火災報知機の重要性 誤作動してしまった時は?

賃貸物件に住んでいるとあまり意識することはありませんが、ご自宅には必ず火災報知器が設置されているでしょう。しかし、設置場所を知らないという方も多いのではないでしょうか。

火災報知器は、その家に住む方の命を守るための設備です。今回は、火災報知器に関する知識や、誤動作した場合の対処法などをご紹介します。

 

火災報知器とは何か?

火災報知器とは、火災によって発生した煙や熱を自動的に感知し、建物内に残っている方に火災をいち早く伝えるための設備です。火災報知器を設置することで、火災発生の早期発見が可能になり、逃げ遅れの防止にもなります。火災報知器の有無が人の命に大きな影響を与えることは、いうまでもありません。

火災報知器は、マンションやアパート・一戸建てなど物件の形にかかわらず、すべての住宅に設置が義務付けられています。もちろん、賃貸か持ち家かは関係ありません。ただし、設置していない場合でも罰則規定はありません。

しかし、実際に火災報知器の設置を義務化したことで、火災による死亡者数が減少したというデータもあります。「罰則内なら設置しなくていいや」と安易に考えてはいけません。

火災報知器には電源式と電池式のものがあり、天井や壁の上部に設置されているのが一般的です。ご自宅の火災報知器の設置場所がわからない方は、これを機会にぜひ確認してみましょう。

出火の原因

冬の季節になると、火災に関する注意情報が多くの場所で聞かれるようになります。消防庁が発表した「平成30年版 消防白書」によると、失火による火災の原因のほとんどが火器取り扱いの不注意や不始末によるものでした。出火元は、タバコの火の不始末やコンロ・配線・ストーブなどが挙がっています。

火の不始末を防げるように最大限の注意を払うのは当然ですが、火災の原因は完全になくすことはできません。火災の発生を早期に発見できれば、被害を最小限に抑えることができます。火災報知器は、そのための手助けとなる道具なのです。

 

火災報知器の種類

火災報知器には、いくつか種類があり、お住みの家によっては設置されているものが変わります。ここでは、火災報知器の種類についていくつか分類をご紹介します。

「住宅用火災警報器」と「自動火災報知設備」の違い

火災報知器を大きく2つに分類すると、「住宅用火災警報器」と「自動火災報知設備」に分かれます。

住宅用火災警報器とは、私たちが普段自宅で見かけるタイプの火災報知器のことです。火災による熱や煙を自動的に検知し、警報器そのものが大きな音を鳴らします。マンションの各部屋や一般的な戸建てなど、ほとんどの住宅に設置されているのがこのタイプです。

自動火災報知設備とは、火災を自宅の外へ知らせるシステムのことです。建物の一部に火災が発生した場合、警報システムを通じて信号が送られる、マンションやアパート全体に警報がなります。マンションやアパートで暮らしている方は、通路にある赤い警報器を見かけたことはありませんか?それが自動火災報知設備です。

例えば、201号室で火災が発生した場合、その火災をマンション全体へと伝えるのが自動火災報知設備の役割です。マンションやアパートだけでなく、学校や駅・オフィスなど人が集まる施設に使用されています。

感知器の種類による分類

火災報知器は、火災を感知する方法によっても分類されます。具体的には、熱・煙・炎の3タイプに分かれます。それぞれの違いを簡単にご紹介します。

  • 熱感知型火災報知器

熱感知型の火災報知器には、熱に反応するセンサーが内部に入っており、一定の温度に達すると警報が鳴る仕組みになっています。マンションや一戸建てなど幅広く使用されるタイプで、もっともポピュラーといえるでしょう。

より具体的に解説すると、感知器内部の機構の温度上昇で作動する「差動式スポット型」と、感知器周辺の温度を感知して作動する「低音式スポット型」に分かれます。差動式スポット型感知器は、普段温度の変化が大きくないリビングや寝室などに使用され、低音式は温度が高くなることの多いキッチンなどに使用されるケースが多いです。

  • 煙感知型火災報知器

煙感知型の火災報知器は、報知器内部に煙が入ったことに反応して警報を鳴らすタイプです。温度が上昇していなくても、煙が充満した段階で警報を鳴らすため、火災の早期発見が可能になります。

より具体的に解説すると、光の乱反射を利用してセンサーを作動させる「光電式スポット感知器」と、送光部と受光部の間に煙が入った場合に警報を鳴らす「光電式分離型感知器」に分かれます。火災の早期発見が目的となるため、寝室や階段・廊下などに使用されるケースが多いです。

  • 炎感知型火災報知器

炎感知型の火災報知器は、熱や煙ではなく炎に含まれている赤外線や紫外線を感知し、一定量に達すると警報を発するタイプです。「紫外線スポット型感知器」と「赤外線スポット型感知器」に分かれ、広い範囲を監視することが可能です。

炎感知型の火災報知器は、熱感知型や煙感知型のものが使用できない場所に取り付けられることが多いです。例えば、映画館や劇場のような天井の広い空間は、熱や煙を感知するまでに時間がかかってしまうため、一刻も早く火災に気づくために炎感知型の火災報知器が使用されています。

火災報知器は、上記3タイプ以外にもガス漏れを検知して警報を鳴らすものや、音だけでなく光を発して火災を知らせるものもあります。今から設置を検討している方は、台所などガス漏れの可能性がある場所にはガス漏れ検知型、高齢者のいる家庭などには補助警報装置のついた火災報知器の設置を検討してみてはいかがでしょうか。

 

火災報知器が誤作動した場合の対処法

本来あってはならないことですが、稀に火災報知器が誤作動を起こすケースがあります。誤作動した場合の対処法を事前に理解しておけば、いざというときに慌てずに動くことができます。ここでは、火災報知器が正常に作動した場合と誤作動した場合の対処法の違いをご紹介します。

火災報知器が正しく作動した場合の対処

まず、火災報知器が作動した場合は、誤作動かどうかにかかわらず火元を探しましょう。火元の確認ができ、火災が発生していたら、すぐに119番へ通報し、周辺に「火事だ」と大きな声で知らせることが大切です。マンションやアパートの居室で火事が起こった場合は、外に出て周辺住民へ伝えるようにしましょう。

火災を早期発見でき、消火器などの設備が手元にある場合は、自ら初期消火にあたるのもひとつの方法です。ただし、自力で消化できる時間は短く、周辺への引火の可能性もあるため、落ち着いて対処できないと感じたらすぐに逃げてください。

火災報知器が誤作動した場合の対処法

火災報知器が鳴り、周辺を探しても火元が見つからない場合は、火災報知器の誤作動の可能性が高いです。水蒸気や火災以外の煙に反応するケースや、感知器内に虫が侵入した場合などは誤作動を起こすことがあります。

各居室に設置された住宅用火災警報器であれば、警報停止のスイッチを押せば警報音は止まります。ただし、自動火災報知設備の場合は、マンションやアパートで一括管理されているため、入居者個人が警報を止めることはできません。マンションの管理人や大家さんへ連絡し、速やかに対処してもらいましょう。

 

火災報知器は定期的なメンテナンスが大切

火災報知器に限らず、住宅に関わる設備は設置したらすべて安心というわけではありません。定期的なメンテナンスを繰り返すことで、いざというときに安心して使えます。異音がした場合や誤作動を繰り返す場合は、販売店やメーカーへ問い合わせましょう。

 

 

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