事項

ペットの飼育:ペットを飼育できるか確認しましょう。
楽器の演奏:楽器の演奏が可能か確認しましょう。
深夜の騒音:深夜に騒音を出すことは禁止されているか確認しましょう。

⑥その他

保証人:保証人が必要かどうか確認しましょう。
違約金:契約違反をした場合に支払う必要がある違約金について確認しましょう。
保険:火災保険への加入が義務付けられている場合は、内容を確認しましょう。

賃貸契約書を読む際の注意点

賃貸契約書を読むうえで注意したいのは、以下4つの要素です。

  • 専門用語
  • 条項の抜け漏れ
  • 契約期間
  • 解約に関する規定

特に不動産用語は専門的で、理解しにくいものもたくさんあります。わからない言葉は、不動産会社に確認しましょう。また、すべての条項をしっかりと読み、抜け漏れがないか確認することも大切です。

契約期間については通常1年~2年が一般的ですが、物件によって異なる場合があります。解約する場合の手続きや違約金などは、しっかりと確認しておきましょう。

契約書は単なる書類ではありません。特に、更新料、敷金・礼金の返還、修繕責任など、のちにトラブルになりやすい項目は必ず確認しましょう。不明な点は契約前に必ず質問し、納得した上で契約を結んでください。

契約書の内容に納得できない場合は?

契約書の内容に納得できない場合は、無理に契約を進める必要はありません。不動産会社に相談したり、弁護士に相談したりすることも検討しましょう。

まとめ

賃貸契約は、日常生活に深く関わってくる重要な契約です。契約書の内容をしっかりと理解し、トラブルを防ぐようにしましょう。もし、契約書の内容について疑問に思う点があれば、不動産会社に相談したり、専門家に相談したりすることをおすすめします。

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