投資用マンションの家賃査定の方法と手順

投資用マンションを所有している場合は、空室になったタイミングなどで家賃設定を見直すことがあるでしょう。

物件のオーナー様は、その際にどのような基準で家賃設定を行っているでしょうか。今回は、投資用マンションの家賃査定の方法や、その流れをご紹介します。

投資用マンションは前回と同じ条件で行うべきではない?

投資用マンションを所有している場合、タイミングに応じて家賃設定を見直すことがあります。入居者がいる状態で行うケースは多くありませんが、物件が空室になった際に行う方も多いのではないでしょうか。

ただ、入居者を募集するたびに家賃を見直すことは面倒と考え、前回と同じ条件で募集をしているオーナー様も少なくありません。

家賃や敷金・礼金などの条件は、募集時期や近隣の家賃相場など、さまざまな要因に影響を受けます。そのため、適正な家賃を調査し募集条件とすることで、入居者を獲得しやすくなり、得られる利益を最大化できるのです。

面倒だからと前回と同じ条件で入居者募集を行っているマンションオーナー様は、家賃の値上げのチャンスを逃しているかもしれません。

今回ご紹介する情報を参考に、家賃査定をしっかりと行い、募集条件に反映させましょう。

貸し方によっても賃料は変わる

同じ物件でも、貸し方に応じて賃料が変化することをご存知でしょうか。一般的な賃貸方法である「普通借家契約」「定期借家契約」「サブリース契約」に分けてご紹介します。

普通借家契約

普通借家契約とは、賃貸借契約の多くで結ばれている一般的な契約形態です。賃借人として物件を借りたことがある方は、その際の契約形態を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

多くの契約は、2年契約で結ばれていて、賃借人が契約の更新を希望すれば、特段の事情がなければ更新されます。

2年以上の長期契約を想定して貸し出したいオーナー様が結ぶ契約形態です。賃料も高く設定できるため、収益性の良い契約形態といえます。

定期借家契約

定期借家契約とは、契約期間が定められていない契約形態です。決められた期間で契約が終了するため、転勤や海外赴任などを理由とした短期契約を希望する方と結ぶのが一般的です。

契約が短期間ということもあり、普通借家契約と比べると賃料相場は安くなり、収益性は良くありません。ただ、、一定期間は入居者が退去する可能性が低いため、その間にさまざまな施策を試みることができます。

サブリース契約

サブリース契約とは、サブリース会社に所有しているマンションを借り上げてもらい、家賃保証を得る契約形態です。「借り上げ」や「賃料保証」といったうたい文句で募集している会社が多い傾向にあります。

空室リスクを最小限に抑えられるため、メリットの多い契約形態として普及しています。ただし、その分家賃が低く見積もられる傾向にあります。サブリース会社への手数料などを支払う必要もあるため、収益性は高くありません。

副業などで不動産投資を行っていて、収益性より空室リスクを最小限に抑えたいという方におすすめの契約形態です。

サブリース契約については、以下の記事も参考にしてください。

家賃査定のために欠かせない情報収集

適正な家賃を設定し、収益性を最大化するためには、情報収集が欠かせません。こちらでは、家賃査定のために欠かせない情報収集のポイントをご紹介します。

所有物件について理解する

適切な家賃を設定して収益化最大化するためには、所有しているマンションについて深く理解することが大切です。物件のオーナとしてではなく、実際に借りる側になることを想定する必要があります。

とくに押さえておきたいのは、以下のポイントです。

  • 部屋の日当たり
  • 部屋の形
  • 外観や共用部分の清潔度
  • 設備の劣化や新たな設備の導入

また、最近お部屋を直接確認していないのであれば、空室になったタイミングで一度お部屋を訪れましょう。部屋の内装や設備を見直すだけでも、空室率を下げられるかもしれません。

近隣環境の変化も、実際に現地を訪れなければわからないこともあります。空室が長く続いたオーナー様が現地調査を行ったところ、近隣で長期にわたる工事が行われていたというケースもあります。

物件のあるエリアの特性を学ぶ

入居者がどのような物件を望んでいるか、需要のあるマンションはどのようなものかなどは、地域ごとに異なります。

所有しているマンションの需要をアップさせるには、物件のあるエリアの特性を学ぶことが大切です。

地域の特性については、インターネットで検索することもできますし、管理を委託している不動産会社や、地域に根付いた不動産会社などにリサーチをかけるのも有効な手段です。

ある程度エリアの特性を理解できたら、その地域に住む方をターゲットにした家賃設定や設備導入を行いましょう。

近隣物件の募集情報を知る

入居希望者を募るには、近隣物件との整合性も大切です。近隣物件とかけ離れた条件は、賃料が高くても安くても避けられる傾向にあります。

高い場合や賃料と物件の条件が見合っていないと判断され、安い場合は「何か事情があるのではないか」と勘繰られてしまうためです。

近隣物件の募集条件を確認するには、インターネットの不動産ポータルサイトを活用するのがおすすめです。所有しているマンションと比較して、他の物件が優れているところを把握し、募集条件の見直しに使用しましょう。

ただし、不動産ポータルサイトに掲載されている物件は、「現在空室の物件である」ことに注意してください。必ずしも人気の物件ばかりではありません。

近隣物件の成約情報を知る

マンションオーナーが自力で行える情報収集は、上記までです。ただ、前述の通り近隣物件の募集条件しか調べることはできず、実際に入居者が成約した情報を知ることはできません。

もしかすると、現在参考にしている条件が、長年空室になっている物件の情報かもしれません。

そこで活用したいのが、不動産業者間で募集情報を共有するコンピューターネットワークシステム、通称「レインズ」です。

募集条件だけでなく、該当物件が成約となった日なども登録されているため、どのような条件が成約に結びつきやすいのかも判断できます。

ただし、レインズは不動産会社のみ閲覧することができます。物件の管理を管理会社に任せている場合は、担当者に問い合わせてみましょう。実際の成約事例を調査することで、入居者を集めやすくなります。

募集家賃を設定する

上記の流れで情報収集を行い、賃料設定についてある程度目安を定めたら、制約が見込める募集条件を絞り込みましょう。家賃設定はもちろん、その他の条件についても精査する必要があります。

賃貸物件の賃料は、必ずしも周辺物件と比較して安くするのが得策というわけではありません。他の物件を比べて優れている設備や条件がある場合は、賃料を高めに設定し収益率を上げる方法も有効です。

高めに設定した家賃が受け入れられればそのままで構いませんし、反響具合を確認して徐々に下げることもできます。

また、入居率をアップさせなるべく空室期間を作りたくないのであれば、賃料を相場より安く設定し、入居者の目に留まりやすくする方法も良いでしょう。

大切なのは、ここまでで得られた情報を最大限有効活用し、入居者が納得する条件を設定することです。

まとめ

賃料設定は、不動産投資のなかでも大切なポイントです。誤った賃料を設定すれば、入居者が寄り付かなくなってしまったり、収益率が低くなってしまったりするかもしれません。

多くの情報に触れ、現在所有しているマンションに最適な賃料を確認しましょう。

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